新たな挑戦を求め、成長したいと思っているエンジニアの皆さん!スタートアップへの転職はエンジニアにとっても新しいアイデアや技術、自分のスキルを試すチャンスです。
本記事では、エンジニアがスタートアップへ転職をする前にぜひ知っておきたいリスクと、あなたの転職を成功に導くヒントを詰め込みました。スタートアップの世界で輝くチャンスをつかみましょう!
エンジニアがスタートアップへの転職を考える前に知るべき5つのリスク
スタートアップへの転職を考える前に、エンジニアに立ちはだかる5つのリスクについて考えてみましょう。
1. 技術選定の難しさ
特にシード期やアーリー期のスタートアップは、エンジニアにとって自分で思うようにシステム設計ができる、自由で魅力のある環境です。しかし、ゼロからのスタートは技術選定に慎重になる必要があります。自由度が高いあまり、自分のスキルやプロジェクトのニーズに合わない技術を選定してしまい、プロジェクトのリリースに遅れが出てしまうこともあります。進捗や課題はオープンにして、メンバー同士で共通の理解を持つことを心がけましょう。
2. 高い給与や待遇が期待できないことも
スタートアップは、まだ成長の途中で資金が限られています。そのため、高い給与や大手企業と同じような福利厚生が期待できないことがあります。スタートアップに転職やキャリアチェンジを考えるエンジニアは、やりがいや成長の機会がスタートアップにあるかどうかといったキャリアの発展にフォーカスすることが大事です。
3. 採用プロセスがはっきりしない
スタートアップは人員が限られているため、エンジニア専門の採用担当者が不足していることがあります。そのため、採用プロセスがはっきりとせずに不安になることもあるかもしれません。自分から進んで情報を集めたり、採用プロセスについて質問をするなど、コミュニケーションをしっかり取ることが大切です。
4. 環境に適応できない
スタートアップは独自のカルチャーや価値観を持っています。自分がその環境に合うかどうかを見極めましょう。働く環境が自分に合わないと、仕事の満足度が下がったり、職場でのストレスが増えることがあります。気になるスタートアップが見つかったら、企業のウェブサイトやメディアを通じて、それぞれのカルチャーへの理解を深めましょう。
さらに、スタートアップではエンジニアとほかの部署との人数比率がカルチャーに大きく影響を与えます。社内のエンジニア比率が低いと技術的な決定や優先順位の設定などのコミュニケーションのコストが高くなりがちです。また、技術的な課題やプロジェクトの進行状況がほかの部署から理解されにくいこともあります。そのため、気になるスタートアップを探すときには、エンジニアの比率やほかの部署とはどのようにコミュニケーションを取っているか、忘れずに質問しましょう。
5. スキルが一致しない
スタートアップは新しいアイデアを形にするために、エンジニアに高度なスキルや経験を求めることがあります。スタートアップへ応募する前に、自分のスキルセットを改めて評価し、求められるスキルに自分が合っているかどうかを確かめましょう。
また、スタートアップでは、もしかするとあなたが一人目のエンジニアになる可能性もあります。そのような場合、エンジニアとしての仕事のほかにも採用や社内のインフラなど、たくさんの業務をこなさなくてはなりません。募集のポジションが自分に適しているかどうかをスタートアップとのコミュニケーションを通して確認することが重要です。
JP Startups(ジャパスタ)が過去に取材をしたハイヤールーへのインタビュー記事ではエンジニア採用市場の課題を、採用を行う企業側の視点、採用される候補者の視点、採用市場全体の視点で幅広く知ることができます。
【経営者に聞く!】スタートアップが求めるエンジニアとは
スタートアップは、柔軟性があり、さまざまな役割を果たすことができるメンバーを求めています。スタートアップがエンジニアに望む特徴やスキルを具体的に見てみましょう。
スタートアップのエンジニアに必要な特徴やスキル
- 問題解決能力
スタートアップはさまざまな課題に直面します。エンジニアは、新しい問題に対してクリエイティブかつスピーディーに解決策を見つける能力が必要です。 - コミュニケーション能力
スタートアップでは、チームとの効果的なコミュニケーションが欠かせません。エンジニアは技術的なアイデアをほかのメンバーにわかりやすく説明できる必要があります。 - リスクへの適応力
スタートアップはリスクが高い状況でビジネスを展開することが多いため、エンジニアはいつ何が起こるかわからない状況やあらゆる変化に適応できる能力が求められます。 - 自己学習能力
スタートアップの競争は激しく、市場の需要に素早く対応する必要があります。スタートアップのエンジニアは新しい技術やツールをいち早く学び、導入できる能力が重要です。 - イニシアティブ
