2022年12月19日から2022年12月23日に発表された資金調達ニュースのうち、JP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。
編集部コメント
上場済みのgumi、短期間での調達を続けるポケトークなどの調達もみられた今週。
スタートアップ側の動きとして技術力に強みとする4社をピックアップ。紙ベースでの処理であった業務を電子化するDXだけでなく、ハードウェアやオンライン接点を通したデータ取得、その分析・活用といった新たな付加価値の創造を目指す。IT先進国へのキャッチアップだけでなくさらなる業務高度化を目指す堅実な企業群が、2022年は多く見られた。2023年も彼らの成長に資する支援をメディアとして推進していきたい。
※リリース内でラウンド明示ないものもあるが調達総額順に編集部判断でプロット
Series A
サイバーセキュリティ訓練SaaSのAironWorksが、プレシリーズAで約3.9億円を調達(2022年12月21日発表)
イスラエル発サイバーセキュリティSaaSのAironWorks株式会社が、イスラエル大手銀行Bank Leumi (バンク・レウミ)系VCであるThe Garage(ザ・ガラージ)をリード投資家とし、 ココナラスキルパートナーズおよび既存株主のALL STAR SAAS FUNDより、約$2.65M (調達完了時の為替レートで3.9億円相当)を調達。この調達により、自然言語処理技術によるサイバーセキュリティシミュレーションの高度化や多機能化に関わる研究開発、多地域展開を推進する。
同社は2021年8月に設立、 「Enhancing Teams with AI」をミッションとし、サイバーセキュリティサービスの企画開発を手掛ける。同社の特徴は、世界トップレベルのハッカー集団であるイスラエル国防軍 Unit 8200出身エンジニアが開発した最先端技術にあり、それを活用したサイバーセキュリティ訓練・教育プラットフォームを開発・提供する。従来の標的型メール訓練だけでなく、SNS、SMSといった多方面からの攻撃に対するゲーミフィケーション訓練が可能。チーム、クライアントともにすでにグローバルであるが、今後は株主共連携し、北アメリカ、ヨーロッパ、APAC(アジア太平洋)各主要市場のTop Tier獲得を目指すという。元リリースはこちら。
セールステックのHiCustomerが3億円を調達(2022年12月21日発表)
HiCustomer株式会社が、Archetype Ventures、Cygames Capital、ココナラスキルパートナーズ、East Ventures、ウェルディレクションほか、個人投資家から調達を実施した。累計調達額は3億円となる。今回の調達で、新プロダクト「Arch by HiCustomer(アーチ バイ ハイカスタマー)」の開発体制を強化するという。
同社は2017年12月に設立。LTV最大化を目的とし、資料や見積り等を掲載した顧客専用ページを作成できるSaaSとして「Arch by HiCustomer」を開発、提供。顧客の動向から、製品購買に対するモチベーションを可視化、取得したデータはCRM(現状ではSalesforce Sales Cloudが対象)との連携も可能であるという。元リリースはこちら。
建設業界向け3Dデータ利活用のローカスブルー、プレシリーズAラウンドで約4億円を調達(2022年12月21日発表)
建設業界向けにローカスブルー株式会社が、ジャフコ グループ、DNX Ventures、Angel Bridge、tb innovations、SBIインベストメント、宮銀ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家の有安 伸宏氏、ならびに、日本政策金融公庫からの融資により総額約4億円を調達。今回の資金調達で、ScanXの利用顧客拡大に向けた営業体制強化、CTOやVPoE採用を進める。また、新サービスとなる3Dデータ専用AIエンジン「Deep3(ディープスリー)」の計画についても合わせて発表した。ユーザーごとに3Dデータ処理アルゴリズムをテーラーメイドしWeb APIとして使用可能、大容量データはHDDでのやりとりも可能という。
同社は2019年10月に設立。2020年9月には、iPhone、レーザースキャナー、ドローンなど各種機器で取得した3D点群データをオンラインで解析ができるプラットフォーム「ScanX(スキャン・エックス)」を開発、提供開始し、これまで42都道府県の10,000以上の建設、土木、測量業界関係者が利用。スマートシティ推進にあたってのデジタルツイン対応などにも対応していくという。元リリースはこちら。
プライバシーテックのAcompanyがシリーズAで約6.4億円を調達(2022年12月21日発表)
株式会社Acompanyが、Spiral Capitalをリード投資家とし、既存投資家のBeyond Next Ventures、ANRI、DG Daiwa Ventures、ならびに日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、三菱UFJ銀行の融資を合わせ、総額約6.4億円を調達。累計調達額は約8.7億円となる。今回の調達で事業開発と採用を加速する。
同社は2018年6月に愛知県で設立、「プライバシーテックで社会課題を解決する」をミッションに掲げる。代表の高橋氏の出身校である名古屋大学を拠点に、プライバシー保護とデータ活用の両立を目指すプラットフォーム「AutoPrivacy」の開発・提供などを行う。ほかに、プライバシーテック協会の設立、秘密計算エンジン「QuickMPC」公開ならびにOSS化など活動の幅を広げている。元リリースはこちら。
注目記事
新着記事
防災テックスタートアップカンファレンス2024、注目の登壇者決定
大義と急成長の両立。世界No.1のクライメートテックへ駆け上がるアスエネが創業4年半でシリーズCを達成し、最短で時価総額1兆円を目指す理由と成長戦略 Supported by アスエネ
日本のスタートアップ環境に本当に必要なものとは?スタートアップスタジオ協会・佐々木喜徳氏と考える
Antler Cohort Programで急成長の5社が集結!日本初となる「Antler Japan DEMO DAY 2024」の模様をお届け
世界を目指す学生が集結!Takeoff Tokyo 2024 VOLUNTEER TRAINING DAYの模様をお届け