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テクノロジー×エンタメで新たな価値創造を目指す。gmlabs黒田武志氏インタビュー Supported by HAKOBUNE

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テクノロジーとエンターテインメントを融合し、新たな価値創造に挑むgmlabsは、AIやWeb3といった先端技術を駆使し、企業のDX推進や新規事業開発を支援する。エンタメ的な発想をビジネスやテクノロジー領域へと応用し、独自のソリューションを提供する点が大きな特徴だ。

2024年9月にグローバル市場に投入したブロックチェーンゲーム「KANOI」は、その哲学を象徴するプロダクト。革新的なビジネスモデルと戦略を通じて、gmlabsの技術力と挑戦する姿勢を世界に示した。

創業者の黒田 武志(くろだ・たけし)氏は、EdTech分野での海外事業開発や大手EC企業のグローバル戦略策定、大手IPホルダーの海外展開支援など多彩な経験を持つ。その知見を基盤に、テクノロジー×エンタメの力で新たなビジネス機会を切り拓いてきた。

なぜgmlabsは、テクノロジーとエンタメを融合することに力を注ぐのか。その背景にあるビジョンと、グローバル展開に向けた取り組み、未来への展望について話を聞いた。

テクノロジーとエンタメを軸とした、gmlabsの事業展開

まず、貴社の事業概要を教えてください。

当社は、エンターテインメントの世界で培った豊かな発想力と、人々の心を動かすクリエイティビティを、テクノロジーへ応用することで新しい価値を創り出す企業です。エンタメ的な発想力と確かな技術力を掛け合わせ、企業のDX支援や新規事業開発をサポートしています。
また、自社開発のブロックチェーンゲーム「KANOI」やメタバース推し活アプリ「oshimo」の提供も行っています。

企業のDX支援や新規事業開発支援では、具体的にどのような取り組みをされていますか?

当社では、大手企業からスタートアップまで幅広くDX推進や新規事業開発を支援しています。取り組みとしては、戦略コンサルティングやプロトタイプ開発、実装支援、さらには新規事業立ち上げ後のマーケティング戦略立案やユーザー獲得支援まで、多岐にわたります。特にテクノロジー面では、AIやブロックチェーン技術を活用し、業務効率化や新たな価値創出を狙ったソリューションを提供しています。

また、技術を導入するだけでなく、「エンタメ的な発想力」を意識した企画開発にも力を入れています。エンドユーザーがサービスやプロダクトを利用する際に、感情的な共感やワクワク感を得られるような体験価値を創出することを目的としているんです。企業がデジタル変革を通じて新たな成長エンジンを確立できるよう、テクノロジー×エンタメを融合させることで、総合的なサポートを行っています。

現在はどのようなプロジェクトに取り組まれていますか?

現在、私たちはさまざまな業界・領域でのプロジェクトに携わっています。たとえば、大手ゲーム開発会社様に対しては、ブロックチェーン技術を活用した新規ゲームタイトルの企画・開発をサポートし、そのゲーム性からエコシステム設計までを包括的に支援しています。また、大手半導体製造会社様がエンタメ領域へ進出する際には、事業戦略の策定からマーケティング戦略の立案まで、テクノロジーとクリエイティブな発想力を掛け合わせ、エンターテインメント分野での新たな価値創出をサポートしています。

さらに、薬局チェーンにおいては、AIを用いたFAX関連業務の効率化に向けた最適なソリューションを共に検討・実装しており、日常業務のDX推進と生産性向上に寄与しています。

ブロックチェーンゲーム「KANOI」についても教えていただけますか。

「KANOI」は、日本特有の妖怪や陰陽師の世界観をコンセプトにしたブロックチェーントレーディングカードゲームであり、今年9月にローンチを迎えました。初期販売では、約2,500万円(1ETH = 55万円換算)相当の1,500枚のNFTが即座に完売し、さらにトークンを海外取引所へ上場させることにも成功しています。

