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【10/27-11/2】注目のスタートアップニュース・資金調達情報

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2023年10月27日から2023年11月2日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうち、JP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。

編集部コメント

今週はスタートアップニュースの話題が豊富。独立系VCのKUSABIによる創業前・シード期特化のアクセラレーションプログラム開催情報や、Beyond Next Venturesによるディープテック・スタートアップ創業支援プログラムの開催情報などをお届け。そのほか、実際の製品の試作を検討するスタートアップにとっては見逃せない「Tokyo ものづくり Movement」の情報や、大学生・大学院生向けの事業化支援プログラムを2件紹介する。

資金調達に関しては、今週は多岐にわたるスタートアップからの情報が集まった。本稿ではその中でも、「オルタナティブ投資」プラットフォームを手がけるLUCAジャパン、ゲームコマースプラットフォームを手がけるJP UNIVERSEグループ、商業不動産のデジタル化支援を行うCOUNTERWORKSの3社を取り上げ、資金調達の内容などを詳しく見ていく。

スタートアップニュース

独立系VCのKUSABI、創業前・シード期特化のアクセラレーションプログラム「KUSABI α」第2期生を募集、個別面談が可能に(2023年10月31日発表)

独立系VCのKUSABIが、創業前やシード期のスタートアップを支援するアクセラレーションプログラム「KUSABI α」の第2期生を募集するのに伴い、個別説明会を開催すると発表した。

「KUSABI α」の採択企業は、KUSABIキャピタリストによる週次メンタリングを受けられるほか、最大18ヶ月のハンズオン支援、月1回の実践的セミナーへの参加、アクセラオフィスの提供、KUSABIによる独自コミュニティへの参加、AWSなどのスタートアップ向けプログラムの提供などを受けることができる。さらに、採択時には2000万円の普通株式出資(シリーズ-S、Pre Value 4億円)を受けることが可能。

同プログラムの1期生は7月1日より活動を開始しており、今回募集する2期生は2024年1月1日よりプログラムがスタートする予定。プログラム詳細については公式サイトまたは運営事務局によるNotionのWebページより確認できる。

本件の参加者募集にあたり、プログラム運営担当者に個別相談が可能な個別説明会もスタートした。参加については、専用URLより日程調整が可能。元リリースはこちら

また、以前スタートアップニュースでも紹介したが、KUSABIは10月よりキャピタリストに起業や事業に関する相談が可能な「KUSABI オフィスアワー」を開催している。11月、12月も同イベントを開催予定で、11月は21日と28日に開催予定。ただし、21日は予約が満杯、28日はすでに予約可能枠が1枠のみとなっており、参加希望の場合は申し込みフォームを要確認。オフィスアワーに関する元リリースはこちら

Beyond Next Ventures、海外在住の日本人研究者向けディープテック・スタートアップ創業支援プログラム「BRAVE GLOBAL」開催を発表(2023年10月30日発表)

Credit : 同社プレスリリース

ディープテック領域に特化したVCとして累計320億円を超えるファンドを運用し、リード投資家として約80社に出資や成長支援を行うBeyond Next Ventures。同社は、海外在住の日本人研究者による世界展開を見据えたディープテック・スタートアップを後押しするプログラム「BRAVE GLOBAL」を開催すると発表した。

Beyond Next Venturesは以前から、創業予定の研究者に向けて、研究成果の事業化推進プログラム「BRAVE」を実施していた。同プログラムでは、国内の大学・研究機関から累計125チームが参加し、卒業後の起業率は6割を超え、資金調達額は累計で400億円以上という実績をつくり上げている。

そのような実績と創業支援の経験を活かして開催されるのが、今回の「BRAVE GLOBAL」。同社は「BRAVE」の発展形として、海外スタートアップ・エコシステムの知見を東京都に展開し、創業初日から海外を目指すディープテック・スタートアップを創出すべく、海外在住の日本人研究者を対象としたプログラムを行うことに決めたという。

プログラム参加者には、Beyond Next Venturesから活動資金の提供があるほか、事業化に向けたリサーチの機会やメンタリング、ディープテック・スタートアップの海外事業の調査などの機会を得ることができる。

プログラム概要は下記の通り。元リリースはこちら

BRAVE GLOBAL プログラム概要

① 就業体験プログラム

  • 参加対象者:海外在住の日本人研究者
  • 募集人数:最大20名
  • 目的:ディープテック・スタートアップとエコシステムの実態を学び、経験する
  • 活動内容:マッチングした国内ディープテック・スタートアップの海外事業の調査、海外ネットワークの開拓など
  • 報酬:活動量に応じて支給
  • 実施期間:2024/4-2024/9

② 創業挑戦プログラム

  • 参加対象者:海外在住の日本人研究者
  • 募集人数:最大10名
  • 目的:スタートアップ創業に挑戦する
  • 実施内容:事業性の調査、チームビルディング、新規事業計画の策定など、研究開発シーズの実用化に向けた実践的な事業化活動
  • 活動資金:一人当たり数百万円程度の資金を支給
    ※当社キャピタリストや専門家によるメンタリング、外部支援リソースなども活用可能
  • 実施期間:2024/10-2025/3

