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【8/25-9/1】注目のスタートアップニュース・資金調達情報

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2023年8月25日から2023年9月1日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうちJP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。

編集部コメント

調達ニュースは4件掲載。未来への夢が詰まった「将来宇宙輸送システム」にインキュベイトファンドとアニマルスピリッツが参画。ほかにFinTech(フィンテック)領域から、編集部も長く見守っているxenodata lab.、拍車がかかってきたFUNDINNOの2件を抜粋。「サロウィン」については、編集部員もこういう形態のサロンを利用しているという話が出た。ビジネスモデル、キャリアのあり方に一石投じる話かつ大手向けバイアウトやAPAC展開も期待できるという観点からこちらもピックアップ。

エコシステムニュースでは、「Tokyo Women in VC」がとうとう一社化した件と、ALL STAR SAAS FUNDの3号クローズの件をピックアップ。かんぽ1号ファンドのニュースも大きく、日本が、眠る滞留資金をいかにリスクマネーに振り分ける覚悟を持つのか、注目集まる。

スタートアップニュース

女性ベンチャーキャピタリストのコミュニティ「Tokyo Women in VC」、一般社団法人化を発表(2023年8月29日発表)

Credit : 同社プレスリリース

一般社団法人Tokyo Women in VCが8月29日、女性ベンチャーキャピタリストのコミュニティである「Tokyo Women in VC」を一般社団法人(非営利型)化したことを発表した。

Tokyo Women in VCは、東京を中心とした全国のベンチャーキャピタル(VC)、およびベンチャー企業に対して投資関連活動を行う企業で働く女性がつながり、互いに協力しあう場を提供するためのコミュニティ。VCおよびベンチャー企業に対して投資関連活動を行う企業で働く150名超の女性プロフェッショナルが参加している。

Tokyo Women in VCの独自調査によると、日本のVC業界において、女性パートナーの割合が少ないことが女性VCが取得できる情報や昇進の機会において大きなハードルとなっている。そのような現状の中、Women in VCはコミュニティを通じて、互いにアイデアやディールフロー等を交換し合い、新しい機会を創出し得るイベントを行うことで、より平等で開かれたVC業界の実現を目指す。

Tokyo Women in VCは、今回の一般社団法人化を通じてパートナーシップやスポンサーシップを拡大し、コミュニティに還元できる体制を整えて、より多様性に富んだエコシステムの実現に貢献できる社会インフラのような存在を目指したい考え。元リリースはこちら

SaaS企業に特化したファンド ALL STAR SAAS FUND、3号ファンドを総額約157億円でクローズ(2023年8月30日発表)

Credit : 同社プレスリリース

日本・インド・東南アジアにてスタートアップ投資を行なうBEENEXT Capital Management Pte. Ltd.(以下、BEENEXT)が運用する、日本国内のシード、アーリー、ミドル、レイターステージのSaaS企業に特化した投資、事業と組織の成長加速支援を行なう ALL STAR SAAS FUND THREE PTE. LTD.(以下、ALL STAR SAAS FUND THREE)が、約157億円(US$110M、2023年8月1日時点の為替レート換算)の資金調達を完了したことを発表した。これによって、BEENEXT全体の運用総額は約1,300億円を超える規模となった。

ALL STAR SAAS FUNDは、「起業家とともに、100年続くSaaS企業をつくる」をミッションに、シードからグロースフェーズのSaaS企業に特化した投資・支援活動を行なうベンチャーキャピタルファンド。SaaSに関する豊富な知識や経験を持つパートナー、アドバイザーと共に、採用、イネーブルメント(組織の立ち上げから成長までをサポート)、リーダー育成など「人」を中心とした支援の実施や、セールス、マーケティング、カスタマーサクセスなどSaaSの成長に欠かせない業務・戦略支援プログラムを積極的に構築、提供している。

