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起業家にとってメリットしかない起業家・投資家経営合宿「インキュベイトキャンプ」の魅力を紹介

国内最大規模のシード投資実績を持つ老舗VC、インキュベイトファンド。支援対象者や支援内容、2022年10月中旬に開催される「Incubate Camp 15th」についてなど、創業前の方からシリーズAのスタートアップまで、必見の取り組みを伺った。

プロフィール

南出 昌弥(みなみで・まさや)氏
慶應義塾大学を卒業後、野村證券株式会社に入社。投資銀行部門にて、不動産/REITセクターのコーポレートファイナンス業務に従事した後、資本市場部や公開引受部にて資金調達業務やIPOアドバイザリーの支援を担当。ゼロイチの創業段階からIPOまで長いスパンでハンズオン支援しながら伴走できる点やパートナー陣に魅力を感じ、2020年にインキュベイトファンドに参画。

インキュベイトファンド(Incubate Fund)の支援内容と支援対象者とは

「インキュベイトキャンプ」のお話を伺う前に「インキュベイトファンド」はどのような起業家に対してどのような支援をしている会社なのですか?

インキュベイトファンドは、事業アイデアが固まりきっていない創業前の起業家予備軍の方からシードステージまでの起業家・スタートアップに対しての出資と、出資以外にも成長に必要な支援を行っているベンチャーキャピタル(以下VC)です。これまでに約850億円のファンドを組成し、400社以上に投資をしており、国内最大規模のシード投資実績を保有するVCであると自負しています。また、初回投資はシード期までのスタートアップに対して行いますが、支援先の成長ステージに合わせて追加出資をさせていただきます。2021年には「グロースファンド」という既存出資先に限定した追加投資専用ファンドも組成したことで、IPO直前までフォローオン可能な体制でファイナンス支援をしています。

投資以外の業務では具体的にどのようなことをされていますか?

投資先の経営会議に参加して、事業成長に関する壁打ちであったり、資金調達に関するお手伝いやチームビルディングであったり、幅広く支援させていただくことで伴走しております。具体的には、シリーズAに向けた資金調達のためのエクイティストーリーの構築からピッチ資料や事業計画の作成なども行っております。また必要に応じて、専門家やキーマンの方々とお引き合わせや、PR支援としてマスメディアの記者さんをお繋ぎしたり、開発支援の面で連携している株式会社レクター(CTO経験者が多数在籍する会社)とお繋ぎしたりなどですね。

また、事業を成長させるためには、創業者とともに目標に向かって走ってくれるCXOや事業責任者が必要ですが、初期の段階ですと一般のエージェントを通じて探すという手段がはまらないことも多いです。こうした場合には、弊社のHRチームもいるため、連携を取りながら、創業者の方の要望に応じて私たちで支援しています。そのほかにも、法務やマーケティング支援などに強い外部パートナーと組んで、スタートアップにとって包括的且つ有益な支援パッケージも用意しています。

 具体的にどのような起業家を支援しているのですか?

新産業を創出し、ゲームチェンジャーとなるべく事業を行う起業家に出資させていただいております。会社が掲げる投資領域として、下記の資料にテーマをまとめていますが、ご覧の通り投資対象や領域の幅は広く、特定の領域を定めるのではなく、社会に対して大きなインパクトが生み出せる事業を一緒に議論し、共に創り上げていくことが多いですね。

インキュベイトファンド提供資料より

起業家はどのような経緯でインキュベイトファンドの支援を受けるに至るのでしょうか?

経緯は本当にさまざまですね。資金調達&事業相談会「Circuit Meeting(サーキットミーティング)」や1泊2日の起業家/投資家合同経営合宿「Incubate Camp(インキュベイトキャンプ)」などのコミュニティ型プログラムへの参加応募を機に接点を持つこともありますし、公式SNSやキャピタリスト・アソシエイト個人のSNS、公式サイト経由でコンタクトをいただくこともあります。また、すでに出資している起業家さんなどからのご紹介も多いです。実際、起業家は起業家と繋がって情報交換をされているので、つながりをたどってきていただくことは多いです。あとは、12年続くVCなので関係先が多いこともあり、他社VCなどからのご紹介で知り合ったという方もいらっしゃいます。

