
SNSのトレンドが目まぐるしく変化する現代において、いかにして視聴者の共感を集め、「愛着」を育むことができるのか。 株式会社CREAVEは、多様な強みを持つクリエイターと企業をつなぐことで、単なる制作代行に留まらない、熱量のあるコンテンツを生み出している企業だ。同社は、企業のSNS運用を戦略設計から制作、投稿代行まで一気通貫で支援している。
クリエイターの可能性を最大化し、企業の課題解決へと導く代表の中村 真奈(なかむら・まな)氏に、事業拡大にかける自身の原動力や、共感を生み出すコンテンツ制作の裏側などを伺った。
AIには生み出せない「違和感」や「余白」が人の心を動かす
生成AIの普及により、誰もが簡単に動画や画像といったコンテンツをつくれる時代になりました。このような潮流の中で、クリエイティブにこだわる理由を教えてください。
まず企業や個人がSNSを運用する目的は、自分たちが届けたい価値やサービスの良さ、メッセージを、より多くの人に届けることです。
SNSは、共感を生んだコンテンツが爆発的に拡散され、大きな影響力を持つ仕組みです。
そのため、単に正しい情報を発信するだけでなく、いかに人の心を動かすかが、目的達成において何よりも重要になります。
生成AIはコンテンツを効率よく量産する点や、大量の情報をインプットして分析を行う点においては大変優れています。しかし、アウトプットとなると、AIだけで作成した場合、大量のデータから導かれる平均値に収まってしまう側面があります。
いくら平均値で整ったコンテンツを量産しても、誰の記憶にも残らず、共感も生まれません。本来の目的である「人の心を動かす」「共感を生む」という部分はなかなか達成しづらいのです。
コンテンツをつくる上で欠かせないのは、効率や論理だけでは説明できない「違和感」や「余白」、「人間らしさ」といった要素です。ただ、そういった領域には「こうすれば絶対に共感が生まれる」という勝ちパターンが存在しません。 だからこそ、そこにアプローチして精度を高めることが非常に重要になります。
制作の課程ではAIの力も活用しつつ、コンテンツのコアとなる部分は、やはり作り手自身の感受性が不可欠です。人の気持ちの揺れや空気感といった「言語化しづらい部分」を表現していくことが必要になります。
作り手自身が心を動かし、「ワクワクする」「面白い」と感じた熱量を、最終的なアウトプットに集約していく。それこそが、誰にも真似できない唯一の価値となり、人の共感を呼び、感情を動かせるのだと思っています。弊社ではそのプロセスを重要視しています。

そうした人の気持ちの揺れや空気感を表現するために、特に大事にしているポイントはありますか?
コンテンツのジャンルにもよりますが、共通して大切なのは「リアルさ」です。つまり飾りすぎないことですね。
例えば、自分の目標のために頑張る過程を見せ、フォロワーも一緒になって応援できるようなコンテンツは、注目を集めやすい傾向にあります。
そのような飾らない姿を見せ、思わず応援したくなる、追いたくなるようなストーリー設計が大切です。
また、人が前に出るコンテンツであれば、「その人柄をどう好きになってもらうか」をしっかり考える必要があります。
これは企業が運用するキャラクターアカウントも同じです。表面的な可愛さや有益な情報の発信だけでは、反応は伸びません。
そのキャラクターなりの個性的な趣味や設定、語尾などの細部にこそ、ユーザーは唯一無二の価値を感じて愛着を持ち、応援したくなるのだと思います。
キャラクター性のあるアカウントが手法として良いのでしょうか。また得意としている領域なのでしょうか。
そうですね、もちろん対応可能ですし、有効な選択肢の一つだと思っています。
ただクライアントの商材や、何を訴求したいかという目的により、最適な手法は様々です。
だからこそ私たちは、まず「情報を届けたいターゲットに対して、どのように共感を生むか」という本質的な要素から分解していきます。
そして企業の強みを洗い出し、ゴールへの最短距離を一緒に考えながら運用していくことを大切にしています。

各SNS媒体のトレンドについて教えてください。ユーザーの心を掴んでいる流行のコンテンツはありますか?