今後は、支援先に対する各事業領域の成長支援、人材採用と組織育成支援をさらに強化していくほか、SaaS業界全体の成長につながる活動として、コンテンツ発信やイベントの開催などにも注力していくという。元リリースはこちら

ファンド概要

  • ファンド名称:ALL STAR SAAS FUND THREE PTE. LTD.
  • 投資対象:日本国内のシード、アーリー、ミドル、レイターステージのSaaS企業
  • ウェブサイトhttps://allstarsaas.com/
  • 代表パートナー:前田 紘典

かんぽNEXTパートナーズ、「JP LIFE NEXT FUND(1号ファンド)」を組成、運営を開始(2023年9月1日発表)

かんぽNEXTパートナーズ株式会社は、「JP LIFE NEXT FUND(1号ファンド)」を組成し、2023年9月1日に運営を開始したことを発表した。

政府が2022年を「スタートアップ創出元年」と打ち出すなど、スタートアップは今後ますます日本経済の要となっていくことを期待され、さまざまなスタートアップが誕生している。そのような中、JP LIFE NEXT FUNDは、既存のベンチャー投資の常識や慣習にとらわれることなく、真にスタートアップの成長に貢献することを追求すべく組成されたという。

JP LIFE NEXT FUNDは「次の一歩の、一番そばで。」をビジョンに掲げ、生活や人生の質を向上させるスタートアップ(toC領域)、DX推進・CX向上、事業効率化等に関連するスタートアップ(toB領域)、保険・金融・ヘルスケア領域等に関連するスタートアップ(テクノロジー領域)を投資対象し、アーリー・ミドル・レイターの幅広いステージを対象に最適な支援を行っていく。元リリースはこちら

ファンド概要

  • ファンド名:JP LIFE NEXT1号投資事業有限責任組合(JP LIFE NEXT1 Investment Limited Partnership)
  • 運用総額:約100億円
  • 運用期間:10年間
  • 有限責任組合員:株式会社かんぽ生命保険

資金調達情報

【ラウンド不明】経済特化生成AIのゼノデータ、1.8億円の追加資金調達を実施(2023年8月25日発表)

経済予測プラットフォーム「xenoBrain(ゼノブレイン)」を開発する株式会社xenodata lab.は、2023年1月に実施した資金調達のエクステンションラウンドとして、合計5社を引受先とした第三者割当増資を実施し、総額1.8億円の資金調達を実施した。これによって、ラウンド合計の調達金額は4.85億円となった。

xenodata lab.は経済ニュースや企業開示資料、統計を独自のAIで解析することで、さまざまな経済情報を予測する経済予測プラットフォーム「xenoBrain」を開発。米国ダウ・ジョーンズ社や時事通信社といった大手メディア、帝国データバンクとの提携により信頼性の高い情報を収集・解析して、企業業績・素材価格・業界需要・統計などの予測を提供することで事業会社の経営意思決定や金融機関の業務効率化をサポートしている。

同社は今回の資金調達によって、「xenoBrain」の機能強化開発及び営業をより加速させていくという。元リリースはこちら

【ラウンド不明】将来宇宙輸送システム株式会社、総額5.5億円の資金調達を実施(2023年8月31日発表)

Credit : 同社プレスリリース

宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指す将来宇宙輸送システム株式会社は、既存投資家であるインキュベイトファンドをリード投資家として、アニマルスピリッツ1号ファンド、電通ベンチャーズSGPファンド、その他の投資家を引受先とする第三者割当増資により、総額5.5億円の資金調達を実施した。

将来宇宙輸送システムは「毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を、宇宙でも。」をビジョンに掲げ、今後5年程度で再使用型の宇宙輸送機を開発することを目指し、最終目標として、2040年代に完全再使用型の単段式宇宙往還機(SSTO)を用いた高頻度宇宙輸送を行うとしている。

