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【6/30-7/6】注目のスタートアップニュース・資金調達情報

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2023年6月30日から2023年7月6日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうちJP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。

編集部コメント

市況が良くない中でもファンドの増額ニュースが安定的に届いて嬉しい限り。願わくば、金額だけでなく、上場までの期間が長くなり、Deep tech(ディープテック)も増える今、LPが待てる期間が長くなってもらえると良い。

資金調達の方でも、核融合のEX-Fusion、ロボティクスのTelexistence、製造業サプライチェーンDXのCADDiなど、堅調な銘柄の嬉しいニュースが。シードでは、アメリカで活用の進むP2P VPN技術を広めようとするRunetaleをピックアップ。いずれも技術大国・日本からイノベーションを届ける基盤となってほしい。

スタートアップニュース

独立系インパクトVCのGLIN Impact Capital、1号ファンドのファイナルクローズ完了、David Freiberg氏がアドバイザーとして参画(2023年7月4日発表)

Credit : 同社プレスリリース

インパクト・ESGベンチャーキャピタルのGLIN Impact Capitalは、社会課題解決型スタートアップを対象とするインパクト・ESG投資ファンドについて、当初目標額を超過して組成を完了し、アドバイザー体制を強化したことを発表した。

GLIN Impact Capitalは「経済成長と共に自律的に社会課題が解決される社会の実現」をミッションに、すべての事業活動・金融活動が外部経済性や持続可能性を組み込んで成長を追及する社会の実現を目指す、国内第一世代のインパクト・ESG投資ファンド。環境・社会課題を解決する未上場企業に対して、グローバルの最新ノウハウを活用しながらインパクト・ESG観点のハンズオン支援を行い、上場後もミッションを中心に据えて大きく成長できるよう支援を行なっている。今回、ハーバードビジネススクールにおけるインパクト加重会計イニシアティブ(IWAI)の創設メンバーの1人であるDavid Freiberg氏がアドバイザーに就任、アドバイザー体制を強化し、これまで以上に力強く取り組みを進めていくという。元リリースはこちら

独立系VCのデライト・ベンチャーズ、150億円規模となる2号ファンドをファーストクローズ(2023年7月5日発表)

Credit : 同社プレスリリース

独立系ベンチャーキャピタル、デライト・ベンチャーズは、150億円規模となるデライト2号ファンド(ファンド名称:デライト・ベンチャーズ2号投資事業有限責任組合)をファーストクローズしたことを発表した。

デライト・ベンチャーズは、起業家・南場 智子氏と起業や経営経験のあるメンバーが立ち上げた独立系ベンチャーキャピタル。世界で活躍する起業家の創出を目指し、2019年に設立した1号ファンドでは約100億円を運用し、これまで累計45社に出資してきた。デライト2号ファンドにおいても1号ファンドに続き、シードからシリーズA前後のステージを中心に、1,000億円以上の経済規模をもった課題を解決するビジネスまたは、海外市場をターゲットとして世界規模の成長を目指すビジネスを展開するスタートアップへの投資に注力するという。元リリースはこちら

マネーフォワードグループのHIRAC FUND、2号ファンドのセミ・ファイナルクローズを実施。総額61.5億円に(2023年7月5日発表)

株式会社マネーフォワードのグループ会社であるマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社は、HIRAC FUNDの2号ファンドを61.5億円でセミ・ファイナルクローズしたことを発表した。

HIRAC FUNDは、テクノロジーによる社会課題解決を目指すシード・アーリーステージのスタートアップに特化したアントレプレナーファンド。2号ファンドは「DX」「Sustainability」「SaaS/Fintech」「Web3.0」を主要な投資テーマに据え、マネーフォワードにおける地域金融機関とのこれまでの多数の共創経験・地域のDX推進経験を活かし、地域金融機関と出資先スタートアップ企業の協業、それを通じた地方創生への取り組みを積極的に推進している。同ファンドは、引き続き最大80億円規模のファンドを目指して募集活動を継続し、ファイナルクローズは2023年10月~11月末を予定しているという。元リリースはこちら

資金調達情報

【ラウンド不明】P2P型VPN通信セキュリティー「Runetale」、9,000万円の資金調達を実施(2023年7月4日発表)

Peer-to-peer型フルメッシュプライベートネットワーク(VPN)で、複雑化するインターネットの仕組みをシンプルにすることを目指すRunetale株式会社はCarbide Ventures、Delight Venturesをリード投資家に、エンジェル投資家として石塚 亮氏、Hua Hu氏等から、銀行融資含む総額9,000万円の資金調達を実施した。併せて、デジタル化する企業セキュリティーを通信から守る、ゼロトラスト型のフルメッシュVPNサービス「Runetale」の正式版Waitlistの受付開始とソースコードのオープンソース化を発表した。