※プログラム公式ページはこちら
※事前登録フォームはこちら(登録期限 2023年12月15日23時59分まで)
※プログラムの詳細内容は、プログラム公式サイト内で12月中旬以降に公表予定

「Tokyo ものづくり Movement」が令和5年度の参加者募集を開始(2023年10月31日発表)

Credit : 同社プレスリリース

地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(以下、都産技研)が主催する「Tokyo ものづくり Movement」が、令和5年度の参加者募集を開始した。

「Tokyo ものづくり Movement」は、アイデアはあるものの、製品化・事業化のためのノウハウや資金に課題を感じているものづくりベンチャーに対して製品化・事業化の支援を行うものづくりベンチャー育成事業。具体的には、都産技研が運営するデジタルものづくりサイトにて、技術、資金、事業化視点での助言、コンテストへの参加サポートといった点から製品の試作を支援する。

「Tokyo ものづくり Movement」の募集内容の概要は、以下の通り。元リリースはこちら

「Tokyo ものづくり Movement」概要

  • 募集内容:革新的なアイデアや高度な技術等を有す都内ものづくり中小企業や創業を予定する個人が、まだ事業化に至っていないビジネスプラン
  • 参加対象者:以下の(1)及び(2)を全て満たす個人・ベンチャー・中小企業等
    • (1)応募時に、次の1、2または3のいずれかに該当していること
      1. 都内に登記簿上の本店又は支店があり、かつ、法人登記を行ってから原則5年以内のベンチャー・中小企業等
      2. 都内に納税し、主たる事業所等として個人事業の開業の届出を行っており、かつ、開業の届出から原則5年以内の個人事業主
      3. 令和6年度末までに都内での創業を具体的に計画している者
    • (2)募集要項に定める諸要件を満たすこと
  • 募集期間:2023年10月31日(火)~12月15日(金)必着
  • 申し込み方法:申請書類をこちらよりダウンロードの上、オンラインまたは郵送で受け付け
    • オンライン応募のURL:https://monomove.tokyo/
    • 郵送先:【 事務局 】株式会社ツクリエ(東京都千代田区神田猿楽町2-8-11 VORT水道橋Ⅲ6F)

JAグループのイノベーションラボ AgVenture Labが「学生ビジネスプランコンテスト“JUMP Vol.3”」の募集を開始(2023年11月1日発表)

Credit : 同社プレスリリース

JAグループのイノベーションラボである一般社団法人AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)は11月1日、学生起業家をサポートするコンテスト「学生ビジネスプランコンテスト“JUMP Vol.3”」へのエントリー受付を開始した。

「JUMP」は、2021年から続く全国規模のピッチコンテスト。主な参加対象者は大学生、大学院生、ポストドクターで、「食」「農」「くらし」などの視点から社会課題の解決を目指すスタートアップを増やすことを目的に開催されている。

募集領域は、農業や第一次産業、食、くらし、金融、地方創生、SDGsなど。参加者の要件は、大学生、大学院生、ポストドクターを代表として構成されるチームまたは個人で、コンテストでは「新規性」「収益性」「実現性」「熱意」「社会的インパクト」の5つの観点から評価が行われる。優秀賞受賞者には総額100万円、JUMP賞受賞者にはJAアクセラレーター2次選考参加券、ファイナリスト賞には賞金5万円とラボ1年間利用券が与えられ、そのほかスポンサー賞も用意される予定。スポンサーには農林中央金庫、全国農業協同組合連合会などのほか、起業家・社内起業家の事業創造支援などを行うゼロワンブースターも名を連ねる。

コンテストの今後のスケジュールは以下の通り。元リリースはこちら

  • 事前説明会:2023年11月30日
  • エントリー期限:2024年1月3日
  • セミファイナル:2024年1月下旬
  • 最終ピッチコンテスト:2024年3月2日

理系学生限定の社会課題解決インキュベーションプログラム「TOKYO MOONSHOT」第1期生の募集を開始(2023年11月1日発表)

Credit : 同社プレスリリース

教育旅行事業や社会課題解決に向けた事業開発・政策立案事業などを手がける株式会社Ridiloverは、同社が運営する社会課題解決インキュベーションプログラム「TOKYO MOONSHOT(トーキョームーンショット)」の1期生募集を11月1日より開始したと発表した。

同プログラムは、自身の研究や専門性を活かして社会課題の解決を志す理系の大学生・大学院生が対象となるインキュベーションプログラム。Ridiloverは、昨今の学生の社会課題に対する関心の高さを踏まえ、社会的起業を当たり前に選択可能な環境をつくるべく、今回の「TOKYO MOONSHOT」を企画したという。

今回は、「少子高齢化」「社会インフラ保守」「物流DX」「サーキュラーエコノミー」「気候変動」「フェムテック」の6領域をテーマに、事業創出を目指す。

プログラム参加者には、大企業とともにオープンイノベーションに取り組むRidiloverのメンバーが担当メンターとしてつき、事業づくりをサポートする。また、世界の実際の社会課題に即しながら実効性の高い事業に落とし込むプログラム設計となっており、参加者の研究テーマや関心領域と社会課題を接合させた事業立案が可能。プログラムの全工程は原則無償で提供されるほか、2024年2月下旬に行われる審査で選出された5チームには、事業検討のためのメンタリングや事業実証・検証費が最大100万円まで支給される。さらにRidiloverのネットワークを活用し、第一線で活躍する社会起業家やVCとのつながりをつくる機会も得ることができる。

