2022年9月5日から2022年9月9日に発表された資金調達ニュースのうち、JP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。
編集部コメント
ERP, BI SaaSを中心に今週も多くの調達ニュースが見られた。このピックアップには入ってはいないが、ラクスルグループの「ジョーシス」による44億円調達に注目した人も多かったのではないだろうか。スタートアップの上場、調達戦略そのものにも今後注視していきたい。
Seed
テイラー株式会社がシードラウンドで5.7億円の資金調達を実施(2022年9月6日発表)
個社ごとにテイラーメイドされた業務ソフトウェアを10倍速で開発できる「Tailor Platform(テイラープラットフォーム)」を大企業向けに提供しているテイラー株式会社は、グローバル・ブレイン株式会社、Y Combinator LLCからシードラウンドとして約5.7億円を調達した。
同社は、サービスの開発強化、及び採用に充てるという。元リリースはこちら。
Series A
株式会社YoiiがプレシリーズAで4.8億円を調達(2022年9月7日発表)
レベニュー・ベースド・ファイナンスプラットフォーム「Yoii Fuel(ヨイフューエル)」を運営する株式会社Yoii(ヨイ)は、One Capitalをリードとし、インクルージョン・ジャパン、東京大学協創プラットフォーム開発、三菱UFJ信託銀行、農林中金イノベーション投資事業有限責任組合、Plug and Play Japan(順不同)を引受先として、プレシリーズAで約4.8億円、累計調達金額は約6億円を調達。
希薄化の生じるエクイティ、創業者負担の大きいデッド、それらに代わるRBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)を活用することで、SaaSやD2Cをはじめとするサブスクリプション企業が将来債権を譲渡して、成長資金を確保できることを目指す。Allied Market Researchの調査によると、世界のRBF市場規模は2019年に$901M(約901億円、1ドル=100円換算)に達し、27年には$42.3B(約4.2兆円)まで拡大すると予想されているという。
元リリースはこちら。
株式会社スマートラウンドが1倍非参加型の優先株式でシリーズAを調達(2022年9月6日発表)
スタートアップと投資家間のやり取りを効率化するためのデータ作成・共有プラットフォーム「smartround」を運営する株式会社スマートラウンドが、1倍非参加型の優先株式でシリーズAを調達した。
優先株式とは、会社法で定められている種類株式の一種で、その保有者である優先株主は普通株主に優先して特定の利益を享受することができるように設計された株式。このうち、スタートアップ投資の実務では、スタートアップがM&Aなどで売却された時に、その売却益を優先株主に対して先に分配する「残余財産優先分配権」が定められた優先株式を活用するのが一般的だが、この残余財産優先分配権には、参加型と非参加型の2つの種類が存在。今回採用した非参加型では、優先株主に投資額を分配した後、まだ分配できる売却益が残っている場合でも、優先株主には分配せずに普通株主だけで分け合う。
元リリースはこちら。
株式会社スマートラウンド 代表取締役社長 砂川 大氏 コメント
スマートラウンドは「スタートアップの可能性を最大限に発揮できる世界をつくる」というミッションを実現するため、今後とも自らが試金石となってエコシステムの進化に貢献したいと考えております。
Series B
株式会社Magic MomentがシリーズB実施、累計調達額は20億円に(2022年9月7日発表)
営業AI行動システム「Magic Moment Playbook」等を提供する株式会社Magic Moment は、DNX Ventures をリードインベスターとし、DCMベンチャーズ、新たに三井物産を引受先としてシリーズBを実施。2017年3月の創業以来、金融機関からの融資を含む累計調達額は20億円となる。
同サービスでは、顧客ごとの状況にもとづき、営業担当者に今すべきことや次にとるべき最適なアクションを自動提案。また、顧客との信頼関係構築において、重要だが煩雑である業務を自動代行することで、営業活動の生産性向上を支援し、LTVの最大化を目指す。今回の調達により、営業体制強化を行うほか、新たに自然言語解析や機械学習領域への投資を開始し、同時に既存領域に関しても体制を強化し、開発速度を高めていくという。
元リリースはこちら。
【関連記事】
営業効率が上がれば売上は劇的に変わる、Magic Momentを生み出す営業DXSaaS創業者が信じる”TRUE”
どんなにいいサービスがつくれても、顧客に響かなければ購買にはつながらない。そのサービスの伝道師として魅力を伝えていく立場…
リージョナルフィッシュ株式会社がシリーズBで約20.4億円を調達(2022年9月5日)
ゲノム編集技術をはじめとした品種改良技術とスマート養殖技術を活用したスタートアップであるリージョナルフィッシュ株式会社は、Beyond Next Ventures、荏原製作所、NTTファイナンス、三菱UFJキャピタル、京信ソーシャルキャピタル、中信ベンチャーキャピタル、奥村組、岩谷産業、ウシオ電機、FOOD & LIFE COMPANIES、SBプレイヤーズ、丸井グループ、CBC、KANSOテクノス、MOL PLUS、SMBCベンチャーキャピタル、京大創業者応援ファンドを引受先とし、総額20.4億円を調達、累計資金調達額は約26.4億円となった。
今回調達した資金により、国内最大級の養殖プラント新設による水産物の量産体制整備のほか、海外進出、品種改良やスマート養殖の研究開発に充て、水産物の生産体制強化とさらなる研究開発の加速を目指すという。
元リリースはこちら。
注目記事
AIキャラクターが暮らす「第二の世界」は実現できるか。EuphoPia創業者・丹野海氏が目指す未来 Supported by HAKOBUNE
大義と急成長の両立。世界No.1のクライメートテックへ駆け上がるアスエネが創業4年半でシリーズCを達成し、最短で時価総額1兆円を目指す理由と成長戦略 Supported by アスエネ
日本のスタートアップ環境に本当に必要なものとは?スタートアップスタジオ協会・佐々木喜徳氏と考える
SmartHR、CFO交代の裏側を取材。スタートアップ経営層のサクセッションのポイントとは?
数々の挑戦と失敗を経てたどり着いた、腹を据えて向き合える事業ドメイン。メンテモ・若月佑樹氏の創業ストーリー
新着記事
AIキャラクターが暮らす「第二の世界」は実現できるか。EuphoPia創業者・丹野海氏が目指す未来 Supported by HAKOBUNE
防災テックスタートアップカンファレンス2024、注目の登壇者決定
大義と急成長の両立。世界No.1のクライメートテックへ駆け上がるアスエネが創業4年半でシリーズCを達成し、最短で時価総額1兆円を目指す理由と成長戦略 Supported by アスエネ
日本のスタートアップ環境に本当に必要なものとは?スタートアップスタジオ協会・佐々木喜徳氏と考える
Antler Cohort Programで急成長の5社が集結!日本初となる「Antler Japan DEMO DAY 2024」の模様をお届け