どの媒体も共通して、動画コンテンツの比重が非常に上がってきています。ショート動画の普及により、SNSで動画を視聴するスタイルがここ数年ですっかり定着しています。Xも元々はテキストのみのコミュニケーション媒体だったのに対して、最近は動画の割合が非常に増えてきています。
特に流行しているのはショートドラマのようなコンテンツで、ショートドラマがよく見られる媒体はTikTokです。短期間で起承転結を見せて楽しませるコンテンツは、SNSのフォーマットとの相性が良く、トレンドの一つになっています。
多くの企業も、広告らしさが全面に出るコンテンツは回避する傾向にあります。
ドラマという作品としてまずは楽しんでもらい、その中に企業の訴求や商品・サービスの良さを混ぜ込むという、ショートドラマのマーケティング手法は、私たちも注目しているところです。
コンテンツ単体としても魅力的なため自然と視聴され、かつ商品やサービスの魅力も訴求できるということですね。
そうですね。先ほどの話にも通じますが、「視聴者と一緒に育っていく」アカウントやコンテンツは、個人のみならず、企業のアカウントでも増えています。
SNSの最大の強みは、発信者と視聴者の垣根が低く、双方向(インタラクティブ)のコミュニケーションが取れる点にあります。
例えばXでは、企業が一般ユーザーの投稿に直接リプライを送るなど、積極的に交流を図る運用が主流になりつつあります。
また、TikTokとInstagramは似ている部分もありますが、役割が明確に異なります。TikTokはよりライトなコンテンツで「まずは興味を持ってもらう」ための媒体です。一方のInstagramは、そこからさらに深く知ってもらい、継続的な発信によって「愛着を深めてファンになってもらう」という設計と非常に相性が良いと言えます。
このように、各媒体の特性を正しく理解し、それぞれに最適化した運用ができている企業アカウントが、結果として大きく伸びている状況です。
戦略から実装、炎上対策という「守り」まで一気通貫で担う
SNS運用代行サービスを行う企業は多数存在しますが、自社に合ったサービスを選ぶための基準はありますか?
まず「SNS運用」と一括りに言っても、得意な媒体や商材のカテゴリー、クリエイティブが各社で異なります。
同時に、SNS運用を行う目的も「購入までしっかりとSNS上で繋げていきたい」というコンバージョン重視のものから、「ブランディング寄りで企業のイメージアップを図りたい」「フォロワーやファンを獲得したい」といった認知拡大まで、多岐にわたります。
そのため、自社の目的や課題解決に対して、その運用会社が適切な支援を得意としているかを見極める必要があります。
ユーザーからは「信頼できる運用代行会社に依頼したい」という声が多数ありますが、見極めるポイントはありますか?
問い合わせ後の初回打ち合わせや、ヒアリングの場でチェックしたいのは、代行会社がいかに自社の「本質的な課題」に向き合ってくれるかです。
例えば「Instagramを運用したい」と要望を伝えた際に、「そもそも本当にInstagramをやるべきなのか」という根本的な部分から一緒に考えてくれるか。あるいは、運用における戦略設計の話をメインに進めてくれるかどうかが重要になります。
SNS運用と一口に言っても、媒体の選定や予算の使いどころなど、施策の組み合わせは何通りもあります。そもそもの仕組みを理解した上で、本質的な課題感にしっかりと向き合い、最適な提案をしてくれる代行会社が良いのではないかと思います。
戦略から実装までを一気通貫で行っていただける企業に依頼する場合と、フリーランスに依頼する場合で、得られる成果や関わり方にどのような違いが生まれるとお考えでしょうか?
