新型コロナウイルスの蔓延防止に向け日々接種が進むワクチン。その予防接種によって症状が軽減された人は少なくないだろう。では、ワクチンとはどうやってつくられているのだろうか。それは膨大な治験と臨床研究の努力の結晶だ。ただし、その過程において、治験を依頼する製薬会社と依頼を受ける医療機関の間で、なんと年間10億枚に及ぶ量の紙がやり取りされるという。
そのDXに挑むのが、治験・臨床研究のペーパーレス化と事務作業削減のための文書管理クラウド「Agatha(アガサ)」だ。これまで200件以上、国内外の医療機関や製薬企業で利用されてきている。業界の専門知識や人脈を必要とするサービスだが、アガサはどうやってここまでサービスを成長、普及させてきたのだろうか。代表取締役社長である鎌倉 千恵美(かまくら・ちえみ)氏にお話を伺った。
自分にしかできないと確信し決意したアガサの立ち上げ
これまでのキャリアと、起業のきっかけを教えてください。
愛知県で生まれ育ちました。愛知は、保守的な価値観がまだ残る土地柄。私が学生の頃は、女性が仕事を通して自己実現するということ自体の認知がまだ進んでいなかった時代でした。そんな中で、私個人としては早く社会に出て仕事をしたいと考えていました。どうしたら伸び伸びと自分のスキルを発揮できるのだろうと模索した結果、国家公務員であれば男女の別なく活躍しやすく、グローバルを含めてチャンスが広く用意されているのではと思い、新卒で総務省に入省しています。自身が活躍することで、自立して働きたい女性たちのロールモデルにもなれたらとも思っていました。
実際に、鎌倉さんのキャリアに憧れる女性も多いのではないでしょうか。総務省ではどのようなお仕事をなさっていたのでしょうか?
グローバルに働ける仕事を希望し、総合通信基盤局に配属されました。ここでの業務は、衛星通信で使っている周波数を調整し、国境を超えた通信が混線しないよう管理するというものでした。入省1年目から海外出張があり、電波調査団の取りまとめなどもさせていただきました。総務省に3年ほど在籍しましたが、仕事を通して社会の仕組みを知ることができてとても良い勉強になりました。
その後、2001年に日立製作所へご転職されていますが、きっかけはどういったことだったのでしょうか。
公務員の仕事は広く深く社会に根差すもので非常に重要なものではあるのですが、それぞれの部署の管掌範囲はしっかり決められており、何か新しいことをしようにも、問題が起こるまでは動けず。しかもどの部署がどういう仕事をするかもトップダウンで落ちてくるという構造でした。もっと能動的な動きをしたいと感じてはいたのですが、公務員のままそのような動きをしようにも、施策を打つには自分にある程度役職が必要。しかも昇進に時間のかかる組織ですし、あと何十年かかるのだろうと思いました。このままいると、若い時にできることの選択肢が狭まっていってしまう。そういった危機感から民間企業へのキャリアチェンジを決意しました。昇進の速さを期待してスタートアップへの転職も考えましたが、大手企業からスタートアップへの転職はできても、その逆はよりハードルが上がるだろうと考え、まずは大手企業に行くことにしました。
日立製作所ではどのようなお仕事を担当されたのでしょうか。
入社直後は前職の経験から電波関係のプロジェクトに携わりました。日立製作所にも新規事業開発の部署があり、私もその担当だったのですが、日立の考え方はシーズ・オリエンテッド。誰かの課題を元にそれを解決する方法を探すのではなく、こんな技術があるが、それをどうにか活用できないかという発想なんですね。例えば、水道管の管理運用技術を石油のパイプラインに応用できないかという案が出てきて、商社と組んでマレーシアに持ち込んだことがあったのですが、数年やってみたものの、水道と石油は性質が全く違うので実現に至りませんでした。どう考えても最初からうまくいきそうにない案件がいくつか続き、なんとか現状を打破したいと、当時の役員に留学したいと直談判したんです。海外でアントレプレナーシップを学んだ私はきっと日立の役に立つから、と。そうしたら許可をもらえて、MBAに進めることになりました。
MBAではテキサス州ヒューストンに行かれてますが、理由はあったのでしょうか。
語学学習も込みで考えていたので、せっかくなので日本人が少ないところに行こうと、南部のアイビーリーグともいわれるライス大学に留学しました。とはいえ、行ってみると本当に日本人が少なく、英語も全ては聞き取れない中で、授業は本当に大変でしたが、グループワークで仲良くなったチームメイトを家に招待してお寿司パーティをするなど楽しい思い出もつくれました。
