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【9/29-10/6】注目のスタートアップニュース・資金調達情報

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2023年9月29日から2023年10月6日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうちJP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。

編集部コメント

スタートアップニュース、資金調達情報ともに多くの情報が集まった今週。スタートアップニュースでは、Skyland VenturesやKUSABI、ANRI、中小機構による起業家向けプログラムの開催情報やジャフコによるファンド組成に関するニュースをお届けする。

そして、今週は医療系スタートアップによる資金調達が目立った。資金調達情報では、その中でも、シリーズCで40.5億円の調達を行ったMICINをピックアップ。事業内容とともに資金調達の概要を解説する。そのほか、今週はクラウド型保険代理店システムを手がけるhokan、仮想空間上で空間イメージを共有可能なプラットフォーム「ROOV」を運営するスタイルポート、エッジAI向けファブレス半導体の開発・設計を手がけるEdgeCortixを取り上げ、資金調達の内容を見ていく。

スタートアップニュース

シードVC・Skyland Venturesが、Web3起業家の輩出を目指すインキュベーションプログラム「CryptoLand Bootcamp 2023 AW」を開催 (2023年10月6日発表)

Credit : 同社プレスリリース

シードスタートアップを中心に投資を行うSkyland Venturesが、Web3領域のスタートアップ創出を目指した実践的なインキュベーションプログラム「CryptoLand Bootcamp 2023 AW」の開催を発表し、10月6日より参加者の応募受付を開始した。

「CryptoLand Bootcamp」は、日本からグローバル市場に挑戦するWeb3起業家の輩出を目指すプログラム。国内のWeb3スタートアップを取り巻く課題の解決を目指した各種イベントやコンテンツが用意され、期間中は事業開発やプロダクト開発、プレゼン力向上などを含めたメンタリングが行われる。また、10月27日に予定されているキックオフイベントでは、Web3スタートアップを創業するにあたっての考え方や戦略についての勉強会も実施。特に今回のプログラムは「Go To The Global Market」というコンセプトが掲げられており、グローバルスタンダードを意識しながら事業創出を目指すという。

同プログラムの参加者には、上述のメンタリングのほか、第一線で活躍するスタートアップの起業家や国内外のWeb3スタートアップ、Web3コミュニティをパートナーに迎えた事業開発のヒントを得られる機会の創出や提携のサポートも実施。優秀なプロジェクトに対しては、投資に向けた特別サポートが行われるほか、グローバル市場に挑戦するための必要なナレッジ共有なども実施される。

プログラムへのエントリーはこちら。元リリースはこちら

独立系VC・KUSABI、キャピタリストとの壁打ちが可能なオフィスアワーを開催(2023年10月3日発表)

Credit : 同社プレスリリース

Wedge株式会社の運営する独立系VCのKUSABIが、10月10日より、キャピタリストとの壁打ちが可能な「KUSABI OFFICE HOUR」を開催すると発表した。オフィスアワーは、10月から11月にかけて、毎週火曜日の13時より開催。1日あたり最大2社 / チームの参加が可能で、1社あたり30分の時間を使い、KUSABI GPの永井氏、吉田氏、渡邉氏との面談を実施する。面談の中では、事業内容や資金調達の相談、起業前の壁打ちなどを行うことができる。

開催概要は下記の通り。元リリースはこちら

KUSABI OFFICE HOUR 開催概要

  • 内容:KUSABI GPの永井氏、吉田氏、渡邉氏による、1社あたり30分の面談
  • 場所:オンライン / KUSABIオフィス(東京都中央区日本橋茅場町1-8-1 茅場町一丁目平和ビル)
  • 対象:現在起業している、もしくは起業を検討している方、ベンチャーキャピタルでの業務に興味のある方
  • 申し込み可能なスケジュール
    11/07(火) 13時~
    11/14(火) 13時~
    11/21(火) 13時~
    (10月10日時点、10月のスケジュールはすべて締め切り済)
  • 応募フォーム:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdq7Nw9IPIjKOudpjPV8m7WxyuN2Mjna0rM53WvA2eEi-NI9g/viewform

ANRI、2023年新設の投資プログラム「ANRI VORTEX 2ND BATCH」の募集をスタート(2023年10月2日発表)

Credit : 同社プレスリリース

独立系VCのANRIが、2023年春に新設した投資プログラムの第2期となる「ANRI VORTEX 2ND BATCH」を開催すると発表し、参加企業の募集をスタートした。「ANRI VORTEX」は、ANRIがより多くの起業家にエクイティ調達という選択肢を提示すべく創設した投資プログラム。初回プログラムは約200社が応募し、そのうちの2社が採択に至ったという。

今回の「ANRI VORTEX 2ND BATCH」では、通常プログラムに加え、論文化可能な技術シーズを核としているスタートアップを対象とした「ANRI VORTEX – DEEP TECH -」も新設。両プログラムを通じて最大5社を採択予定となっている。