インキュベイトキャンプ(Incubate Camp)とは⸻

「インキュベイトキャンプ」は今回で15回目とのことですが、改めて「インキュベイトキャンプ」について教えてください。

アクティブかつ決定権のある投資家16名と、本気で資金調達を目指す選抜起業家16名が参加し、1泊2日の合宿形式で実施するプログラムです。具体的には、起業家と投資家がペアを組み、事業プランや、資金調達用のピッチ資料のブラッシュアップを行います。1泊2日ではありますが、毎年非常に濃いプログラムで「起業家/投資家合同経営合宿」と呼んでいます。投資決定権を持つ投資家のみが参加しますので数千万から数十億円単位の資金提供の可能性があります。実際に、昨年開催した「インキュベイトキャンプ 14th」では、13億円以上のファイナンスが成立しています。今年は10月14日(金)から15日(土)にかけて2日間開催します。

【参考リンク】
Incubate Camp 15th

どのような起業家の方がエントリーされ、審査を通過されるのでしょうか?

創業前の起業家予備軍(会社員などをしながら起業準備している方々)からシリーズAくらいまでのスタートアップがエントリーされます。属性的には20代30代の男性が多いですが、女性も増えています。また、起業前でプロダクトがない状態でも、ポテンシャルがある場合には審査通過の可能性は上がります。構想している事業に対してケーパビリティ(能力や経験を含めて実現可能性)がある点やCEOもしくはチームとしての評価など、総合的な観点で審査を実施しています。

過去に参加されたスタートアップの中でEXITした企業や業績を伸ばしている企業があれば教えてください。

credit: インキュベイトファンド

当プログラム参加を経て資金調達をし、急成長を遂げたスタートアップは多数あります。これまで14回開催し、累計250社以上に参加いただいています。第1回には当時シード期だったラクスル創業者の松本さんに参加いただき、第2回では創業4年での上場を果たしたGame Withの今泉さんが学生時代にプロダクトだけがある状態で参加されています。直近ですと、昨年開催した第14回の総合優勝を飾ったCrezitの矢部さんが2022年2月に総額6.5億円の資金調達をしていますね。

インキュベイトキャンプの2日間の流れをざっくりと教えてください。

【1日目】
朝9時30分ごろに集合して、午前中に起業家16名全員が 5分ピッチをします。
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ピッチ終了後、16名の投資家全員と14分間の1on1を実施します。
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夕方に「ドラフト会議」を開催します。
投資家がどの起業家と1対1のペアを組みたいか、票を投じて意思表明をします。
起業家によってはオファーが複数来ることもあるのですが、その場合は起業家が投資家を選ぶことができます。
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16組のペアが誕生します!
2日目の決勝ピッチに向けた準備を各ペアで行います。
夕食を食べながら早速作戦会議をスタートするペアも多いです。
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運営側では、24時に作業場所をクローズします(「休戦協定」と呼んでいます)。

【2日目】
午前中は自由時間です。朝食を取った後、各ペアで午後のピッチに向けて準備を進めます。
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午後に決勝ピッチを開催します。
1日目と同じで起業家が5分ピッチを行いますが、異なる点もあります。
どのペアも事業内容とピッチが圧倒的にブラッシュアップされていること。そして、起業家のピッチ前に、ペアになった投資家が審査員や他の投資家に向けて、キャピタリスト目線で注目すべき「推しポイント」を1分ピッチすることです。起業家はペアの投資家からのエールを受けて決勝の舞台に登壇することになります。
 ↓
結果発表の後、懇親会を行い、解散となります。

インキュベイトキャンプに応募することで得られるもの

1日で16名の投資権限のあるキャピタリストのメンタリングを受けられて、さらにその中から1名を専属の壁打ち相手としてピッチの準備ができる機会は、他のイベントにはないインキュベイトキャンプならではの魅力だと思います。

どうやって応募したらよいのでしょうか?

専用の応募フォームがありますので、そちらからご応募いただきます。経歴の入力と、ピッチ資料のアップロードのみで、5分ほどで応募は完了します。すでに2022年4月1日よりエントリーを開始していますので、ぜひ下記の応募フォームよりご応募ください。

 応募した後の審査はどのように行われるのでしょうか?

応募フォームの登録内容と、インタビューの2段階で審査をさせていただきます。2022年8月下旬ごろから、入力いただいた内容とピッチ資料をもとに書類審査を行い、審査に通過した方をオンラインインタビューにお呼びして最終選考を行います。

過去「インキュベイトキャンプ」の審査を通過したスタートアップに共通点があれば教えてください。

ピッチ資料上で事業についてわかりやすく説明できている点は、共通点として挙げられると思います。また、抽象的になってしまいますが、挑戦しようとされているテーマが大きかったり、周囲を巻き込んで事業をつくっていく姿が想像できるような、お人柄が魅力的な方は多いですね。

応募時点からアイデアが変わってしまうことも起こりそうですが、その場合どうしたらよいのでしょうか?