また、実はテキサス州には世界的に有名な医療機関が多く、それに付随して医療系のスタートアップも複数存在しています。私も留学中に医療系スタートアップでインターンをしており、そこでの体験は今の起業につながってもいます。医療の現場を見て、そのデジタル化に関わりたいとここで初めて思いました。帰国してみると、元々所属していた部署もなくなっていて、であれば製薬や医療に携わりたいと希望を出したら、すんなりと入れていただけたんです。
日立にお戻りになってからは医療のどのような業務に従事されたのでしょうか。
電子カルテなどの、製薬・医療機関向けの新ビジネス開発と新ソリューションの基本設計で、プロジェクトマネジメントを担当しました。その次の事業立ち上げで日立総合病院に訪問したのですが、そこで気になったのが医療現場に山積みになっている書類でした。「これはなんですか」と聞いたら「治験文書だよ」と。驚きました。だって、日立製作所はシステム開発の会社ですから、日立が運営する病院がなぜシステムを使わないのかと。話を聞いてみると、実際は日立でも医療書類のDXシステムを開発、提供しているのだが、利用するのに2億円かかるのだそう。料金が見合わないというわけです。
さらに調べると、大規模な医療機関では年間で2tトラック1台分の治験文書が発生している状況を知りました。システムを導入しないことによって発生する事務処理は膨大なものでした。また、導入ハードルには、価格以外にも言語の問題がありました。治験は国内で完結せず、グローバルに行う事例も多いため英語対応していることが望ましいのですが、日立が提供しているシステムは日本語版だけだったんですね。海外のプレイヤーと組んで英語版を日本で提供できないかと市場調査をしたところ、製薬会社向け文書管理システムを提供するNextDocs Corporationというアメリカのスタートアップに出会いました。ただ、これを日本で販売する時は、日立が間に入ると、システムの販売価格5,000万円に1億円のエンジニア人件費が計上され、1.5億円で売る形になる。もちろん日立が間に入る安心感もあり、大手製薬会社の反応はいいのですが、予算が厳しい中小クラスの企業での導入は難しく、普及ハードルを上げてしまっていると考えました。直販で構わないから安く導入したいという企業のニーズも存在するだろうと考え、NextDocsの社長に日本支社の立ち上げについて直接交渉しました。ある程度一緒にやってきて信頼いただいていたこともあり、それなら日本支社をやってみないか?という打診を受けて、2011年に日本支社を設立し代表に就任しました。
そこでのご経験を活かして2015年10月にアガサを設立されたのですね。
NextDocsの日本支社は順調で、設立から3、4年で国内シェアの20%獲得までいったのです。しかし、その頃にアメリカの本社が他の会社に買収されることが決まり、その3ヶ月後には日本支社が解散することに。元々、その買収劇の1年前あたりからモヤモヤしていたことがありました。当初2億円だったものが1.5億円になり、直接販売で5,000万円になり、安く提供できるようになってはいますが、まだまだ高額なシステムであるという課題感です。医療機器メーカーや医療機関にもニーズはあるはずなのに、価格帯がネックで大手製薬会社にしか買ってもらえない。NextDocsの社長にも安価なプランをつくったらどうかと提案はしたのですが、その提案は通らずでした。NextDocsの解散を機に、それならば私自身がそのクラウド型医療文書管理システムをつくり、製薬会社にも医療機器メーカ、医療機関にも普及させようと決意しました。
NextDocsのメンバーの中には、今でもアガサでご一緒されている方もいらっしゃいますね。
仲の良かったNextDocsのメンバーに声をかけ、4人で創業しました。現在も取締役COOをしているフランス人のGuillaume Gerardや、他にもエンジニアが2名アガサに入ってくれました。起業時にはPMFするまでにプロダクトコンセプトの試行錯誤があるのが普通ですが、前職から同様のプロダクトを一緒にやってきたメンバーだったこともあり、根幹のコンセプトやイメージが当初から共有できていました。メンバー間の阿吽の呼吸もありましたし、そもそも業界構造やクライアントニーズに対する共通理解があったため、どんなプロダクトをつくるべきかという点で迷いが無く、とても進めやすい環境をつくれました。