一概には言えない部分もありますが、フリーランスにコンテンツ制作や運用を依頼する場合は、企業側が戦略やKPIなどの全体設計でしっかりと舵を取りつつ、クリエイター個人の強みを最大限に活かした協業体制をつくることが重要です。
戦略から実装まで一気通貫で担う組織にお願いする場合は、そのすべてを任せられるというのがまずメリットとして一つあります。
成果については個人のフリーランスの方でもしっかりと出されている方はたくさんいらっしゃるので、「どちらが良い」とは一概には言えません。ただし、成果に対する期待値の違いは前提としてあると思います。
また、弊社はレギュレーション周りや炎上してしまった時のエスカレーションフローなど、「攻め」だけでなく「守り」の運用も得意としています。そういった部分は、戦略から実装までを一つの組織で担っているからこそ、ご提供できる価値です。
クリエイターと共につくり上げることで生まれる「強み」
企業のマーケティング課題を解決するだけでなく、作り手であるクリエイター自身の可能性も広げることに注力されている理由や想いをお聞かせください。
まず私自身の仕事の根底には、個人それぞれが自分の強みや好きなことの可能性を最大限に発揮して、いきいきと生きる人が増えてほしいという想いがあります。
また事業を通じて、SNS時代における個人のクリエイターの力は非常に影響力を増していること、100人いれば100通りの感性やクリエイティブな方向性があることを実感しています。
SNS領域において、多様な得意分野を持つクリエイターと、その強みを必要とする顧客案件をいかに上手くつなげて支援・解決できるか。それが私たちの最も注力しているところです。
単に「クリエイティブをつくってもらうだけの担当者」のような関わり方ではなく、クリエイターの可能性を広げ、私たちもリスペクトを持ちながら、共につくり上げていく。そのこと自体が熱量を生み、まだつくったことのないクリエイティブを生むことになります。
クリエイターの可能性を最大化させる関わりこそが、結果として、私たちが提供するサービスの価値向上に直結するのだと確信しています。
感情の動きや共感力が重要なSNSだからこそ、クリエイター個人の熱量やモチベーションを引き出せるような環境づくりが重要だということですね。
そうですね。優秀なクリエイターであればあるほど、個人でも十分に活動できてしまいます。そのような中で手を組み、企業のマーケティング支援や、一緒にクリエイティブをつくっていくには、良い関係値がないとなかなかうまくいきません。
単に「これをつくって」と指示するような関係は、もし私がクリエイターだったらストレスに感じると思います。
「一緒に仕事をするのが楽しい」と思ってもらえることや、「大きな案件にチャレンジできる」「チームで働ける」といったメリットを感じていただけることが大切なので、いかにWin-Winの関係値を築けるかを意識しています。

ステークホルダー全員が幸せな状態を目指して
続いて中村様ご自身のキャリアについてお伺いします。これまでの歩みの中で、常に挑戦を止めることなく事業を拡大されてきた、そのモチベーションの原点はどこにあるのでしょうか?
非常にシンプルで恥ずかしいのですが、私の幸せは「好きな人たちと意味ある挑戦をする」ということに尽きます。
事業をつくる上で、対価をいただくお客様に価値を提供するというのはもちろんですが、関わるステークホルダー全員が幸せな状態をつくれること。それこそが難しさでもあり面白さだと思っています。
その理想に近づいていくこと自体が「楽しいこと」なので、苦労とも思わないですし、むしろ心から楽しんでやっています(笑)。
素敵ですね!最後に、挑戦を続けてこられた経営者として、これから挑戦しようとしている方へのメッセージをお願いします。
自分が好きなことや、誰に何も言われなくてもやってしまうこと。それを挑戦の軸と揃えられると、自分自身もハッピーな状態で取り組めます。
毎日苦行のように挑戦することもかっこいいとは思いますが、周りを見ていても「結局、心から楽しんでやっている人には勝てないな」と痛感します。
自分の「やりたいこと・できること」と、「社会が求めていること」が重なる部分を自分なりに納得して、それを心に持ち続けられたらすごく幸せですよね。
もし私たちの価値観に「ピンときた」という方がいたら、ぜひ一緒にお仕事をしたいです。弊社では新しいメンバーを募集していますので、「面白いことをやってみたい!」と思う方はご応募お待ちしています。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
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