IT人材の不足が叫ばれて久しい。2030年にはIT人材が45万人も不足するといわれる中で、IT領域を担う人材を増やす取り組みは急務である。
一方で、エンジニア採用の現場では、スキルのミスマッチも深刻な問題だ。たった1時間ほどの面接を複数回行うだけで、候補者のスキルを正確に見極めるのは非常に難易度が高い。そのため、期待していたレベルとは大きく異なる人材を採用してしまい、タスクの遅れやスキル不足をカバーするために、現場のエンジニアが疲弊することも少なくない現状がある。
そのような課題を解決すべく、オンライン完結のコーディング試験(※)でスキルの可視化を実現する「HireRoo(ハイヤールー)」を立ち上げたのが、株式会社ハイヤールー 代表・葛岡 宏祐(くずおか・こうすけ)氏だ。葛岡氏はGAFAMの採用選考を受けたことがきっかけで、コーディング試験のサービス設計に至った。中学校を卒業後、高校には行かずにバックパッカーをしていた時期もあるという葛岡氏。これまでのキャリアや創業の経緯、エンジニア採用市場の課題まで幅広く話していただいた。
#コーディング試験
実際にコードを書いてもらったり、選択問題などを解いてもらったりして技術力を測るテストのこと。
エンジニア採用で深刻な「スキルのミスマッチ問題」
まずは、ハイヤールーの事業内容を教えてください。
弊社はエンジニア採用におけるスキルのミスマッチの問題を解決するために、コーディング試験でエンジニアのスキルをチェックできる「HireRoo(ハイヤールー)」というサービスを提供しています。
エンジニア採用は、候補者の持つスキルを正しく把握することがポイントです。しかし、国内の採用の現場では、エンジニアのスキル測定をうまく行えていない状況がありました。
このような課題を解決すべく、GAFAMなど欧米のIT企業が採用時に行うコーディング試験を参考に立ち上げたのが「HireRoo」です。「HireRoo」はテスト作成に精通したメンバーが多様な問題を作成しています。例えば、新卒からテックリード、エンジニアリングマネージャーまで幅広い経歴のターゲットに向けて難易度を分けながら、フロントエンドエンジニア向けの問題や、バックエンドエンジニア向け、データサイエンティスト向けなどの問題を揃えています。
採用を行う企業は、候補者の経験や属性、図りたいスキルに応じて、問題群の中から最適なものを選ぶだけ。テストの結果は、コードの正答率や実行速度、コードの読みやすさなどを自動的に定量評価で表示可能です。
候補者のスキルを正確に把握できていないと、どのようなことが起こるのでしょうか。
最悪の場合には、エンジニア組織が崩壊します。日本では、まだ面接のみでエンジニアのスキルチェックを行う企業も多いんですね。面接でスキルを正確に測るのは難しいものですから、採用した人が期待していたレベルに満たないことが入社後に発覚するという「スキルのミスマッチ」がよく起こっているんです。
中でも、「非常に優秀なSランクのエンジニアだと思って採用したら、他の人からサポートを受けないと仕事ができないようなCランクのエンジニアだった」という場合は悲劇です。Sランクのエンジニアを求めて、それなりに優秀なAランクの方を誤って採用してしまった場合は、ミスマッチの程度が低いため、まだ何とか巻き返すことができます。しかし、Sランクを採用したかったポジションにCランクのエンジニアが入ってしまうと、仕事のできる他のエンジニアに大きなしわ寄せが行き、結果として組織全体が回らなくなってしまう可能性があります。
非常に深刻な問題ですね。
そうなんです。採用面接は企業と採用候補者の「期待値調整」の場ですが、やはり30分から1時間の面接を2~3回繰り返すだけで採用決定する仕組みには限界があると思います。面接の質が低いと、エンジニアとしての実務スキルが低くてもコミュニケーション能力の高さでカバーできてしまう。SランクとCランクの見分けくらいはつきそうと思われるかもしれませんが、意外と分からないものです。エンジニア採用は売り手市場だからこそ、自社にふさわしい人材と出会うためにも、コーディング試験によるスキルチェックを行っていくべきだと思います。
そもそも、エンジニアの採用市場全体を見渡すと、どのような課題が存在しているのでしょうか。
エンジニアの採用市場における課題を語るには、三つの視点を押さえる必要があります。一つが採用を行う企業側の視点、二つ目が採用される候補者の視点、三つ目が採用市場全体の視点です。この三つの視点から、それぞれ課題をお話ししましょう。