スタートアップでは、自分から進んで行動するメンバーが求められます。エンジニアも新しいアイデアを提案し、プロジェクトを推進するスタンスが求められます。 - 柔軟性
スタートアップでは、エンジニアも一つの役割に留まらず、さまざまな技術領域やプロジェクトに対応できる柔軟性が求められます。 - スピードと効率
スタートアップは市場の変化にいち早く適応する必要があります。エンジニアはプロジェクトを迅速に進め、リソースを効率的に活用できる能力が求められます。
JP Startups(ジャパスタ)が紹介してきた注目のスタートアップ企業インタビューには下記のようなコメントがあります。
株式会社ACES 代表取締役 田村 浩一郎氏
アルゴリズムを理解して実装できる能力に加えて、仮説検証の速さが重要だと考えています。特にエンジニアは、基本的にポイントごとに仮説を立て、問いを立てて検証するというサイクルを繰り返すので、スピードが重要になってきます。
AIアルゴリズムを用いた事業開発を行うACESへのインタビュー記事はこちら。
LIFEHUB株式会社 代表 中野 裕士氏
技術的な部分以外でいうと、価値観が合う方や、チャレンジ精神が豊富で、新しいことに躊躇しないで挑戦できる方を求めています。あとは遊び心があるかも大事だと考えています。
次世代のイス型モビリティを開発するLIFEHUBへのインタビュー記事はこちら。
株式会社フライウィール 代表取締役 横山 直人氏
技術力を高めるなどの研究的な視点も大事ですが、エンジニアと言えどもどのように目の前のお客さんに価値を提供するのか、どのようにビジネス的な結果を出すのか、という点を重視しています。
データ活用プラットフォーム「Conata」を提供するフライウィールへのインタビュー記事はこちら。
株式会社MagicPod 代表取締役 伊藤 望氏
エンジニアは複数人で開発すると、一人の天才がやるときに比べてクオリティが下がったりすることもありますが、やはりスピードを上げるためにはいろんな人を巻き込んでやる必要があります。
AIテスト自動化プラットフォームを開発するMagicPodへのインタビュー記事はこちら。
株式会社ACES 代表取締役 田村 浩一郎氏
エンジニアライクではあるのですが、必要な時はパワーで押し切る事もできる合理性があり、目的に向かって尽くせる人がたくさんいます。
AIアルゴリズムを用いた事業開発を行うACESへのインタビュー記事はこちら。
ラトナ株式会社 CEO 大田和 響子氏
成長速度が重要なスタートアップにおいて、既存メンバーと同じスピード感、質感で技術の知識を吸収していかないと、いいチームを構築できません。
AI / IoTプラットフォーム「AION」を提供するラトナへのインタビュー記事はこちら。
【経営者が教えます!】スタートアップのエンジニアが働く環境
JP Startups(ジャパスタ)が紹介してきた注目のスタートアップ企業インタビューの中からピックアップ!スタートアップのエンジニアに転職を考えている人が聞きたいことに、スタートアップがお答えします。
Q.社内にはどんなエンジニアが多い?
株式会社MagicPod 代表取締役 伊藤 望氏
マニアックな部分に突っ込んでいろいろ調べるのが好きな人たちが割と多いかなと思います。
AIテスト自動化プラットフォームを開発するMagicPodへのインタビュー記事はこちら。
株式会社フライウィール 代表取締役 横山 直人氏
プロフェッショナルな結果を出すということにコミットしているメンバーが多いかなという印象です。
データ活用プラットフォーム「Conata」を提供するフライウィールへのインタビュー記事はこちら。
株式会社STANDS 代表取締役 露木 諒氏
風土的に穏やかでダイバーシティに理解がある人が多いです。
UI/UX改善SaaS「Onboarding」を提供するSTANDSへのインタビュー記事はこちら。
Q.エンジニアが働く環境やカルチャーを教えて。
株式会社フライウィール 代表取締役 横山 直人氏
エンジニアが活躍しやすい環境づくりは大事にしていますね。
データ活用プラットフォーム「Conata」を提供するフライウィールへのインタビュー記事はこちら
シェルパ・アンド・カンパニー株式会社 代表 杉本 淳氏
ダイバーシティにあふれる組織をつくりたいという想いがあるので、採用を行う上では多様な価値観を持った方に入社していただけるよう意識しています。
ESG情報開示支援クラウド「SmartESG」を提供するシェルパ・アンド・カンパニーへのインタビュー記事はこちら。
株式会社STANDS 代表取締役 露木 諒氏
落ち着いていて、地に足がついた開発体制が組みやすい、心理的安全性のある風土というのも特徴かなと思っています。
UI/UX改善SaaS「Onboarding」を提供するSTANDSへのインタビュー記事はこちら。
ugo株式会社 代表取締役CEO 松井 健氏
建設的に議論でき、そのようなカルチャーが好きな方はぜひ応募していただきたいです。