Runetaleは「Rebuild the small internet – 小さなインターネット再構築する」をミッションに掲げ、リモートワークの推進や通信量の増大によって従来型VPNが直面する速度遅延やセキュリティリスクを克服すべく、VPN Hubを通さずアプローチする「Runetale」を開発。通信プロトコルにはWireGuardを採用し、デバイス・クラウド・アプリケーション等の種類や物理的場所に関わらず直接通信する高速なメッシュネットワークを構築、世界のどこからでもPeer-to-peer(P2P)に「直接繋がる」通信網を実現している。今回調達した資金によって、エンジニアを中心とした採用を推進したい考え。元リリースはこちら

【シード】レーザー核融合商用炉の実現を目指すEX-Fusion、18億円の資金調達を実施(2023年7月6日発表)

レーザー核融合商用炉の実現を目指す大阪大学発スタートアップの株式会社EX-Fusionは、シードで総額18億円の資金調達を実施。これにより、累計調達額は19.3億円になった。

脱炭素社会を実現するという世界的な動きの中で、EX-Fusionは高出力・高繰り返しレーザー技術と連続ターゲット供給装置や最先端の光制御技術を組み合わせることで、社会の発展と持続可能性を同時に実現する世界初のレーザー核融合商用炉の実現を目指している。

同社はレーザー核融合商用炉実現を目指す過程で得られる最先端の光制御技術・知見等を活用し、エネルギー分野にとどまらず、さまざまな産業分野の技術開発に貢献していく方針で、今回調達した資金をもとに、自社施設の設立のほか、将来的な核融合エネルギー科学のグローバルリーダーになるため、専用レーザーシステムと高度な製造技術の内製化を目指すという。また、 レーザー核融合を中心とした多種多様な光産業を確立させ、クリーンエネルギーの産出国として大きく前進したい考え。元リリースはこちら

【シリーズB】産業用半自律型遠隔操作ロボットを開発するTelexistence、約230億円の資金調達を実施(2023年7月6日発表)

Credit : 同社プレスリリース

Telexistenceは、Monoful Venture Partners、KDDI Open Innovation Fund、Airbus Ventures、新規投資家としてソフトバンクグループ株式会社 (以下、SBG)、Foxconn、Globis Capital Partners (以下、GCP) を引受先として、シリーズBラウンドにおいて約230億円の資金調達を実施した。また、SBGの子会社であるソフトバンクロボティクスグループ株式会社 (以下、SBRG) と北アメリカおよびその他地域でのロボティクス事業推進を目的とした戦略的事業提携に合意したことを発表。さらに、FoxconnとはTelexistenceの次期モデル「GHOST」の生産技術の確立および量産における連携を進めていくという。

Telexistenceはロボットの設計・製造・オペレーションまでを自社で行い、場所を選ばずにどこでも導入可能なロボットを開発。AIと遠隔操作ソフトウェアを組み合わせることで、これまでロボット導入が難しかった業界でも、労働力としての活用を可能にしている。2022年8月には小売業界向け人工知能・遠隔操作ロボット「TX SCARA」のファミリーマート300店舗への導入が開始されている。

今回の資金調達に伴い、SBRGの吉田 健一氏 、GCPの野本 遼平氏が新たに取締役に就任したことを発表した。今後は既存事業のロボットオペレーションを最速で拡大することに加え、多様な専門性を持つ優秀な人材の採用を強化し、組織の能力密度を一層高めたい方針。元リリースはこちら

【シリーズC】「CADDi MANUFACTURING」を運営するキャディ、118億円の資金調達を実施(2023年7月5日発表)

Credit : 同社プレスリリース

製造業サプライチェーンの変革に挑むキャディ株式会社は、既存投資家であるグロービス・キャピタル・パートナーズ、DCM Ventures、グローバル・ブレイン、WiL、ジャフコ グループ、Minerva Growth Partnersを中心に、他投資家4社を引受先としてシリーズCラウンドにおいて総額118億円の資金調達を実施した。今回の増資により、これまでの累計調達額は217.3億円となった。

キャディは、「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、製造業のバリューチェーンが抱える構造的な課題に対して、部品調達プラットフォーム「CADDi MANUFACTURING」、図面データ活用クラウド「CADDi DRAWER」の二つの事業を提供、アメリカ、ベトナム、タイなど計12拠点でグローバルに事業展開している。

今回、経営体制のさらなる強化に向けて、取締役会を設置し、新たに2名の社外取締役と1名の社外監査役、社内から2名の取締役が就任。調達した資金は、「CADDi MANUFACTURING」のプラットフォーム強化への成長投資、「CADDi DRAWER」機能強化のためのテクノロジーの投資、およびこれらの実現のための人材採用・育成に活用するという。元リリースはこちら