2023年12月1日から2023年12月8日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうち、JP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。
編集部コメント
QWSのSTARTUP AWARDの2回目が3月に開催される。シード期までなら申し込めるので、ぜひ。エントリー締め切りは来年1月末。
シリーズAで6億円調達のアセンド。物流DXはすでに多くのプレイヤーが参入しているが、今後どういう戦略を打ち出してくるかが楽しみだ。
映画『TENET テネット』の冒頭でも登場した洋上風車の開発を行うアルバトロス・テクノロジーはシリーズAで4.2億円。製造販売まで手掛けるならかなりの調達を必要とするはずだが、今後の事業展開が気になる。
RBFで独自のポジションを歩むYoiiは8億円。注目のFintechスタートアップとして期待集まる。
スタートアップニュース
ピッチアワード「QWS STARTUP AWARD #2」出場者のエントリー受付開始(2023年12月7日発表)
多様な人たちが交差・交流し、社会価値につながるアイデアや新規事業を生み出すことを目指した会員制共創施設であるSHIBUYA QWSは、2024年3月15日(金)に開催するスタートアップのための社会と事業を一歩促進するピッチアワード「QWS STARTUP AWARD #2」の出場者の募集開始を発表した。
同ピッチアワードは、参加するスタートアップが、自社に必要な次の一歩を踏み出すための資源や支援、チャンスを得ることを目的としている。審査基準は、「社会を一歩促進する可能性があるかどうか」。事業の分野、領域問わず社会に新しいイノベーションを生み出すスタートアップに焦点を当てる。QWS最優秀賞受賞者には、渋谷スクランブルスクエア特別広告パッケージ(200万円相当)を贈呈するなど、QWS STARTUP AWARDならではの事業を一歩促進するための特別賞が各種用意されている。
ピッチアワードの開催概要は下記の通り。元リリースはこちら。
QWS STARTUP AWARD #2 開催概要
- 開催日 :2024年3月15日(金)16:00〜18:30
- 応募対象 :2024年3月中に株式会社登記予定、もしくは登記済みのシード・プレシードのスタートアップ
※事業領域、創業年数、プロダクト有無、資金調達実績は問いません - 審査工程 :
一次審査 書類審査
二次審査 オンライン面談
最終審査 会場での5分ピッチ(+質疑応答) - スケジュール :
エントリー開始 2023年12月7日(木)
エントリー締切 2024年1月31日(水)
書類審査結果通知 2024年2月9日(金)予定
最終審査 2024年3月15日(金)
資金調達情報
【シード】会話型AIの構築プラットフォーム「miibo」、6,000万円の資金調達を実施(2023年12月6日発表)
ノーコードで会話型AIを構築できるプラットフォーム「miibo」を開発・運営する株式会社miiboは、DNX Venturesおよび京都芸術大学アートアンドビジネスファンド、rooftop、エンジェル投資家から合計6,000万円の資金調達を行なったことを発表した。
miiboは、「手軽にまずはAIを作ってみたいビギナー」「本格的にAIを組み込んだプロダクトを開発するデベロッパー」の両者にアプローチできる会話型AI構築プラットフォーム「miibo」を開発・運営している。
同社は、今後、AI関連ビジネスが「LLM開発競争」「インフラコスト最適化競争」「AI搭載アプリケーションの開発競争」の大きな潮流を受けて競争環境が激化することを見込んで、今回調達した資金は、「LLMフラット」「Connect Everything」「Community-Led Growth」といった三つの競合優位性を柱とした事業展開に充当する予定。また、資金調達の実施とあわせて、資金調達を個人投資家として主導した村島 健介氏が戦略アドバイザーに就任し、THE GUILD代表やnoteのCXO、神奈川県横須賀市のAIアドバイザーとして幅広く活躍するUI/UXデザイナーの深津 貴之氏が暫定CSOに就任したことを発表した。元リリースはこちら。
【シリーズA】運送管理SaaS「ロジックス」を開発・提供するアセンド、3億円の資金調達を実施(2023年12月6日発表)
