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【8/10-8/17】注目のスタートアップニュース・資金調達情報

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2023年8月10日から2023年8月17日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうちJP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。

編集部コメント

夏休み時期で関連ニュースの量はやや控えめ。

既存投資家のANRIから投資家を増やしプレシリーズAを迎えた「Awarefy」、アプリとジム自体の運営を行い安定的な経営が期待される「FiT」、東京理科大発の有翼式再使用型ロケットベンチャー「SPACE WALKER」、大手企業からの調達で着実なEXITを目指す蓄電・送電「パワーエックス」の4社をピックアップ。日本が誇る製造技術、Deep Tech(ディープテック)系の成長が見えて嬉しい限り。

資金調達情報

【プレシリーズA】デジタル・メンタル・プラットフォーム「Awarefy」、約2.2億円の資金調達を実施(2023年8月16日発表)

デジタル認知行動療法・アプリ「Awarefy(アウェアファイ)」を開発する株式会社Awarefyは、既存投資家ならびに新規投資家を引受先とした第三者割当増資により、プレシリーズAラウンドで約2.2億円の資金調達を実施した。

心の問題は年々大きな社会問題となっていて、厚生労働省の調査によると、精神疾患の患者数は2020年時点で500万人に達したという(※)。一方で、病院やカウンセリングを利用することに対する心理的なハードルは依然として高いままとなっている。そのような状況の中、Awarefyはアプリをダウンロードするだけで、誰もがいつでもメンタルケアのサービスを利用できることを目指したサービスを展開。直近ではAwarefy AI構想を発表し、24時間365日ユーザーに寄り添ってサポートできるAIの活用も積極的に進めている。さらに、セルフケアのみでは解決しきれない問題を抱えた方へメンタルクリニックへの接続や公共の相談窓口の案内も行っている。

同社は今回の資金をもとに、「AIで気づき:Awareを拡張する」を合言葉に、Awarefy AI構想を推進し、誰もが、いつでも、セルフケアできるサービスを提供していくとともに、専門家・医療機関との連携も強化していくべく医療機器アプリ(デジタルセラピューティクス、DTx)の開発・臨床研究も行い、心の健康を総合的に支える「デジタル・メンタル・プラットフォーム」を構築していくという。元リリースはこちら

厚生労働省 令和2年(2020年)患者調査の概要 より

【シリーズA】次世代型フィットネスジム「LifeFit」を展開するFiT、約6億円の資金調達を実施(2023年8月16日発表)

Credit : 同社プレスリリース

ITを活用したフィットネス事業を展開する株式会社FiTは、ニッセイキャピタル、XTech Venturesをはじめとする5社を引受先とした第三者割当増資、および金融機関からの融資により、シリーズAラウンドで約6億円の資金調達を実施した。

FiTは、「暮らしにフィットネスを」をミッション・ビジョンに掲げ、アプリで最短1分・24時間いつでもジムの利用が開始でき、リーズナブルな料金体系でチケットを購入するだけですぐに利用できる次世代型フィットネスジム「LifeFit(ライフフィット)」を2022年2月にオープン。今年に入ってからはフランチャイズによる出店拡大を本格的に開始し、2025年までに1,000店舗の出店、月次ユーザー数100万人を目指すという。

今回調達した資金は、「LifeFit」および、「LifeFit」がすぐに使えるアプリ「FitGo!(フィットゴー)」への事業投資を行うとともに、採用活動の強化に充てる予定とのこと。元リリースはこちら

【シリーズA】有翼再使用ロケットを設計・開発するSPACE WALKER、7.13億円の資金調達を実施(2023年8月10日発表)

Credit : 同社プレスリリース

有翼式再使用型ロケット(以下、サブオービタルスペースプレーン)の研究・開発を行っている東京理科大学発ベンチャーの株式会社SPACE WALKERは、リアライズグループをリードインベスターとして、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、JALグループの株式会社JALUX等を引受先とするシリーズA(プレシリーズA含む)ラウンドを実施、7.13億円の資金調達を完了したことを発表した。今回の調達により、累計資金調達金額は17.54億円となった。

SPACE WALKERは、誰もが飛行機に乗るように自由に宇宙を往来する未来を目指し、持続可能な宇宙輸送手段を提供するため、サブオービタルスペースプレーンの研究・開発を行っている。そのほか、宇宙開発における軽量化の技術を転用し、地球の脱炭素化に資する次世代複合材タンクの開発・製造・販売も手掛けている。

今回の調達資金は、サブオービタルスペースプレーンの技術実証、商用機開発、複合材事業の拡大、これらに伴う人員強化、広告宣伝費等の運転資金に充て、更なる事業拡大を目指し、日本国が世界に誇る革新的将来宇宙輸送システムの実現に向けて大きく加速させていくという。元リリースはこちら

【シリーズB】大型蓄電池の製造・販売を行うパワーエックス、シリーズ B ラウンド全体で46.2 億円の資金調達を実施(2023年8月17日発表)

Credit : 同社プレスリリース

自然エネルギーの普及の実現に向け、蓄電、送電技術の進化に向けた新規事業を展開する株式会社パワーエックスは、新たに27.1億円に及ぶ資金調達契約を締結、7月に発表した調達を合わせると、計46.2億円の資金調達となり、シリーズBラウンドを完了したことを発表した。これにより、累計資金調達額は約152.6億円となった。パワーエックスの今回の資金調達に参画した投資家は、下記の通り。

  • 日本瓦斯株式会社   
  • Frontive Holding
  • 森トラスト株式会社
  • Japan Airlines & TransLink Innovation Fund, L.P. (JAL Innovation Fund)
  • 石油資源開発株式会社(JAPEX) 
  • 株式会社安川電機
  • NEC and Translink Orchestrating Future Fund, L.P. 

パワーエックスは2022年3月に設立、「永遠に、エネルギーに困らない地球。」というビジョンを掲げて、再生可能エネルギーの課題である「溜める」「運ぶ」「使う」を統合的にデザインし、再生可能エネルギーの普及に貢献している。2023年8月15日には、岡山県玉野市に建設していた国内最大級規模の蓄電池工場「Power Base」のモジュール工場の建物部分が竣工し、年内の試験稼働開始を目指している。そのほか、パワーエックスが開発する蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger」が国際標準規格CHAdeMOの最新プロトコルである2.0.1認証を取得、今夏より同社のEVチャージステーションなどに設置される予定という。

今回調達した資金は、蓄電池製品の研究開発や、「Power Base」の製造設備導入費用などに充てられる予定とのこと。元リリースはこちら