アガサの事業は日本国内の医療業界や製薬業界といった専門性の高いローカルな環境へ入り込んでいく必要がある一方で、プロダクトは多言語対応してグローバルに開発する必要があります。それに対して今までの自分の経験も創業メンバーも外部環境も、条件があまりに整っていましたし、他にこれができる人もそういません。神様が私にこの事業をやれと言っている、と思いました。長い間温めてきた構想でしたが、想定していたクライアントには当初から受け入れてもらえて、大きなピボットは今まで1回もしていません。
売上は一定見込めた一方、安価帯をターゲットにしたこと、そして専門性が高い分野のためキャピタリストの理解を得るハードルが高そうです。資金繰りで大変なことはあったのではと思いますが、いかがでしたか。
今だからこそ新型コロナウイルス関連で「治験」という言葉も一般的になってきましたが、当時はキャピタリストも知見がなく、また、文書管理のバーティカルSaaSは市場が小さいだろうとの見立てで、売上がついてくるまでの最初の2年は本当に苦労しました。
ようやくアガサの事業に共感してくださるキャピタリストに見つけてもらうことができ、モバイル・インターネットキャピタルからシードで1億円を調達できたのが2018年です。それまでは従業員の給料を優先し、自分の給料を1年払えなかったり、支払いに足りない分の自腹を切ったりといった状況もありましたが、すでに顧客は20社近くいました。医療機関での導入も進み、ある製薬会社からは、海外のトップベンダーのプロダクトと比較しても良い製品であるという言葉もいただいていたので、自分たちのプロダクトへの迷いはありませんでした。
シード調達ができて、売上がついてきてからの次のラウンドは、調達が難しいというよりはバリュエーションをどうコントロールするかという点に集中できました。MRRが一定額あり、チャーンレート(解約率)が低ければOK、というわかりやすい判断軸で、一体シード調達の時に投資家への説明に苦労したのはなんだったのかと思ったほどです(苦笑)。シードラウンドから出資いただいているモバイル・インターネットキャピタルのキャピタリストの方との出会いも幸運でした。実は彼の奥さんが治験に携わっている方であったこともあり、理解が得やすく、シード後のラウンドでも入っていただき、非常に心強い存在です。2021年にシリーズB調達を行い、リードインベスターのOne Capitalのほか、ダブルシャープ・パートナーズや既存株主から3.6億円を入れていただきまして、累計調達額は8.9億円となります。
専門性の高い分野での調達はなかなか難しいことが多いですよね。投資家の理解を得るためにも広報戦略は重要かと思いますが、何か対応されていることはありますか。
治験という言葉は以前よりメジャーになってきたとはいえ、まだ知らない人も多いですから、さまざまな試みをしています。学生さんにも知っていただけたらと、母校で非常勤講師をしており、情報分野でキャリア講義をすることもあります。女性起業家としては、2021年の「EY Entrepreneurial Winning Women(EWW)」を受賞しました。2022年6月には、共同執筆者として制作に携わった書籍「Trial Master File」が出版されています。多くの方に治験を知っていただいて、共感いただいた人にはぜひ参画いただきたいなと思っています。
採用に関する文脈が出ましたが、組織風土や一緒に働きたい人についてお伺いできますか。
弊社のミッションは「治験・臨床研究の効率化・省力化に貢献する」を掲げています。医療従事者の方々が薬の開発に集中できる環境をつくってあげたいと思っています。
バリューは以下の五つ。
- 正直でオープンであること
- カスタマーサクセス
- 信頼する
- 品質
- スピード
特に、正直でオープンであることは非常に大事だと思っています。我々はグローバルチームであるため、コロナ禍に関係なく創業当初からみんなリモートワーク。社内はSlackでやりとりしています。直接顔を合わせて仕事ができる環境ではなく、海外チームとは時差も言語ギャップもある中で、各自が自律的かつスピーディに仕事に取り組む必要があります。そのため、治験の分野で世界ナンバーワンを目指しているという想いへの強い共感と責任感がある方とご一緒できれば嬉しいと思っています。
Agathaは日本市場でも海外市場でも競争力が強いプロダクト