まず、採用を行う企業側の課題としては、母集団形成の難しさと採用のコスト効率の悪さが挙げられると思います。現在、国内には100万人ほどのエンジニアがいますが、その中で実際に企業で活躍できるエンジニアは100万人もいないと言われています。その一方で、エンジニアの求人数は爆発的に増えてきており、現在のエンジニア職における求人倍率は9倍です。目の前の採用候補者は自社のほかに約8社を受けていて、その中で選んでもらえるようにと考えないと、採用にまで結びつかないのです。需給バランスが崩れ、エンジニア需要に対してふさわしい供給がないために、自社採用の母集団を形成するのが非常に難しくなっている現状があります。
また、このような状況に紐付いて、採用にかかるコスト構造もいびつになってきています。通常、人材エージェントに紹介を依頼する場合、企業が支払うインセンティブは理論年収の3~4割程度ですが、エンジニア採用の場合はそれが5~10割になることも少なくありません。さらには、採用できたはいいけれど自社とミスマッチを起こして1年以内に退職するケースも多く、採用にかけたコストが全て水の泡になってしまうこともよくあります。エンジニアは他の職種と比べても年収が高いため、事態はより深刻なのです。
なるほど。採用候補者側や採用市場の課題には、どのようなものがあるのでしょうか。
採用候補者については、自分が行くべき企業を見極められていないという課題があると思います。どのようなテクノロジーを使って、何をしているのかを発信しきれいていない企業も多く、自分のやりたいことを実現できる企業がどこなのかが分からないと感じるエンジニアも多いのが現状です。
そして、採用市場全体の大きな課題としては、雇用の流動性とエンジニアの給与の低さが挙げられます。日本では、終身雇用などの待遇の良さや働きやすさから優秀な人材がいわゆる“大企業”に長く勤め、転職市場にほとんど出てこない。また、日本のエンジニアの給与は世界的に見ると低いんです。少し古いデータになりますが、『IT人材白書2017』にはアプリケーションソフトウェア開発者で日米の平均年収に2倍の差があるという数字も出ています。国内でもエンジニアに対してさらに給与を支払わなければ、優秀な人ほど海外に出て行き、日本としての競争力は下がってしまいます。
真の技術力と人間力をチェック。GAFAMのエンジニア採用とは
先ほど「HireRoo」はGAFAMなどの採用選考を参考につくり上げたというお話もありましたが、彼らはどのような選考を行っているのですか?
GAFAMなどのビッグ・テックでは、1泊2日などまとまったスケジュールを確保して、1日8時間のコーディング試験を行っています。交通費も宿泊費もすべて企業が支払います。僕自身が2回目の転職でGoogleとFacebook(現・Meta 以下、Facebook)の採用選考を受けましたが、候補者の持つ本当の技術力とコミュニケーション力を見極めようとするGAFAMの姿勢に、「これがワールドクラスの選考なのか」と衝撃を受けましたね。僕は、実は学歴としては中卒で。でも、GAFAMは学歴に関係なく、純粋に技術力と人間力を見て採用しているのを実感しました。
なぜ、日本ではGAFAMのような採用ができていないのでしょうか。
面接を2~3回実施して採用に至る日本企業が多いのは、採用にかける予算の違いもありますが、言語の壁や地理的な要因も相まって、最先端の情報や技術が日本に遅れて入ってくる状況も影響していると思います。とはいえ、最近では国内でも情報感度の高い企業はGAFAM型の選考フローにシフトし始めていますし、今後は日本でもそういった採用選考が普及していくのではないでしょうか。
そこにビジネスチャンスを見出したのが「HireRoo」というサービスなのですね。
そうですね。僕自身がエンジニアとして長くキャリアを積んできたこともありますし、日本が世界にこれだけの差をつけられてしまっている一因には「テクノロジーの遅れ」もあると考えているので、日本のテクノロジーの底上げに少しでも寄与できればという想いで立ち上げました。
中卒でバックパッカーに。独学のアプリ開発を経て、DeNA、メルカリのエンジニアへ
ここからは、ぜひ葛岡さんのご経歴についてもお聞かせください。葛岡さんは学歴が中卒だとのお話もありましたが、中学校を卒業後は何をされていたのでしょうか?
中学を卒業後は1〜2年ほどお金を貯めて、バックパッカーをしていました。1年半ほど世界を旅していましたね。
なぜバックパッカーをしようと?
