2023年1月9日から2023年1月13日に発表された資金調達ニュースのうち、JP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。
編集部コメント
JP Startupsの過去取材先が3件調達を実施。編集部としても引き続き成長を支援していきたいところ。
大型調達が続く中、日本版Robinhoodと期待高まるWoodstockは、アプリローンチとのことで、これからのユーザボイスが楽しみなサービス。既存サービスのDXだけでなく、UI/UXまで変容させていく事業の登場が今後も楽しみだ。
※リリース内でラウンド明示ないものもあるが調達総額順に編集部判断でプロット
Seed
Twitter / Coinbase卒業生ら起業のWoodstock、日米著名VC5社から調達(2023年1月11日発表)
Woodstock株式会社はCoinbase Ventures (米国)、Coral Capital 、 HYPER(米国)、 Incubate Fund、Kindred Ventures(米国)といった日米著名ベンチャーキャピタル5社からの資金調達を実施し、次世代向けSNS型投資アプリ「woodstock.club 」をローンチした。
同社はTwitter / Coinbaseの卒業生及び、金融業界での経験豊富なエンジニアによって2021年3月に設立、日本企業として初、米Product Huntの兄弟会社としてサンフランシスコで設立されたアクセラレータープログラムHYPER第1期生として参画している。今回の調達により、アメリカやアジア諸国への展開に向けても準備を進めていくという。「woodstock.club」は、アメリカ株売買のみならず、会話や実際のポートフォリオシェアなどコミュニティとの交流を通じて、初心者も上級者も楽しむことができるSNS型投資アプリ。米アクセラレーターY Combinatorにも採択されたAlpacaとのパートナーシップによりアメリカマーケットへのアクセスを可能にし、日本初、500銘柄以上の米国株式やETFを、日本円で1,000円からリアルタイムで売買できる。元リリースはこちら。
Series A
音声解析AI「Empath」、SXキャピタル、ウィルグループ、ベクトルから調達(2023年1月11日発表)
株式会社Empathは、SXCファンド、ウィルグループHRTech2号ファンド、およびベクトルを引受先として、資金調達を実施。
同社は2017年10月に医療ヘルスケア企業からのカーブアウトにて誕生、「共感で声を響かせる」をミッションに、音声から人の感情解析を行うAI「JamRoll」を2022年6月に正式リリース。会話解析、音声認識、自然言語処理と自社でのAI開発の幅を広げている。「JamRoll」はZoom、Google Meet、Microsoft Teamsに対応し、昨今のリモートワークによるオンライン商談での生産性向上に寄与しているという。世界50ヶ国3,500社以上での採用実績というように「JamRoll」の導入企業数が急速に増加していく中、今回の調達によって、セールスとカスタマーサクセスおよび開発体制の拡充を図る方針。元リリースはこちら。
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AI解析プラットフォーム「Wisbrain」を提供するUltimatrust、シリーズAで7.6億円を調達(2023年1月6日発表)
Ultimatrust株式会社はDRONE FUNDを引受先とした資金調達を実施した。2022年3月までに複数の投資家を引受先として調達を実施、今後さらなる事業拡大が見込まれることから、それに続く追加資金調達として、DRONE FUNDより出資を受ける運びとなった模様。今回の調達により、シリーズAラウンドのファイナルクローズでの調達金額は総額7.6億円となった。
同社は2015年2月に設立、「水のように空気のように、すべての人に最先端技術を提供する。様々なデバイスをから集まるデータを分析し、学習することで、未来がわかる世界を創る。」をスローガンに、基幹システム「Wisbrain」の開発と製品化を進めてきた。今後は、道路交通におけるDXの推進や、工場、物流、鉄道、空港等の分野において、高度な通信インフラの提供と同時に、業務の自動化やネットワークセキュリティといったDX推進時の課題を解決することで社会へ貢献していくという。元リリースはこちら。
Series B
ノーコードでガイド・ナビゲーションを設置できる「Techtouch」を提供するテックタッチ、シリーズBで17.8億円を調達(2023年1月11日発表)
Webシステムの画面上に操作ガイドを追加できるSaaS「Techtouch」を開発・提供するテックタッチ株式会社が、シリーズAラウンドに引き続きDNX Venturesをリード投資家とし、計6社のメガバンク系投資家・CVCを引受先として、総額17.8億円を調達。累計調達額は24億円となる。
引受先一覧
DNX Ventures(リード投資家)/ 電通ベンチャーズ / みずほキャピタル株式会社 / 三菱UFJキャピタル株式会社 / Archetype Ventures / BRICKS FUND TOKYO(三菱地所株式会社) / DBJキャピタル株式会社 / 株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ / SMBCベンチャーキャピタル株式会社 / Sony Innovation Fund / THE CREATIVE FUND
同社は2018年3月に設立。システムのつまずきやすい部分に、リアルタイムに表示されるガイド・ナビゲーションを通じて、すべてのユーザーがシステムを使いこなせる世界を、DXにより誰ひとり取り残されない社会の実現を目指す。今回の調達により、さらなる事業成長を目的とした、人材採用、マーケティング、海外進出へ投資していき、「Techtouch」がメインターゲットとしている3領域(大手企業・官公庁や自治体・SaaS企業)におけるマーケティングを強化し、3年以内にエンドユーザー1,000万人突破を目指すという。元リリースはこちら。
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Series C
薬局DXから医療の次世代化を目指すカケハシ、シリーズCファーストクローズで76億円を調達(2023年1月11日発表)
株式会社カケハシは、複数の新規投資家および既存投資家を引受先とした総額約76億円の資金調達を実施した。同社は、これまで約55億円の資金調達を実施しており、今回の調達により累計資金調達額は約131億円となる。
引受先一覧(順不同)
〈新規引受先〉
Axiom Asia Private Capital / 第一生命保険株式会社 / あおぞらHYBRID1号投資事業有限責任組合 / フォースタートアップス1号投資事業有限責任組合
〈既存引受先〉
グロービス・キャピタル・パートナーズ / DNX Ventures / ジャパン・コインベスト / Salesforce Ventures
同社は2016年3月に設立、「日本の医療体験を、しなやかに。」をミッションに、2017年8月に薬局体験アシスタント「Musubi」をリリース。関連プロダクトとして、薬局向けデータプラットフォーム「Musubi Insight」、患者フォローアップアプリ「Pocket Musubi」、医薬品在庫管理・発注システム「Musubi AI在庫管理」と複数展開している。今回の資金調達により、開発体制強化に向けたエンジニア採用、サービス導入支援・カスタマーサポート体制の強化、新規サービスの立ち上げを含む事業開発を予定している。
あわせて、新たな事業ドメインの立ち上げとそれをリードする新執行役員(西田 庄吾氏)の選任も発表しており、今後は、薬局DXを加速するとともに、その事業基盤を活かした新たな取り組みに着手し、日本の医療が抱える構造的課題の解決を目指すという。元リリースはこちら。
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