専門的なプロダクトなので読者の方にもかみ砕いて説明できたらと。サービス概要をお伺いできますか。
治験に関わる重要文章をTMF(Trial Master File)と呼びます。その中にはICH-GCPという専門のルールで規定している内容が書かれたEssential Document(必須文書)と呼ばれるものや、治験の実施やデータ品質評価文書、製薬企業各社が独自に判断したものなどが含まれます。紙のままでは膨大な量となってしまいますし、版の管理が大変なうえ、電子署名や検索もできません。内容確認や押印のためにわざわざ書類を送付したり、印刷したりというアナログなオペレーションも求められ、早く進めたいはずの治験なのに書類のやり取りに時間がかかってしまいます。それらを解決すべく、アガサでは治験・臨床研究の文書をクラウドで管理できるシステム「Agatha eTMF」を提供しています。
治験文書の電子化はどのような背景で進んできているのでしょうか。
要因は二つあります。一つ目は、治験の監査を行う際にスピーディに文書提出を行いたいという監査当局と被監査企業におけるニーズ。二つ目は、技術の進化に伴い国内外でこれを電子化するシステムのベンダーが増加し、市場が成長してきたことです。
他の業界でもそうかもしれませんが、日本では管理コストに対し導入コストの方をハードルに感じ、紙であろうと業務が遂行できているのであれば問題ないという発想のもと、DXが普及しにくい土壌がありました。一方、海外では他の領域においてもDXが進んできていること、そして治験届出の42%が国際共同案件であることから、デジタル化を進めないとプロジェクトの進行に支障が出るという現実的な課題が存在します。
国内外でプレイヤーが増加してきたことでeTMFの普及が後押しされているとのことですが、Agathaの独自性、競合優位性をどのようにお考えでしょうか。
専門性が高く、横連携が必須となるプロダクトなので、そもそもの参入障壁は高いかと思います。競合製品も国内外に存在しますが、バージョン管理のほか、電子署名、承認、保管といった一連のプロセスのカバー領域などはAgathaに優位性がある状態です。
また、2022年1月に日本医師会とシステム連携をし、国内の6割近くの医療機関や製薬会社にリーチできるようになっています。医師会は、私が日立製作所在籍時代から対話や協力もさせていただいている、10年くらいの付き合い。医師会は医師会で、紙の印刷のためにコロナ禍や休日でも出社が必要な人がいるという問題をどうにかしたいという課題意識があり、Agathaの普及は彼らの課題解決にもつながるのです。
また、1997年に米国FDA(米国食品医薬品局)が発出した電子記録・電子署名に関する規則として「21 CFR(The Code of Federal Regulation) Part11」というものがあります。一定の基準を満たすと、システム上の記録や署名に対しても紙と同様の効力を認めるというものですが、Agathaではこちらの基準も満たしています。
新型コロナウイルスの影響はありましたか。
ユーザー数が爆発的に増えました。コロナ禍において製薬会社の間でもリモートワークが進み、治験の業務推進もデジタル化の必要性が高まったことが原因です。また、感染抑止の観点からも紙の授受は削減方針となっています。ユーザー数としてはコロナ禍前は5,000名程度だったものが、2022年4月で3倍の15,000名、同年7月現在では4倍にまで拡大しました。
実はコロナ禍以前は、ペーパーワークでも特に課題を感じていないという方も一定数いらっしゃって。これまでも紙だったからそれが当たり前で、現場にヒアリングに行くと「今のままでも問題もないです」と言われることもありました。それが、コロナ禍でリモートワークや、医療機関への訪問制限が入り、ペーパーワークでは立ち行かないという課題が顕在化しました。コロナ禍が落ち着いたらペーパーワークに戻ってしまうのではと心配はしていたのですが、現場でヒアリングをしていると、せっかくシステムにも慣れてきたのでこのまま使い続けたいという声をいただいており、ほっとしています。
グローバル展開を含む、今後の展開についてはどうお考えでしょうか。
