2022年11月4日から2022年11月11日に発表された資金調達ニュースのうち、JP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。
編集部コメント
堅めの調達が多かった今週。引き続き業種特化DXを目的としたSaaSが堅調。最近続いていた海洋DXのほか、ニュースに取り上げてはいないがHR SaaSの調達が多く見られた。
ARスポーツのmeleap、ファイナンシャル・インクルージョンの五常は、いよいよの大型調達。特にHADOは最近のオフライン展開に加え中国をフックとしたグローバル進出に期待が高まる。
Series A
製造業の生産管理SaaSを提供するネクスタ、プレシリーズAで約1億円を調達(2022年11月10日発表)
製造業のDX化で収益改善を行う生産管理SaaS「スマートF」を提供する株式会社ネクスタが、XTech Ventures、ニッセイ・キャピタルから新たに調達、半年前のエンジェルラウンドと合わせると、累計調達額は約1億円となる。また、「製造業DXマガジン」(冊子とWeb)の創刊をあわせて発表した。
同社は大阪に拠点を構え、「あらゆる製造業に、改善の「教科書」を。」をミッションにとし、製造業DXで収益改善支援を行ってきた。代表はキーエンスで営業成績をあげた後、家業で新規事業に取り組んできた。200件以上の製造業向けのシステム受託開発を持ち、顧客の声を「スマートF」に活かしていくという。今回の調達で、製品開発、人材採用、マーケティングを推進する。元リリースはこちら。
ラウンド不明
EdTechのlearningBOX、2.5億円を調達(2022年11月4日発表)
EdTechのlearningBOX(ラーニングボックス)株式会社が、ベネッセホールディングス、チェンジより、総額2.5億円を調達した。兵庫に拠点を構える同社は、2016年にサービス提供を開始し、学習管理システム「learningBOX」、誰でも無料で使えるクイズ・問題作成ツール「QuizGenerator」、テキストから簡単に作れる WEB 上の暗記カード「CardGenerator」の開発・運営など、低価格で使えるEdTechを展開。登録者数は17,000人、有料契約数は800社を突破(2022年7月末時点)。2022年7月には、法人設立10年を機に、learningBOX事業を主力とする経営方針をより明確化するとともに社名をlearningBOX株式会社へ変更している。元リリースはこちら。
ARスポーツ「HADO」を展開するmeleap、5.1億円を調達(2022年11月7日発表)
世界39カ国にARスポーツ「HADO(ハドー)」を展開する株式会社meleapが、中国のQC Investment、インキュベイトファンド、ホリプロ・グループ・ホールディングス、きらぼしキャピタル、Wakiプランニング、CiP I投資事業有限責任組合から5.1億円を調達。累計資金調達額は22億円となる。
同社は2014年1月に創業、「テクノスポーツで世界に夢と希望を与える」というビジョンのもと、ARスポーツ「HADO」を中心に事業を展開コロナ禍の環境を鑑み、オフラインとオンラインの両軸から事業を推進してきたが、更なる世界展開の拡大、タレントリーグのマーケティング、人材採用の強化に向け調達を強化。QC Investmentからも、同スポーツを中国で普及させたいとコメントあり。元リリースはこちら。
Series D
リテールDXのフェズ、シリーズDで18億円を調達(2022年11月10日発表)
リテールDXを推進する株式会社フェズが、電通グループ、住友商事よりシリーズDのファーストラウンドで18億円を調達。また、あわせて電通プロモーションプラス、住友商事株式会社との業務提携契約について発表した。
同社は2015年12月設立。「情報と商品と売場を科学し、リテール産業の新たな常識をつくる。」をビジョンに掲げ、購買データや店頭データ、バイヤー施策データ、販促データなどを管理・分析するリテールデータプラットフォーム「Urumo(ウルモ)」を開発、提供。複数の大手リテール事業者ならびにインテージ、i-Store DB®︎、unerryとのパートナーシップにより、約1億ID分のID-POSデータ、商品情報データベース、全国約1,200チェーン・約100,000店の店舗情報データベース、リアル行動データと連携する。今回の調達により、採用、プロダクト開発の強化を推進する予定。元リリースはこちら。
Series E
民間版の世界銀行を目指す五常・アンド・カンパニー、シリーズEで70億円を調達(2022年11月9日発表)
五常・アンド・カンパニー株式会社が、既存株主であるGMO VenturePartners、TGVest Capital Inc.及びSOMPOホールディングスCVCからの追加出資に加え、ACA Investments Pte. Ltd.、SMBC日興証券、QRインベストメントなど計21社にのぼる国内外の機関投資家、個人投資家から、合計70億円をE種、E2種及びE3種優先株で調達した。
同社は2014年7月に創業し、金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)を掲げ、5カ国9社のグループ会社を通じ、途上国において中小零細事業向け小口金融サービス(マイクロファイナンス)を展開。2022年9月末までにグループ全体の融資顧客数は139万人、同運用資産残高は1,000億円超となり、2030年までに50カ国1億人にサービスを届けることを目指している。
前回2020年12月のシリーズD完了後、インドのSATYA MicroCapitalへの追加出資及び既存株主からの買取を通じて、同社の持分を66.66%に引き上げている。また、2021年9月にタジキスタンのマイクロファイナンス機関 “HUMO”を連結子会社化して中央アジアに進出。2022年3月には、インドでデジタル金融サービスのプラットフォームのMyShubhLifeを展開するDatasigns Technologyへの出資を行うなど市況に負けず意欲的な活動が見られる。引き続きラウンドEの最終クローズを目指すという。元リリースはこちら。
注目記事
新着記事
防災テックスタートアップカンファレンス2024、注目の登壇者決定
大義と急成長の両立。世界No.1のクライメートテックへ駆け上がるアスエネが創業4年半でシリーズCを達成し、最短で時価総額1兆円を目指す理由と成長戦略 Supported by アスエネ
日本のスタートアップ環境に本当に必要なものとは?スタートアップスタジオ協会・佐々木喜徳氏と考える
Antler Cohort Programで急成長の5社が集結!日本初となる「Antler Japan DEMO DAY 2024」の模様をお届け
世界を目指す学生が集結!Takeoff Tokyo 2024 VOLUNTEER TRAINING DAYの模様をお届け