プログラムに採択された企業は、六本木ヒルズ森タワーのインキュベーション施設「CIRCLE by ANRI」への無料入居が叶うほか、ANRIの投資先などを中心としたネットワークづくりのサポート、キャピタリストによる支援、イベント参加などの支援を受けることができる。

プログラムの詳細は下記の通り。プログラムの公式サイトはこちら。元リリースはこちら

ANRI VORTEX

  • 投資条件:採択企業はANRIより、J-KISS、Post Valuation Cap 3億円、Discount 無し、出資額3,000万円~5,000万円のシード投資を行う
  • 対象企業:PMF前のシードスタートアップ
  • 事業領域:不問

ANRI VORTEX – DEEP TECH –

  • 投資条件:採択企業はANRIより、J-KISS、Post Valuation Cap 3億円、Discount 無し、出資額5,000万円の投資を行う
  • 対象企業:自然科学分野での研究を通じて得られた科学的な発見に基づく技術を核とした事業を有するシード期のスタートアップもしくは起業予定のチーム(ただし古コミットの経営陣がいること)
  • 事業領域:不問

両プログラム共通

  • 応募期間:2023年10月2日(月)〜11月10日(金)
  • 書類選考通過者との面談:2023年11月中旬~12月中旬
  • 採択者への投資・入居準備:2024年1月中
  • 応募フォームhttps://forms.gle/jtNCYwnPqw9Jd52q9

中小機構のアクセラレーション事業「FASTAR」の第10期公募を開始(2023年10月2日発表)

独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)によるスタートアップ向けアクセラレーション事業「FASTAR」が、2023年度の第10期支援先企業の公募を10月2日より開始した。

「FASTAR」は、IPOやM&Aなどを視野に、ユニコーンや地域有力ベンチャーを目指すスタートアップや個人に対して、資金調達や業務提携に向けて成長の加速化支援を行う事業。中小機構の専門化が専任パートナーとして伴走し、事業戦略や経営課題解決のためのメンタリングを約1年間継続的に行い、事業計画のブラッシュアップを支援する。また、外部メンターのメンタリングが受けられるほか、セミナーへの参加や中小機構の支援メニューによるテストマーケティングの支援、PoC検証のサポートなども実施。VCや大企業とのマッチングなどによる資金調達、事業提携の機会創出なども支援内容に含まれている。

同プログラムはこれまで、2019年度から計9回ほど開催し、医療、バイオテクノロジー、ヘルスケア、メカ・ロボティクス、AI分野等で成長を目指す106社を採択した実績がある。公募の概要は下記の通り。元リリースはこちら

FASTAR 公募概要

  • 応募条件:※詳細条件は応募ページを確認のこと
    創業から原則5年以内、もしくは創業前であること / 事業ステージがシード~アーリーのスタートアップ、または起業予定の個人
  • 支援対象
    グローバル規模での社会課題解決や成長産業の変革を目指している一方、経営面での人材やナレッジ、ネットワーク等に悩みを抱いているスタートアップ、または起業予定の個人
  • 公募期間:2023年10月2日(月)~2023年10月31日(火)
  • 応募URLhttps://fastar.smrj.go.jp/apply_202310.html

ジャフコSV7ファンド、総額978億円で最終クロージング(2023年10月2日発表)

ジャフコ グループ株式会社(以下、ジャフコ)は、2022年6月設立の基幹ファンドSV7シリーズの総額が978億円に達し、2023年9月30日をもって最終クロージングを迎えたことを発表した。

2023年に設立50周年を迎えたジャフコは、国内外における運用ファンドの累計コミットメント額が1兆円を超え、投資先の上場社数も累計で1000社を突破した老舗VC。ベンチャー投資だけでなく、バイアウト投資も1998年より積極的に展開しており、SV7シリーズは両投資方法に対応すべく、3種類のファンドを立ち上げて出資を募集してきた。今回、国内ベンチャー投資に充てるV7が650億円、国内バイアウト投資に充てるBO7が328億円となり、ファンド総額が上限目安の950億円を上回ったことからクロージング。投資組み入れがすでに進み、2~3年をかけてポートフォリオを構築していく予定。ベンチャー投資、バイアウト投資でそれぞれファンドを運用し、投資先の成長にコミットしながら運営を行っていくという。元リリースはこちら

資金調達情報

【シリーズ不明】エッジAI向けファブレス半導体を手がけるEdgeCortix、約30億円の資金調達を実施(2023年10月4日発表)

Credit : 同社プレスリリース

エッジAI向け半導体チップの設計・開発を手がけるEdgeCortix(エッジコーティックス)株式会社が、第三者割当増資で2000万ドル(約30億円)の資金調達を行った。引受先はSBIインベストメント、日米協業型VCのグローバル・ハンズオンVC、Monozukuri Venturesなど計5社。