Agathaは、製薬会社と治験現場である医療機関の両方にリーチできていること、日本語・英語対応していることが特に強みです。製薬会社向けにはグローバル対応が必須となります。国をまたいでの研究開発が一般的となりましたし、英語の画面やサポートだけでなく、グローバルの法令をクリアしている必要があります。一方で、治験・臨床研究を担う日本の医療機関勤務の方は英語が堪能な方が多くありませんから、日本語のシステムを使っていることが多い。英語圏の企業のシステムですとわざわざ日本語対応してくれませんから、結果として製薬会社と医療機関で使うシステムが違うという状況が発生しやすい環境でした。Agathaは日本を含んだグローバルで使えるシステムとして、製薬会社、医療機関のどちらにもご利用いただいています。
海外でも既にサービス展開しており、北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中国など8か国に導入済で、海外売上は全体の3割程度を占めています。市場規模としても世界でみれば数兆円の市場ですし、日本単体でもそれなりのTAMが存在します。競合として可能性があるのは海外ベンダーのシステムの日本ローカライズなのでしょうけれども、製薬会社はともかく、医療機関に説明をして理解いただくには多くのコミュニケーションコストがかかります。Agathaはすでに日本医師会との連携を行うなどの優位性を持っていますが、海外ベンダーが日本のローカルな医療機関に受け入れてもらうハードルは特に高い印象です。市場規模を考えると、コストパフォーマンス的に彼らは日本市場には魅力を感じないのではと思っています。まとめると、英語版の導入は既に行っており、日本市場での参入障壁も高いため、一定の市場を獲得し成長していけると感じています。
手に職をと進んだITの道、やがてFounder Market Fitした起業につながって
学生時代はどのように過ごされましたか。
前述の通り、仕事をして自分のキャリアを持ちたいと考えていたことと、あまり裕福な家庭ではなかったので、中学生の頃から手に職をつけたいと思っていました。そこで高専の情報工学科へ。入学してみると、高専卒業での就職はなかなか厳しいと感じ、奨学金も取得して大学へ編入しました。家から通い、奨学金もある状態であれば学業はなんとかなると感じ、大学院にも行きました。
IT系を選ばれているのはお好きだったからなのでしょうか。
好きというよりはやらなくてはという気持ちの方が強かったですかね。情報工学科ができ始めた時期で、手に職をつけやすい理系の中でも、現場仕事が多い機械や電気、建築は、結婚や妊娠、出産をすると継続は難しいであろう中で、情報系は女性が仕事を続けやすいだろうとは考えていました。
勉学に励まれていた印象が強いですが、部活などはされていましたか?
ソフトボール、バスケットボール、剣道にスキーと、色々やりました。昔から体を動かすのが好きで今もマラソンが趣味です。フルマラソンは結構出ていて、本格的にやっている人がめざす目標である「サブ4」、4時間を切った記録も持っています。スポーツは気分転換ですね。
それ以外には、カレーと読書が趣味です。カレーは週末につくったものを小分け冷凍して毎朝食べています。読書は何でも読んでいて、ビジネス、歴史物から小説まで、その日の気分で選んでいます。
プレシード期からシード期のスタートアップへメッセージをいただけますか。
最初の資金調達は投資家が何を求めてるか全然わからないですよね。支援してくれるサポートサービスはたくさんあるので、私も当時は手当たり次第話を聞いていました。みんながいろいろなことを言うのですが、当時はまだ理解が追いついていないので、何を言っているかわからない。後になってみると、あの頃みんなが言っていたのは同じことだったんだなーと。
辛辣な意見を言われてつらく思うことはあるんですけれども、自分が経営者というより営業であると考え直せば、プロダクトに対するクライアントの意見を集めて改善につなげていくと捉えることもできるはず。へこんでいるよりも、意見をもらって自分の可能性を広げた方がきっと良いですよ。
最後に、これからつくりたい世界観と、読者へ一言お願いいたします。
治験DXで世界No.1になることを固く決めています。治験DXのグローバルトップ獲得は、まだ誰もやっていません。世界中の薬の開発にAgathaが使われている世界にしたいと思っています。それは、今のチームはもちろん、今後入ってきていただくメンバーと一緒につくっていく世界。共感いただける方のジョインをお待ちしています。
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