2023年8月18日から2023年8月24日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうちJP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。
編集部コメント
先週に引き続き、今週もスタートアップニュースおよび資金調達情報は少なめだったが、一方で大型の資金調達が目立った印象。本稿内でもピックアップしているが、自律移動型ロボットを開発・提供するSEQSENSEがシリーズBで17.9億円を調達。さらに、グローバルIP事業を展開するBrave groupがシリーズDのファーストクローズで19.9億円、2μmの超高精度を実現できる3Dプリンティングシステムプロバイターとして世界にサービス展開するBMF JapanはシリーズDで約35億円を調達したと発表している。
そのほか、スタートアップニュースとしては2件をピックアップ。シードスタートアップに特化したピッチイベントの登壇者募集と、社会人向けの起業家育成コミュニティの募集情報を紹介する。
スタートアップニュース
シード期特化のピッチイベントをIVSが2023年冬に開催。登壇者の募集をスタート(2023年8月24日発表)
国内最大級のスタートアップカンファレンスであるIVSは、シードスタートアップに特化したピッチイベント「LAUNCHPAD SEED 2023 Winter Powered by 東急不動産株式会社(以下、LAUNCHPAD SEED 23W)」を11月29日(水)に東京ポートシティ竹芝 ポートホールで開催すると発表した。それに伴い、8月24日より登壇者の募集を開始。専用フォームより、9月22日(金)まで応募を受け付けている。
IVSは、スタートアップ向けのピッチイベント「IVS LAUNCHPAD」を17年前から開催している。同イベントに登壇した企業数は450社を超えており、その中でも60社以上がEXIT、35社以上が10億円を超える資金調達を行った実績を持つ。しかし近年、すでに一定の成果を上げているスタートアップが入賞する事例が相次いでおり、シードスタートアップにとってはイベントにエントリーしづらい状況が生まれていた。そこでIVSは、シード期に特化したピッチイベントを企画。2023年3月より「LAUNCHPAD SEED」をスタートさせた。3月に開催したイベントでは、全200社から応募があり、10社がファイナリストとしてピッチを行ったという。
LAUNCHPAD SEED 23Wのファイナリストは、IVSによる投資家のマッチング、Headline Asia キャピタリストによるピッチの個別メンタリング、IVS LAUNCHPAD アルムナイコミュニティへの参加、3年間を目安としたIVSへの無料招待を受けることができる。
開催概要と応募詳細は、下記の通り。元リリースはこちら。
開催概要
- 開催日:2023年11月29日(水) 16時~17時30分(18時30分より交流会)
- 会場:東京ポートシティ竹芝 ポートホール
- 参加者数:200~300名程度
- イベントURL:https://www.ivs.events/ja/launchpadseed2023-winter
イベント登壇への応募詳細
- 選考スケジュール
9月22日(金) 応募締切
10月4日(水)~6日(金) 一次面談
10月26日(木)~27日(金) 最終面談 - 応募条件:シード期のスタートアップであること(ジャンルは不問)
- 応募は専用の申し込みフォームより受付
https://forms.gle/RQ9SpmHqLoYDDY3B9
国内最大規模のスタートアップ支援実績を保有するプロトスター、社会人向け起業家育成コミュニティ「Swing-By」の新規入会者を募集(2023年8月23日発表)
国内最大級の起業家・投資家マッチングサービス「StartupList」や日本発スタートアップを特集したメディア「JP STARTUPS」などを展開するプロトスター株式会社が8月23日、起業前からサイドプロジェクト段階にある社会人に特化したコミュニティ「Swing-By」の新規入会者の募集を発表した。
「Swing-By」は、起業や事業創出を目指す社会人が、自身のアイデアを本業を持ったままサイドプロジェクトとしてスタートさせ、事業が軌道に乗った際は起業へとスムーズに移行できるようサポートを受けられるプログラム。参加者は、専属メンターによる個別メンタリングを受けながら、月に2回のDinner Meetingと月に1回のStartupListピッチに参加することが可能。プログラムを通じてメンターや先輩起業家、同期起業家との交流を図りつつ、事業の仮説検証を進め、資金調達のチャンスも手にすることができる。
1年のプログラム期間を終えるか、2000万円以上の資金調達を実現するとプログラムを卒業。卒業生は、プロトスターのネットワークを活用した成長支援や投資家の紹介を受けることができる。さらに、「Swing-By」が東京東部を国内最大のベンチャー集積地にすることを目指したプロトスターと三井不動産の協働プロジェクト「E.A.S.T. PROJECT」の一環として展開するインキュベーションプログラムであることから、中央区で起業すれば、三井不動産よりコワーキングスペースの無償利用といった各種オプションの提供を受けることができる。
「Swing-By」への応募資格や参加フローは、以下の通り。元リリースはこちら。
資金調達情報
【プレシリーズA】植物性卵を開発するUMAMI UNITEDが2.4億円の資金調達を実施(2023年8月23日発表)
植物性卵「UMAMI EGG」を開発するUMAMI UNITED PTE. LTD.が、プレシリーズAで2.4億円の資金調達を実施した。今回の調達における引受先は、Beyond Next Ventures株式会社と株式会社ジェネシア・ベンチャーズ。
卵の代替品という観点から見たとき、同社の日本における市場環境の見通しは明るい。まず、日本は世界有数の鶏卵消費国であり、2020年度はおよそ260万トンの鶏卵が国内で生産され、約半数が家庭用、残りの半数が業務用や加工用として消費された(※)。
そして、卵の価格が高止まりしている現在、価格高騰や供給不安定に対応する代替品として、植物性卵に熱い視線が注がれている。同社によれば、2022年末の鳥インフルエンザまん延以降、食品メーカーからの問い合わせと商品開発の案件が急増しているといい、今秋から今冬にかけて、UMAMI EGGを原料とした製品がスーパーなどの店頭に並ぶ予定だという。
同社は今回調達した資金をもとに、製菓・製パン業界からの問い合わせが増えている「代替卵白」の研究開発に注力。また、並行して、アメリカ・ヨーロッパ市場における事業開発を加速させる考えを示している。元リリースはこちら。
※ 農林水産省HP より
【シリーズB】自律移動型ロボットを開発・提供するSEQSENSEが総額17.9億円の資金調達を実施(2023年8月18日発表)
自律移動型ロボットの開発・製造を行うSEQSENSE株式会社は、シリーズBで第三者割当増資により総額17.9億円の資金調達を実施した。引受先は、川崎重工、東北大学ベンチャーパートナーズ、東京センチュリーなど17社。これによって同社の累計資金調達額は29.9億円に達した。
SEQSENSEは「世界を変えない。」というミッションを掲げ、深刻化する国内の人手不足に対し、自律移動型ロボットの開発と製造、サービス提供を行っている。現在は自律移動型警備ロボット「SQ-2」を中心に提供。警備業界は働き手不足が特に深刻な業界の一つであり、SQ-2は2019年にローンチして以来、全国で約40台が稼働しているという。
同社はさらに、保有する自律移動技術を他領域でも活用。川崎重工とともに、病院内などを想定した屋内配送サービスロボット「FORRO(フォーロ)」の開発と事業化に取り組む。2023年7月より、藤田医科大学病院でトライアルサービスを開始し、検体配送や薬剤配送業務を24時間体制で行えるロボットとして実証実験が進められている。
同社は今回調達した資金をもとに、警備ロボット事業のさらなる拡大と屋内配送ロボットの事業化を進めていくという。元リリースはこちら。
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