同社はJAXAとの間で事業コンセプト共創に関する覚書を締結し、往還宇宙輸送システム検討用の自動最適化飛行解析ツールの開発に関する共同研究契約を締結するなどして、具体的な検討を進めてきた。今後も、今回調達した資金とともに政府のスタートアップ支援策を最大限活用しながら、宇宙輸送システム開発に必要な要素技術の研究開発に取り組むという。併せて、新たな投資家とも連携しながら、ビジネス面でのブラッシュアップにも取り組み、国際競争力のある宇宙輸送サービス実現を目指したい考え。元リリースはこちら

【ラウンド不明】全国でシェアサロンを展開するサロウィン株式会社、15億円の資金調達を実施(2023年8月31日発表)

Credit : 同社プレスリリース

シェアサロン「SALOWIN」及び、開業資金0円で美容室開業の夢を叶えられるサービス「ALL SHARE(オールシェア)」を全国で展開するサロウィン株式会社は、ニッセイ・キャピタル株式会社、株式会社コロプラネクスト、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社など11社を引受先とした第三者割当増資、及び三井住友銀行、商工組合中央金庫、りそな銀行など5行からの借入等(融資枠含む)により、総額15億円の資金調達を実施した。

サロウィンは「美の多様性を支える仕組みの創造」というミッションを掲げて、美容師の所得向上・労働環境改善・一生涯働ける環境の提供を実現すべく、売上80%還元のシェアサロン「SALOWIN」を全国に展開。「SALOWIN」の利用美容師数は設立4年で800名を突破、利用美容師の平均収入を2.7倍増、勤務時間は従来の約半分に削減するなど、「SALOWIN」はフリーランス美容師にとって必要不可欠な存在となっている。2023年2月には、「(美容師が)一生涯働ける環境の提供」というビジョンの実現を加速させるべく、開業資金0円での美容室開業のトータル支援サービス「ALL SHARE」の提供を正式にローンチした。同サービスは、出店する際に必要な開業資金の負担・物件探し・出店交渉・内装工事の進行管理・薬剤の仕入れなどを、サロウィンがまとめて行うことで、サロン経営者はスタッフの採用・人材育成・集客に注力することができる。

今回調達した資金は、2024年3月までに「SALOWIN」「ALL SHARE」を合わせて100店舗への出店費用に加え、それに伴うマーケティング及びバックオフィス等本部人員の拡充を行い、十分なバックアップ体制を整えるために使用するという。併せて、美容師の地位向上の実現を目指し、更なる事業の拡大に向けて取り組んでいきたい考え。元リリースはこちら

【ラウンド不明】株式投資型クラウドファンディングのFUNDINNO、総額約46億円の調達を実施(2023年8月29日発表)

Credit : 同社プレスリリース

株式投資型クラウドファンディングサービスプラットフォーム「FUNDINNO(ファンディーノ)」を展開する株式会社FUNDINNOは、コンバーチブルエクイティおよび第三者割当増資により、合計で46億円の資金調達を実施した。これによって同社の累計資金調達額は84億円に達した。なお、コンバーチブルエクイティの株式転換と合わせて、株主数は合計206人となった。

FUNDINNOは「フェアに挑戦できる、未来を創る」をミッションに、資金を調達したい企業と事業を応援したいファン投資家をマッチングするプラットフォーム「FUNDINNO」を展開。そのほか、大型資金を調達したい企業とスタートアップ企業にエンジェル投資をしたい投資家をマッチングするサービス「FUNDINNO PLUS+(ファンディーノプラス)」、インターネットで未上場株式を売買できる日本初のセカンダリマーケット「FUNDINNO MARKET」、CXOを株主管理・株主総会・財務管理・IR配信などの煩雑な業務から解放し、ワンプラットフォームでサポートする弁護士監修のベンチャー企業のための経営管理プラットフォーム「FUNDOOR」を展開している。

同社は今回調達した資金によって、エンジニア等の採用・同時に内部統制体制の整備と透明性の向上・コンプライアンス体制の強化に注力し、サービスの質を一層向上させ、企業のガバナンスとコンプライアンス体制の強化を目指すという。元リリースはこちら