「TOKYO MOONSHOT」への応募締め切りは、2023年12月10日(日)23時59分まで。詳しい応募条件や応募方法、プログラムの開催スケジュールについては、公式サイトまたは元リリースを参照されたい。なお、同プログラムは東京都が実施する「TOKYO SUTEAM(多様な主体によるスタートアップ支援展開事業)」の採択事業となっている。

資金調達情報

【プレシリーズA】オルタナティブ投資プラットフォームを手がけるLUCAジャパンが総額4億円を調達(2023年11月1日発表)

Credit : 同社プレスリリース

世界水準のオルタナティブ投資ファンドへのアクセスと投資を可能にするデジタルプラットフォームの構築を行うLUCAジャパン株式会社は、プレシリーズAの資金調達において、8月末時点での調達に続いてエクステンションラウンドを実施した。今回はデライト・ベンチャーズが新たな引受先に。これにより、プレシリーズAでは、みずほイノベーション・フロンティア、QRインベストメント・Carbon Ventures、自然キャピタル、FINOLABの5社のほか個人投資家4名が引受先となった。

同社はプレシリーズAで総額4億円の資金調達を完了。創業以来の累計資金調達額は約6.3億円に達した。

LUCAジャパンは、従来は機関投資家にアクセスが限定されていた「オルタナティブ投資」をより開かれたものにすべくデジタルプラットフォームの構築を手がける。オルタナティブ投資とは、上場株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外の、新しい投資対象や投資手法のこと。具体的には、農産物や鉱物、不動産、未公開株などが投資対象となる。同社の手がけるプラットフォームは、ファンド比較や投資実行、レポーティング管理などをワンストップで完結できる点に特徴がある。元リリースはこちら

【シリーズA】ゲームコマースプラットフォームを手がけるJP UNIVERSEグループが総額16億円の資金調達を実施(2023年11月1日発表)

Credit : 同社プレスリリース

ゲーミフィケーションを使ったゲームコマースプラットフォームの提供を行うJP UNIVERSE株式会社、RPG開発を行うJP GAMES株式会社、現実空間と仮想空間をつなぐログシス株式会社の3社によるJP UNIVERSEグループは、シリーズAで第三者割当増資により総額16億円の資金調達を実施した。引受先は、TOPPANデジタル株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社三井住友銀行、みずほイノベーション・フロンティア株式会社ほか。

同社は本シリーズで、RPG開発経験と技術を活かした「RPG/メタバース開発ミドルウェアPEGASUS WORLD KIT®(PWK)」を開発し、企業向けの提供を開始した。また、PWKを用いて、「 リュウグウコク®」 という新世代RPGの自社開発もスタートさせたという。

今回獲得した資金をもとに、ゲーミフィケーションプラットフォーム「PWKユニバース」、ゲームコマースプラットフォーム「 リュウグウコク®」、現実空間と仮想空間をつなぐIDウォレット「MULTI MAGIC PASSPORT®」の開発を進めていく考え。特に「PWKユニバース」と「リュウグウコク®」については、アジア展開を見据えて事業を推進していくという。元リリースはこちら

【シリーズC】商業不動産のデジタル化を支援するCOUNTERWORKSが総額12億円の資金調達を実施(2023年10月31日発表)

Credit : 同社プレスリリース

商業施設のポップストア・催事・展示会などの出店・展示場所の予約をオンラインで実施可能なSaaSや、ポップアップストアの出店支援プラットフォームを提供する株式会社COUNTERWORKSが、シリーズCで約12億円の資金調達を実施した。12億円の内訳は、エクイティが8.6億円、デットが3.5億円となった。引受先は、Z Venture Capitalが運営管理するZVC 1号投資事業組合をリード投資家に、大和企業投資、New Commerce Ventures、スマレジ、三井不動産、東芝テック、日本政策金融公庫、静岡銀行ほか4社。これにより、累計の資金調達額は約23億円に達した。

COUNTERWORKSは、商業施設のポップアップストア・催事・展示会などの出店・出展場所の予約がオンライン上でできるプラットフォーム「SHOPCOUNTER Enterprise」を提供している。また、ポップアップストアの出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER」も手がけている。前者サービスは、マルイやイオンタウン、ルミネなどの大規模商業施設への導入実績があり、テナント出店に関する問い合わせ数の増加や管理コストの削減に貢献。後者サービスも、開始から8年で取り扱いスペースが2万件、登録テナント数が5万件を超え、成長を続けている。

同社は今回の資金調達により、「SHOPCOUNTER Enterprise」の開発強化に向けた人材採用、「SHOPCOUNTER」の取り扱いスペースとテナントカテゴリの拡大、商業不動産領域における新規サービスの開発を強化していくという。元リリースはこちら