2023年6月8日から9日、寺田倉庫で、日本から世界へ羽ばたくスタートアップを支援するスタートアップフェス「Takeoff Tokyo」が開催された。主催のアンティ・ソンニネン(Antti Sonninen)氏は、これまでSlushとしてスタートアップ支援をしてきたが、その次のステップを実現した形だ。
会場の様子をお届けする。
【関連記事】アンティ・ソンニネン氏へのインタビュー
日本のスタートアップエコシステムをさらにグローバルへ!「Slush Tokyo」を仕掛けたアンティ氏が、次なる「Takeoff Tokyo」へかける思い
2010年以降に何らかの形でスタートアップに関与していた人であれば名前を聞いたことが、あるいは直接参加したことがあるであ…
帰って来た「THE スタートアップ・フェス」
会場となった寺田倉庫G1では、照明が落とされ、ピンクとブルーを基調としたネオンラインが光り、クラブのような雰囲気が、いかにもスタートアップフェスの再来を表していた。
受付ではグローバルなスタッフから英語で案内を受け、会場に入ると、スタンディングデスクでドリンクを飲みながら、ラフに来場者やスタッフが会話を楽しんでいた。来場者は、海外国籍の方が70%ほどかという印象で、そこかしこから英語が聞こえ、日本であることを忘れる非日常空間がそこにあった。
企業ブースも設けられており、オンライン決済プラットフォームのStripeなどが出展。ブースでは常駐のスタッフがサービス説明などを行っていた。
2日間に渡る充実したコンテンツ
コンテンツとしては大きく2種類に分かれ、パネルディスカッションとピッチからなる。
パネルディスカッションは30分尺のものが約20個ほど用意され、今をときめくグローバル起業家たちが、スタートアップの国際的な活躍をどう推進するかについて語った。
豪華審査員に挑んだグローバルスタートアップたち
ピッチイベントも2日間にかけて行われた。1日目はグループごとに予選が行われ、下記スタートアップが出場した。
Group1
- HCS Japan
- Faster Company
- PLEN Robotics Inc.
- LX Design
- Qlay
審査員
- Koichi Sato(KK Fund)
- Shin Iwata(MIRAISE)
- Schyler Cole (Incubate Fund)
Group2
- Sind Inc.
- Skai Beauty
- Galari
- totemo.art
- Kyoto Meditation Center
- Holoash
審査員
- Mariko Yazawa(Yazawa Ventures)
- Chelsilia Tanzil (Lifetime Ventures)
- Toshiaki Shimakawa (Headline)
Group3
- Cosbe inc.
- WAVEE
- miiru.me
- FEAST
- Sami Japan inc.
審査員
- Bernard Moon (SparkLabs Group)
- Takaki Ishii (Chiba Dojo Fund)
Group4
- ChessX
- Metaverse Creators Inc.
- for Creators Inc.
- mindbento K.K.
- Holotch
- YStory
- menux
審査員
- Emre Hidekazu Yuasa (Globis Capital Partners)
- Ryo Umezawa (Antler)
Group5
- Aokumo
- Woodstock
- GIG-A
- xWIN
- Inovat
- Xpress AI
- Turing Chain Ltd.
審査員
- Takashi Kitao (CyberAgent Capital)
- Yasuhiro Mimura (EggForward)
登壇者のコメント
Group1ピッチ登壇
FasterCompany / Co-Founder, CEO 山田 一平氏
イギリスの大学院を出て起業しています。どうせやるならグローバルネイティブで起業しようと考え、今回は、海外進出を希望しているスタートアップが参加できるイベントを探してたどり着きました。日本のカンファレンスは固い雰囲気のものがまだ少なくないので、こういったフェスライクなイベントはとても嬉しいです。
社会課題解決性やグローバル性を評価され、優勝企業が決定
DAY2のファイナルピッチでは、セミファイナル審査を経て以下4企業が最終決戦。
- Totemo株式会社(https://totemo.art/)
- Woodstock株式会社(https://woodstock.club/)
- 株式会社YStory(https://www.ystoryfemtech.com/)
- 株式会社GIG-A(https://gigabank.jp/)
審査員
- Akihiko Okamoto (Headline)
- Asumi Ota (D4V)
- Chiamin Lai (UB Ventures)
熾烈な戦いを経ての優勝は、GIG-Aとなった。
審査項目は大きく3点で、社会課題への向き合い方やグローバル性が評価された。
- 課題(ペイン)の重要度、深刻さ
- グローバル(展開、チーム)
- 市場(規模、可能性)
参加者のコメント
幕間ではダンスパフォーマンスも行われ、参加者も、いかにもフェスという雰囲気を楽しんでいた。
来場していた方々からも、イベントを知ったきっかけや、参加してみての感想を伺った。
株式会社Ringi
代表取締役・Yerzhan Karatayev氏、経営管理・Yerkezhan(Aya)Karatayeva氏
カザフスタンの出身です。夫婦でもビジネスパートナーでもある我々二人は、夫婦サポートAIアプリを開発しています。主催のアンティさん経由でイベントの存在を知り、参加させていただきました。City-Tech.Tokyoにも参加しましたが、とてもよかったです。こういったイベントがもっと増えると嬉しいです。
VCインターン
VCでインターンをしています。弊社は日本に本社を置く企業を投資対象にしていますが、グローバル進出支援もしていまして、今日はネットワーキングとスタートアップ探しを目的に参加しました。
カジュアルな雰囲気がとても楽しく、スタートアップ以外にも投資家などエコシステム側のプレイヤーも来ていて、多様な人脈が築けるのが良いなと思いました。
日本のスタートアップエコシステムもグローバル化
今回は英語でのピッチとなったが、どの登壇者も流暢にサービス説明を行っていた。英語が話せて交流できるだけで、スタートアップの市場は、日本から世界中へと広がる。
海外まで渡航しなくとも参加できるTakeoff Tokyoのようなイベントが増えれば、日本にいながらグローバルスタートアップとしての足がかりを築く企業も増えてくるだろう。
今後もグローバルフェスを追いかけていきたい。
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