むしろ、エントリー期間内であれば何度でも応募・ピッチ資料の提出ができますので、何回でも再エントリーしてください。審査とは別に、希望される方全員に対して事業の壁打ちのためのメンタリングを行います。メンタリングの結果、事業アイデアをピボットして再度エントリーをされるという方もいますし、その再応募の際にも希望があればまたメンタリングをさせていただきます。ぜひメンタリングを活用し、リーンに事業や資料をブラッシュアップして、これだという内容にて最終応募をしてもらえたらと思います!

 他のシード向けプログラムでは落選した方へのフィードバックはないことが多いですが、インキュベイトキャンプでは希望すれば誰でもメンタリングの機会がある点が素晴らしいですね!10月のキャンプの開催よりも早く資金調達の機会が欲しい場合、何かサポートはあるのでしょうか。

そういった起業家の方からのご要望にもお答えできるよう、早期資金調達の機会も用意していますので、VCと接点を持つ一つの機会として、ぜひインキュベイトキャンプに応募いただければと思います。具体的には、応募いただいた方を、弊社で毎月開催している「Circuit Meeting(サーキットミーティング)」という資金調達&事業相談会に推薦したり、連携VC/アクセラレータへお繋ぎしたりといった可能性があります。

インキュベイトキャンプ参加者の声と、参加後の継続支援などがあれば教えてください。

インキュベイトキャンプに参加したことで、自社と相性のいい投資家や起業家仲間とのコネクションができたことが価値とおっしゃる方は多いです。ドラゴンボールに出てくる「精神と時の部屋」に例えられる2日間を共に過ごした仲間同士のアルムナイが形成されたり、SlackやSNSでその後の資金調達の報告をしあうなど、縁が続いているのが垣間見えるのは私たちも嬉しいです。また、インキュベイトキャンプで知り合った投資家に個別に相談したり、紹介を受けたりと、徐々にコミュニティとなってきています。今後もインキュベイトファンドとしては、コミュニティ機能も強化していきたいと思っています。

南出さんは今回のインキュベイトキャンプの総責任者を務められるということですが、起業家を支援する際に、ご自身が大切にしていることがあれば教えてください。

当たり前と思われるかもしれませんが、スタートアップの伴走支援はコミットし続けることに尽きます。伴走すると決めた相手が、欲しいものを欲しい時に渡すこと、具体的には資金調達資料の壁打ちやPL資料の作成支援などが多いですが、プレスリリースのリツイートや必要な人材の定義まで行います。相手の欲しいものをコミュニケーションの中で汲み取りながら、VCだからこそできることを起業家に価値として提供し続けることを大切にしています。

多岐にわたるスタートアップ支援をインキュベイトファンドの複数部署の方々が連携して行っていると思いますが、支援をする際の共通認識などはありますか?

私たちは起業家と一緒に事業を作る覚悟で支援をしていますが、あくまでも主役はスタートアップであると考えて黒子に徹しています。インキュベイトファンドならではの支援がさまざまありますが、何らかの支援をしても私たちの会社の名前が出ることはほとんどありません。ですが、起業家と同じ目線で事業の成長を願い、また「出資先からお金をいただくべきではない」という観点から上記の支援を無償で行っています。

スタートアップもそうですが、VCもまだまだ黎明期なので実は生き残るのが難しい世界です。VCとしてスタートアップに価値提供をし続けて、結果を出してもらうことが次のファンドレイズにつながり、また新たにスタートアップに価値が提供できる。この良いスパイラルを回すためにも、出資先ととことん向き合う覚悟を持って各々が仕事をしています。

最後に、シード・アーリー期のスタートアップへのメッセージをお願いします!

資金調達を希望するシード・アーリーステージのスタートアップからのコンタクトをお待ちしています!サービスリリース前、法人設立前でも歓迎です。コンタクトの方法としては、インキュベイトキャンプへのエントリーをお勧めしています。日本を代表するVCの意思決定レイヤーのキャピタリスト16名と、一泊二日で密接にコミュニケーションする場所を提供できるのは、インキュベイトキャンプにしかない魅力だと考えております。また、ファイナンス機会の提供に留まらず、事業のご相談や調達前の壁打ちなどをカジュアルに実施しています。「今の自分には早いかも」と決めつけずにぜひ本プログラムをご活用いただけますと幸いです。


エントリーに要する時間はたったの5分です。もし迷っている時間があるなら申し込んでみてはいかがでしょうか!

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