2023年10月19日から2023年10月26日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうちJP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。
編集部コメント
取材済のSpiral.AIとSpecteeから調達のお知らせ。
沖縄発のAlgaleXでは、藻に注目した調味料開発に、千葉道場やBeyond Nextが出資。未活用領域の活用によるサステナブルエコノミー、どこまでの認知と市場をとるか注目。KDDIのαUが牽引するメタバース領域では、BitStarをピックアップ。KDDI自らによる出資も意欲的だ。
資金調達情報
【シード】巨大言語モデルソフトウェア開発のSpiral.AI、シードラウンドを10.6億円でクローズ、累計調達額12.1億円に(2023年10月26日発表)
巨大言語モデル(以下、LLM)のソフトウェア開発を行うSpiral.AI株式会社が、複数のベンチャーキャピタルを引受先とする第三者割当増資による資金調達を実施した。同社は、今回の調達をシードラウンドのセカンドクローズと位置付けており、2023年9月8日付で公表したファーストクローズの8.3億円の第三者割当増資及び日本政策金融公庫によるデットファイナンスと合わせて、シードラウンドにて総額10.6億円となった。さらに、今回の調達により、累計資金調達額は12.1億円に達した。
Spiral.AIは、LLMに特化した数少ないスタートアップとして、LLMの真の社会実装に向けたサービス開発・提供を行っている。LLMに関連したサービスは二つあり、一つは「Spiral.Bot」で、GPTをベースにカスタマイズ性の高い言語モデルプラットフォームを構築し、顧客問い合わせ応答のチャットボットなどの精度向上が実現可能となっている。もう一つは「Spiral.LLM」で、独自LLMの開発にも対応。LLMをローカルで運用できる体制をつくることで、セキュリティやコスト、回答速度、エッジ化など、さまざまなニーズに柔軟に対応することができる。さらに、2023年10月には、実在の芸能人と音声やチャットで疑似的な会話コミュニケーションを体験できるAIコミュニケーションサービス「Naomi.AI」をローンチする。
今回調達した資金は、優秀なエンジニア・事業開発メンバーの採用や、開発インフラの拡充に活用し、世界におけるLLM開発と活用の中核となることを目指すという。元リリースはこちら。
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【プレシリーズA】サステナブルフードテックカンパニーのAlgaleX、2.5億円の調達を実施(2023年10月25日発表)
AIを使った独自の藻類発酵技術を持つ株式会社AlgaleXは、千葉道場ファンド、Beyond Next Ventures株式会社、食の未来1号投資事業有限責任組合(kemuri ventures合同会社)、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、他エンジェル投資家数名を引受先とした第三者割当増資により、プレシリーズAラウンドにて約2.5億円の資金調達を実施した。
AlgaleXは「今ある美味しさを、次の世代へ繋ぐこと」をミッションに、美味しい藻「うま藻」の販売を進める。廃棄されてきた泡盛粕などの未利用食品を活用し、DHAや旨味などを豊富に含む藻をつくり出すAI藻類発酵技術「Brewer24」を保有。藻を通じて、減りゆく魚や、昆布やイワシなどの旨味食材を少しでも次世代へとつないでいくことを目指している。
今回調達した資金で、「うま藻」のブランディング及び販売拡大を進めると共に、未利用食品から各種機能性成分を有する藻を生産する独自のAI発酵技術「Brewer24」の開発を加速させていくという。元リリースはこちら。
【プレシリーズA】危機管理サービス「Spectee Pro」を提供するSpectee、15億円の資金調達を実施(2023年10月23日発表)
防災及び危機管理分野におけるSaaSを提供する株式会社Specteeは、NVenture Capital株式会社をリードインベスターとし、インフォコム株式会社、株式会社ゼンリンフューチャーパートナーズ、株式会社NTTデータ、第一生命保険株式会社、みずほキャピタル株式会社、未来創造キャピタル株式会社(みずほリース株式会社CVC)の計7社を引受先として、第三者割当増資を実施。併せて、株式会社みずほ銀行、株式会社りそな銀行、株式会社商工組合中央金庫、株式会社日本政策金融公庫の計4社の金融機関からのデットファイナンスを加えて、総額15億円の資金調達が完了したことを発表した。
Specteeは、防災領域において最新の技術を活用したソリューションを展開している。主力のSaaSプロダクトであるAI危機管理ソリューション「Spectee Pro」はさまざまなデータを解析し、災害情報をリアルタイムに可視化・予測するクラウド型のSaaSとして、自治体の防災領域や報道機関において圧倒的なシェアを獲得している。
近年、気候変動などの影響から、世界規模で自然災害が増加しており、災害におけるAI等の最新技術の活用はグローバルで求められている。そのような中で、今回調達した資金はSpecteeのさらなる発展と東南アジアをはじめとした海外展開の本格的な推進に充てるという。元リリースはこちら。
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【ラウンド不明】ソーシャルメディアマーケティング「BitStar Agent」、18.3億円の資金調達を実施(2023年10月25日発表)
YouTubeやTikTokを中心としたクリエイター支援事業・コンテンツ制作事業を展開する株式会社BitStarは、KDDI Open Innovation Fund、博報堂DYメディアパートナーズ、パーソルベンチャーパートナーズ、ジャパネットホールディングスCVC、AGキャピタル、Adlib Tech Venturesや個人投資家を引受先とする第三者割当増資と、金融機関からの融資により、総額18.3億円(株式12.3億円、借入6.0億円)の資金調達を実施したことを発表した。これにより、累計資金調達額は41.1億円となった。
BitStarは2014年に創業。「世界中に眠るすべての情熱が、スポットライトを浴びる社会を実現する。」というビジョンを掲げ、インフルエンサーマーケティングにおけるエージェンシーやプラットフォームを皮切りに、プロダクションやコンテンツスタジオを展開している。直近では、美容・ファッション領域におけるD2C事業も拡大しているほか、KDDI、博報堂DYメディアパートナーズ、パーソルなどとの戦略的協業を開始し、クリエイターエコノミーを代表するプラットフォーマーとなることを目指す。同社はこれまでに9件のM&Aを行っており、今回調達した資金は、既存事業の更なる拡大に貢献し得る事業のM&A推進にも充てるという。元リリースはこちら。
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