物流DXを推進するアセンド株式会社は、グロービス・キャピタル・パートナーズ等を引受先とする第三者割当増資を実施し、約3億円の資金調達を実施した。これにより、同社の累計資金調達額は5.8億円となった。
アセンドは2020年に設立し、「物流DXを推進し物流業界の価値を最大化する」をミッションに掲げ、運送事業者に特化したクラウド型業務システム「ロジックス」を提供している。「ロジックス」は「運送事業者の業務効率化と経営DXを同時に実現し、社会的なインフラである運送業界の発展に寄与する」という思想のもとに開発された。煩雑な運送事業者の管理業務を、案件の受注から配車・請求書の発行まで一気通貫でデジタル化し、運送事業者のビジネスに特化した経営数値(原価・利益率・車両回転率等)を一元管理することができる。
今回調達した資金は、「ロジックス」の開発及びサービス展開に向けた人材採用、組織体制の強化に活用し、より一層物流業界のDXに貢献していきたい考え。元リリースはこちら。
【シリーズA】浮体式風車開発のアルバトロス・テクノロジー、4.2億円の資金調達を実施(2023年12月6日発表)
浮体式洋上風車(垂直軸型)の開発に取り組む株式会社アルバトロス・テクノロジーは、株式会社日本政策投資銀行、三井住友海上キャピタル株式会社、三菱ガス化学株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社、株式会社アルバクロス、昭和機械商事株式会社、株式会社TOKAIベンチャーキャピタル&インキュベーション、および個人投資家を引受先として、シリーズAにおいて総額4.2億円の資金調達を実施した。これにより、同社の累計資金調達額は約5.2億円となった。
アルバトロス・テクノロジーは、2012年に合同会社として設立、2022年7月に株式会社化し、独自方式の浮体式垂直軸型風車(FAWT)を開発している。FAWTは、小型化した浮体でありながら、安定した強風が吹く沖合に設置でき、設備費および保守・運転維持費も低減できる。また、技術・製造で海外に大きく依存する従来型に対して、FAWTは、ほぼ全て国内調達のため、国内への経済波及効果とグリーン投資の国内環流が見込まれるほか、ほぼ100%のリユース・リサイクル設計により、ライフサイクルにおける炭素排出量も大幅に削減するという。
2023年度は、従来型風車のナセルに相当する動力取出部の試作と屋内実験を実施中で、その結果を反映させながら小型海上実験機の設計を進めている。2024年度には小型機を海上に設置し、大型機に向けた検証を開始する予定とのこと。調達した資金は、主として人材獲得に使用するほか、小型海上実験機開発の加速および、次ステップの大型海上実験機の準備に活用するという。元リリースはこちら。
【シリーズA】レベニュー・ベースド・ファイナンスのYoii、総額8億円の資金調達を完了(2023年12月8日発表)
レベニュー・ベースド・ファイナンス(以下、RBF)のプラットフォーム「Yoii Fuel(ヨイフューエル)」を運営する株式会社Yoiiは、Emellience Partnersをリード投資家として、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、FFGベンチャービジネスパートナーズ、他既存投資家5社を引受先とする第三者割当増資により、約8億円の資金調達を実施した。これにより、同社の累計資金調達額は約14億円となった。
Yoiiは、挑戦を試みるスタートアップに資金が行き渡り、スタートアップの成長を加速するため、まだ評価されていない企業価値を評価し柔軟な資金提供を行う方法として、RBFに着目し、RBFプラットフォーム「Yoii Fuel」の開発を行っている。「Yoii Fuel」は、将来発生する収益からいま必要な成長資金を調達できるRBFを提供するプラットフォームで、必要な手続きは全てオンラインで完結し、希薄化が生じず、個人保証や担保も要することなく、いま必要な成長資金を確保することができる。
今回調達した資金は、営業体制の強化やプロダクトの追加開発に充て、より多くのスタートアップがRBFを活用できる環境を構築し、国内におけるRBFの更なる普及と「資産の流動性を上げ、挑戦する起業家・企業の成長を後押しする」というミッションの実現を加速していきたい考え。元リリースはこちら。
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