中学でその後の進路を考えたとき、当時の僕には明確にやりたいことがなく、高校に行く理由を見出せなかったからです。あとは僕の性格の問題もあるかもしれません。自分の判断で何かをやりたいという気持ちが強くて、皆が右を行くなら、自分は左に行きたくなる性分なんですよ(笑)。
今となって振り返ると、日本の教育が僕に合っていなかったのかもしれません。日本の教育は協調性を重視するあまり、とがっている子どもの「角」を丸めて皆と同じ形にしようとする傾向がある。そういう日本の教育には、あまり馴染めなかったように思います。
幸い、両親も僕の意思を尊重してくれたので、そのまま高校には行かずに世界を見に行くことができました。
世界一周をする中で得られた経験は何かありますか?
バックパッカーをしていたとお話すると、いろいろな方から同じような質問をいただくのですが、実は皆さんが想像するようなドラマティックな経験は何もなくて(笑)。世界で過ごした日々は、本当に普通です。ただただ、楽しかったですね。
価値観や人生観の劇的な変化はないのですが、バックパッカーとしての旅はすべての判断が自分に委ねられるため、物事を自立して考えられるようになったと思います。あとは、英語力を身につけられたり、文化の違いを身をもって実感できたりしたのは良かったですね。レストランやコンビニの扉付近で人とすれ違うときの振る舞い方など、ちょっとした仕草も国や社会によって全然違います。日常生活の中に染み込んでいる習慣的な文化を目の当たりにできたのは、日本で感じていた「当たり前」が当たり前ではなかったと気づくきっかけになってとても面白かったです。
日本に帰国後は、どのように過ごしていたのでしょうか。
まずは独学でアプリ開発を学び、バックパッカーをする中で感じていた「過去の旅の写真を探しづらい」という課題を解消できるようなアプリをつくりました。今でこそ写真に位置情報データがつくのは当たり前ですが、僕が旅をしていた当時はそのような機能はついていなくて。旅先で出会った人に「こんな土地に行ってきたんだ」と写真を見せたくても、写真フォルダを一生懸命スクロールして該当の写真を探し出すしかなく、非常に面倒くさかったんですよ。旅のポートフォリオをつくれるようなアプリがあれば便利だなと思って、帰国後は一人で黙々と開発を進めていましたね。
このアプリをきっかけに、エンジニアのファーストキャリアとなった株式会社フォトラクションに入社しました。フォトラクションには1年10ヶ月ほど所属していましたが、代表の中島さんとは起業家の先輩として今も仲良くさせていただいています。
フォトラクションを退職してからは、どのようなキャリアを歩んだのですか?
ちょうどAIやブロックチェーンが流行っていた時期だったため、AIの技術に携わるべく株式会社ディー・エヌ・エーに入社しました。ディー・エヌ・エーではAIエンジニアとして、自動運転のプロジェクトに参加して。2年弱勤めた後、海外経験を生かしたステップアップを目的として、2回目の転職活動を始めました。
GoogleとFacebookを受けたほかに、株式会社メルカリの採用選考も受けていました。結局、メルカリから最も早く内定をいただいたため、まだFacebookなどの選考は残っていたものの、このご縁を大切にしようとリーダーポジションで入社しました。メルカリでは、エンジェル投資家として弊社に出資をしてくださったメルカリ共同創業者の富島さんと親交が深まったり、企業ブランディングを行う上で参考になる考え方を学んだりと、今につながる貴重な時間を過ごすことができました。メルカリは、今でも好きな会社です。
「HireRoo」の事業アイデアは2回目の転職活動時に発見されたものだと思いますが、具体化に向けて動き出したのはいつからですか?
メルカリ在籍中に、同じオフィスで働いていた共同創業者の谷合と伊藤とともに、サービスづくりを開始しました。僕が24歳の時のことです。さまざまな条件が整った2020年12月に、ようやく株式会社ハイヤールーとして起業しました。
目指す組織像は、結果重視のプロアスリート集団
貴社で活躍されている方の特徴はありますか?