人xロボxAIを融合させた業務DXロボットを開発するugoへのインタビュー記事はこちら。
このほかにも、社内にエンジニアがどれくらいいるか、国籍や性別の比率、社内で使われている公用語についてをカジュアル面談などで気軽に質問してみましょう。スタートアップのカルチャーやコミュニケーションのスタイルを知る手がかりになります。
エンジニアのスタートアップ転職を成功させる5つの見極めポイント
エンジニアが見極めるべきポイント
- 技術スキル
そのスタートアップの求めている技術スキルが、あなたのスキルに合っているかしっかりと確認しましょう。 - スタートアップのミッションや文化
スタートアップのMVV(Mission、 Vision、 Values)や働き方が、あなたにとって共感できるものか考えてみましょう。 - チームやメンバーとの相性
スタートアップでは、一緒に働く仲間とのコミュニケーションや協力が大切です。カジュアル面談などを通して、いろいろなメンバーと意見交換や質問をしてみましょう。 - 成長の機会
そのスタートアップに、あなたのスキルやキャリアの成長につながる機会がどのくらいあるのかも大事です。将来どんなエンジニアキャリアを歩みたいのかを考え、そのために必要なプロジェクトへの参加が可能かや責任のある役職を担えるかどうかを見極めましょう。 - スタートアップのリスク
スタートアップでは成功すれば高い給与やストックオプションでの金銭的な報酬を得られることもありますが、事業がうまくいかないこともあります。スタートアップの給与や福利厚生などについても考えましょう。
JP Startups(ジャパスタ)が紹介してきた注目のスタートアップ企業インタビューには下記のようなコメントもあります。
株式会社NearMe CEO 髙原 幸一郎氏
まさにカルチャーフィットの重要性を強く感じています、ビジネス人材の場合はニアミーのミッションやビジョンにどの程度の深さで共感しているか。エンジニア人材の場合は、ニアミーが手掛けるテクノロジーへの共感の深さが重要です。
独自のAIを活用したシャトルサービスを提供するNearMeへのインタビュー記事はこちら。
株式会社ハイヤールー 代表 葛岡 宏祐氏
採用候補者については、自分が行くべき企業を見極められていないという課題があると思います。どのようなテクノロジーを使って、何をしているのかを発信しきれいていない企業も多く、自分のやりたいことを実現できる企業がどこなのかが分からないと感じるエンジニアも多いのが現状です。
オンライン完結のコーディング試験でスキルの可視化を実現するハイヤールーへのインタビュー記事はこちら。
まとめ|スタートアップへの転職を考えるエンジニアがすべきこと
エンジニアがスタートアップへの転職を成功させるためには、スタートアップへの理解を深め、自身の志向やスキルを正しく把握し、スタートアップへ伝えることが大切です。立ちはだかるリスクにも一つずつ向き合って、自分にぴったりなスタートアップを見つけることが成功への第一歩です。ぜひ、JP Startups(ジャパスタ)のほかの記事も参考にして、スタートアップへの転職を成功させましょう!
【関連記事】
必読!スタートアップへの転職に失敗する5つの理由と経営者からのアドバイスを紹介
「スタートアップに転職して、失敗した!」 知らない世界への挑戦にはリスクや不安がつきまといます。けれど、チャレンジする前…
注目記事
AIキャラクターが暮らす「第二の世界」は実現できるか。EuphoPia創業者・丹野海氏が目指す未来 Supported by HAKOBUNE
大義と急成長の両立。世界No.1のクライメートテックへ駆け上がるアスエネが創業4年半でシリーズCを達成し、最短で時価総額1兆円を目指す理由と成長戦略 Supported by アスエネ
日本のスタートアップ環境に本当に必要なものとは?スタートアップスタジオ協会・佐々木喜徳氏と考える
SmartHR、CFO交代の裏側を取材。スタートアップ経営層のサクセッションのポイントとは?
数々の挑戦と失敗を経てたどり着いた、腹を据えて向き合える事業ドメイン。メンテモ・若月佑樹氏の創業ストーリー
新着記事
AIキャラクターが暮らす「第二の世界」は実現できるか。EuphoPia創業者・丹野海氏が目指す未来 Supported by HAKOBUNE
防災テックスタートアップカンファレンス2024、注目の登壇者決定
大義と急成長の両立。世界No.1のクライメートテックへ駆け上がるアスエネが創業4年半でシリーズCを達成し、最短で時価総額1兆円を目指す理由と成長戦略 Supported by アスエネ
日本のスタートアップ環境に本当に必要なものとは?スタートアップスタジオ協会・佐々木喜徳氏と考える
Antler Cohort Programで急成長の5社が集結!日本初となる「Antler Japan DEMO DAY 2024」の模様をお届け