EdgeCortixは、自社特許技術を活用した独自開発のソフトウェアやAIチップにより、エッジにおいてクラウドレベルに近いAI性能を実現するという課題に挑む。同社の半導体チップは、稼働時の消費電力を10W以下に抑えることができ、さらに1秒間に約40兆回の演算ができるという、エネルギー効率とパフォーマンスの高さが特長。

同社は今回の資金調達により、グローバルを見据えた販売・マーケティングの強化を行い、事業拡大を目指す。また、日本でのエンジニアリング強化とインドでの開発センター設立を進める予定。さらに、人材採用の強化や提供する製品・サービスの充実化を目指していくという。元リリースはこちら

【シリーズB】クラウド型保険代理店システム「hokan」を提供するhokan、総額15億円の資金調達を実施(2023年10月6日発表)

法改正や規制強化の進む保険業界で、適正な営業活動と組織の監査体制強化に貢献可能なクラウド型保険代理店システム「hokan」を提供する株式会社hokanは、第三者割当増資およびデッドファイナンスにより、シリーズBで総額約15億円の資金調達を実施した。第三者割当増資の引受先は、三井物産インシュアランス・ホールディングス、Archetype Ventures、Sony Innovation Fund。デッドファイナンスによる借入先は、あおぞら企業投資、静岡銀行、商工組合中央金庫、Fivot(Flex Capital)、北陸銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行。今回の資金調達により、同社の累計調達額は20億円を突破した。

国内で50兆円の市場規模を持つ保険業界。2016年の改正保険業法では、保険販売を行う代理店などに対して、顧客の契約に対する意向を適切に記録する「意向把握義務」、顧客の希望条件に該当する保険商品をすべて提案しなければならない「情報提供義務」が導入された。hokanの提供するクラウド型保険システム「hokan」は、そうした規制強化の流れの中で、コンプライアンスを強化した組織体制づくりに貢献可能なシステムとして、大手から個人代理店まで利用が進む。

同社は今回の資金調達により、顧客基盤の拡大やプロダクト開発による付加価値の向上、新規事業開発を行うという。元リリースはこちら

【シリーズC】オンライン医療事業などを行うMICIN、40.5億円の資金調達を実施(2023年10月5日発表)

オンライン医療事業やデジタルセラピューティクス事業などを行う株式会社MICINは、シリーズCで第三者割当増資と融資により総額40.5億円の資金調達を行ったと発表した。第三者割当増資は、アルフレッサ、MTG Ventures、東邦ホールディングス、WiL Fund II,L.P.の4社が引受先に。融資はあおぞら企業投資株式会社が実行した。今回の資金調達によって、同社の累計調達額は100億円を突破した。

MICINは「すべての人が、納得して生きて、最期を迎えられる世界を。」をビジョンに掲げ、オンライン医療事業、臨床開発デジタルソリューション事業、デジタルセラピューティクス事業、保険事業を展開。オンライン医療事業では、オンライン診療サービス「curon」やキャッシュレス決済サービス「クロンスマートパス」などを提供し、デジタルセラピューティクス事業では、治療補助アプリや生体情報共有アプリなどを手がけている。

同社は今回の資金調達を受け、各事業の成長促進と事業間のシナジー創出を目指し、人材採用やプロダクト開発、セールス・マーケティング、治験への投資を行う予定。また、アルフレッサと東邦ホールディングスとは、サービスの開発・拡大に向けて協業していくという。元リリースはこちら

【シリーズD】空間コミュニケーション・プラットフォーム「ROOV」を手がけるスタイルポート、約7億円の資金調達を実施(2023年10月4日発表)

Credit : 同社プレスリリース

空間コミュニケーション・プラットフォーム「ROOV」を開発・提供する株式会社スタイルポートは、第三者割当増資で約7億円の資金調達を実施した。今回の引受先は、KURONEKO Innovation Fund(運営者:グローバル・ブレイン株式会社)、野村不動産、大和企業投資株式会社、ケップルキャピタル、ソニーグループ株式会社、ゼンリンフューチャーパートナーズ。これにより、同社の累計調達額は約20億円に到達した。

スタイルポートは、未竣工の建物やアクセスが不便な立地にある建物を仮想空間上にデジタルツインとして再現可能な「ROOV」というプラットフォームを開発。時間や場所、経験の有無に制約されない空間理解を可能にし、新築マンションの販売などにおいて、オンライン3DCG内覧サービスとして活用されている。

同社は今回調達した資金を、「ROOV」の活用領域・利用シーン拡大に向けたプロダクト開発、カスタマーサクセスの拡充に使用していくという。また、ヤマトホールディングスや野村不動産などとともに、デジタルツイン技術を活用した新たなユーザー体験とソリューション創出に取り組んでいく考え。元リリースはこちら