頭の回転が速く、前のめりにイニシアチブをとれる人が活躍していると思いますね。僕は前々職のディー・エヌ・エーを創業した南場 智子さんの影響も受けているのですが、僕らのフェーズのスタートアップは、南場さんのように失敗してもいいからどんどん前のめりで挑戦する姿勢を持つことが大切だと考えているんです。だから、会社のバリューにも「Fail Fast – 失敗を恐れるな」という項目を入れて、失敗を称賛するカルチャーをつくっています。
前のめりに大きな挑戦を続けられる人、たとえ失敗してもそこから学んで次の挑戦につなげられる人に、ぜひ弊社に来ていただきたいです。
社風についても教えてください。
僕らは「家族」ではなく、「プロアスリート集団」のような組織です。無条件の愛でつながる家族のような組織をつくると、あまり活躍していない人でも役職や給与が与えられ続けてしまうような、従来型の日本組織の良くない部分が出てしまうと思っていて。弊社ではプロ野球選手のように、その人が出した結果で評価や報酬を獲得でき、同じ目標に向かって熱意を持って進んでいけるような組織づくりを心がけています。
仲が良いから一緒に仕事をするのではなく、一緒に仕事をして成果を出して、その延長線上に友情があるような関係性が僕らの理想です。このカルチャーは前職のメルカリを参考にしている部分もありますね。
欧米的な組織のつくり方のようにも感じます。
限られた予算の中で経営する必要があるスタートアップだからこそ、このような組織運営をしないと厳しいと考えています。資本力も人的資源も、大企業には勝てない。唯一勝てるのは、事業にかけるメンバーの熱量だと思います。今でこそ大きな企業になったGoogleですが、彼らもその昔は小さなスタートアップでした。大企業に勝ってあそこまで大きくなれた理由の一つは、やはり社員一人一人が非常にモチベートされた状態で、一人が十人力の仕事をしていたからだと思います。そういった組織のつくり方をしたいですね。
その意味では、弊社として三つ掲げたバリューのうち「Pull Together – 共に勝つ」も大切な価値観かもしれません。この言葉はボートを進める時にみんなで一緒にオールを引くところからきた言葉です。複数人でボートに乗る場合、息をあわせて一緒に漕いでいかなければ速く進めません。僕らもボート競技のように、仲間を信頼して共に働き、成功する組織になれればと考えています。
目指す組織をつくるために、日頃から実践している取り組みは何かありますか?
創業1年目から、毎週金曜日にAll Hands Meetingを実施しています。全社会議のようなもので、弊社では全メンバーに当事者意識を持ってもらえるよう、自分の目標とそれに対する進捗などを報告しています。
あとは、ミッションやバリューを浸透させるべく、あらゆる場面で事あるごとに言い続けるようにしています。メルカリは社外の人でもバリューを言えてしまうくらいカルチャーづくりを徹底していて、ミッション&バリューが社員の意識にしっかりと根付いている。時には「優しい宗教」と表現されることもあります。まだ実績のほとんどない企業が、メンバーと壮大な目標を実現させていくためには、共通の信念が必要だと思います。その意味でも、ミッションやビジョン、バリューが大切。僕も最近、改めてミッションとバリューを策定して、カルチャーデックと呼ぶ社員の行動指針などをまとめたドキュメントを作成しました。カルチャーを経営層から各メンバーに浸透させるということは、意識して行っているかもしれません。
グローバル市場で勝つ。日本のスタートアップの可能性を世界に示したい
2022年5月には、創業2年にしてプレシリーズAで2億円の資金調達を完了しています。資金調達の面で苦労したことはありますか?
大きな苦労はないのですが、資金調達を終えるまでに想定以上に時間がかかりました。シード期の資金調達がスムーズ過ぎて、プレシリーズAでも1~2ヶ月程度で調達を完了できると思っていたんですね。でも、蓋を開けてみれば、着金まで5ヶ月ほどの時間がかかってしまいました。
シード期の資金調達は、さらに早く完了できていたのですね。
そもそも、僕らはシード期で資金調達をするつもりがありませんでした。起業時に資本金を900万円入れて、役員報酬も金額を抑えて、サーバー代などを含めても1年間は資金調達せずとも生き残れると計算していました。その1年間でしっかりとサービスをつくりこんで、サービスを世の中に出すタイミングで、投資家を入れようと考えていました。
でも、僕のメルカリ退職と起業を知らせるFacebookの投稿をきっかけに、フォトラクション時代につながっていたプライマルキャピタルの佐々木さんから連絡があって。オフィスに伺って話をする中で、その場で3,000万円の投資のオファーをいただけたんです。そのタイミングでの資金調達は本当に考えていなかったので、いったん持ち帰って検討しましたが、最終的にはオファーを受けて資金調達することに決めました。最初の資金調達はある意味、流れに乗って完了できた側面があるんです。
なるほど。投資家を選ぶ際、重視していたポイントはあるのでしょうか?
僕らは「グローバル市場に行き、絶対に勝つ」と決めています。無謀にも思えるその挑戦を、後押ししてくれる投資家にお世話になりたいと考えていましたね。今回のラウンドで新たに参画いただいたデライト・ベンチャーズとCoral Capitalは、グローバル市場への展開は必須だと考えているようなVCですし、既存投資家の方々も含めて「場外ホームランを叩きだすか、三振に終わるか」くらいの大きく振り切った挑戦を認めてくれる空気があります。中途半端な成功ではなく、圧倒的な成功を目指して応援してくれる投資家と出会うことができたと思います。
今後の展望についても、教えていただけますか?
まずは国内でコーディング試験といえば「HireRoo」だと想起していただけるような存在になりたいと思っています。そして、いずれはグローバル市場で勝ちたい。数年後に資金調達をした段階で欧米に本気で挑戦し、日本でつくったもののすばらしさを世界に証明しながら、日本出身のグローバル企業になっていけたらと考えています。
日本は今、例えるなら沈没船です。やはりグローバルに出ていくようなスタートアップが出てこないと、この国を大きく変えるのは難しいと思っています。日本は島国ゆえに「海外進出=ハードルが高い」と思い込みやすいのですが、実際に海外を見てみると、日本とそこまで変わらない要素も多いんですよ。日本の名門・東京大学の出身者と、アメリカの名門大学の学生や卒業生を比べても、その優秀さには大差ありません。日本のテック企業もグローバルで十分に活躍できると思うんです。
大谷 翔平選手もメジャーリーグに挑戦した際、投手と打者の二刀流は無謀だと言われていましたが、今では前人未到の成績を残していますよね。大谷選手のように、僕らも日本のスタートアップとして大きな挑戦を成功させていきたいです。
プレシード期からシード期のスタートアップへ、応援メッセージをいただけますか?
僕たちもまだまだ成功したとは思っていないので、なかなか難しい質問ですね……。でも、やはり「いいものをつくっていれば、絶対に売れる」ということに尽きるのではないでしょうか。いいものをつくれば、投資家もお客さんもついてくる。目先の資金調達に捉われすぎずに、いいサービスやいい組織づくりに注力することが大切だと思います。
最後に、読者に一言お願いいたします!
起業したい人、スタートアップで仕事をしたい人は、ぜひ挑戦していただきたいです。スタートアップは人手が足りないからこそ、ゼネラリストとしてさまざまな仕事を経験できます。自分自身の守備範囲を広げて、得意な領域を見つけることにもつながると思うので、特に若い方のキャリアとしてはおすすめだと思います。
また、起業を考えている方は、迷うくらいなら絶対に起業したほうがいいです。めちゃくちゃ楽しいですし、僕自身が人間としても成長できた実感があります。例えば、チーム全体を鼓舞してメンバーに成功体験を持ってもらえるよう、コミュニケーションの取り方も引き出しが増えました。やりたいことや目指すビジョンがあるのなら、ぜひ起業という選択に踏み出してほしいなと思います。
注目記事
AIキャラクターが暮らす「第二の世界」は実現できるか。EuphoPia創業者・丹野海氏が目指す未来 Supported by HAKOBUNE
大義と急成長の両立。世界No.1のクライメートテックへ駆け上がるアスエネが創業4年半でシリーズCを達成し、最短で時価総額1兆円を目指す理由と成長戦略 Supported by アスエネ
日本のスタートアップ環境に本当に必要なものとは?スタートアップスタジオ協会・佐々木喜徳氏と考える
SmartHR、CFO交代の裏側を取材。スタートアップ経営層のサクセッションのポイントとは?
数々の挑戦と失敗を経てたどり着いた、腹を据えて向き合える事業ドメイン。メンテモ・若月佑樹氏の創業ストーリー
新着記事
AIキャラクターが暮らす「第二の世界」は実現できるか。EuphoPia創業者・丹野海氏が目指す未来 Supported by HAKOBUNE
防災テックスタートアップカンファレンス2024、注目の登壇者決定
大義と急成長の両立。世界No.1のクライメートテックへ駆け上がるアスエネが創業4年半でシリーズCを達成し、最短で時価総額1兆円を目指す理由と成長戦略 Supported by アスエネ
日本のスタートアップ環境に本当に必要なものとは?スタートアップスタジオ協会・佐々木喜徳氏と考える
Antler Cohort Programで急成長の5社が集結!日本初となる「Antler Japan DEMO DAY 2024」の模様をお届け