「KANOI」最大の特徴は、緻密につくり込まれたIPを核としたゲームデザインにあります。これは、「キャラクターを丹念にデザインし、世界観そのものを体験させるためにゲーム構築を行う」という、日本のゲーム制作の伝統的なアプローチに基づいたものです。私自身、これまでの経験を通じて、強いIPがゲーム全体にシナジーをもたらすことを痛感しており、「KANOI」でもキャラクターや世界観を徹底的につくり込み、それらを存分に体験できる場としてゲームを提供しています。

「KANOI」の開発経緯を教えてください。

開発に至った背景は大きく二点あります。まず一点目は、急速に拡大するブロックチェーンゲーム市場において、世界規模で成功を収める日本発のタイトルがまだ誕生していないことです。もう一点は、私自身の原体験に基づくものです。日頃からさまざまなゲームを楽しんできた私にとって、プレイをやめた瞬間に、それまでのプレイ時間や課金によって得たアイテムの価値が消失してしまうことに強いもったいなさを感じていました。

そこで、ブロックチェーン技術を活用することで、ゲーム内で得たアイテムをNFTとして資産化し、プレイ時間はトークンによって還元され、現実世界と交換可能な価値へと転換できると考えました。時間をかけたプレイがそのまま資産となる仕組みを築くことができれば、ゲームは単なる娯楽を超えた新たな付加価値を持ち、さらなる可能性を切り拓けるはず。こうした思いから、ブロックチェーンゲーム「KANOI」の開発を決意しました。

グローバルなIPビジネスの経験を武器に起業

先ほどゲームの特長を教えていただいた際、「私自身の経歴からも、強いIPを生み出すことがゲームにシナジー効果をもたらすと実感していた」というお話がありましたが、黒田さんの経歴について改めて教えていただけますか?

大学卒業後はEdTech(エドテック)領域に関心を持ち、教育関連企業へ就職し、約2年間にわたって海外スタートアップへの出資や共同事業開発に携わりました。その後、大手ECサイト運営企業へと転職し、グローバル展開の戦略立案を担当。続いて、大手IPホルダー企業にて、台湾や中国での海外事業展開を手がける経験を積みました。

また、大手IPホルダー在籍中には、初めての起業として海外輸出や海外マーケット支援を行う会社を設立。この会社においては、世界各国のフリーランサーや開発者と協業するためのグローバルな人材ネットワークを構築し、リモート開発体制の確立およびマネジメント手法の習得を実現しました。こうした経験があったからこそ、現在のgmlabsにおいても、海外の優秀な人材を柔軟かつ効率的に活用し、低コストながら高品質なサービスを提供できる基盤を整えることができました。

IPビジネスを経験されてきたからこそ、「KANOI」ではIPを際立たせたゲーム設計に注力されているのですね。

そうなんです。IPビジネスで培った経験は、特に「KANOI」の開発において大きな強みとなっています。IPの本質的な力は、単なるビジュアル的な魅力に留まらず、キャラクターやストーリーを通じてユーザーと持続的な関係を築き上げる点にあると考えています。

近年、TikTokやYouTubeなどのメディアを中心に、コンテンツの消費時間がどんどん短縮されている中、ゲームは依然として一つのコンテンツに長時間没頭できる、今となっては珍しいメディアです。その環境下でIPへ長時間触れることで自然と醸成される愛着は、プレイヤーがゲームを継続的に楽しむ大きな動機となります。こうした理解が背景にあるからこそ、「KANOI」でもキャラクター設計に特別な力を注いでいます。

ユーザーの期待を超える価値の創造を目指す

今後の組織づくりについてはどのようにお考えですか?

組織については、日本法人の人員を必要以上に増やすことは考えていません。お客様とのコミュニケーションに関しては、必要に応じてスタッフを増員する可能性はありますが、開発業務については、当社の強みである優秀な海外人材の活躍を今後も推進する方針です。

今後の事業展望についても、お聞かせください。

今後は、企業向けソリューション事業を主軸としつつ、自社開発のブロックチェーンゲーム「KANOI」を運営することで、両輪での事業成長を図っていきます。

toB事業においては、「少人数体制でも海外の優秀な人材を効果的に活用し、低コストかつ高品質な成果を創出する」という当社ならではの強みをより一層拡大していく考えです。自社サービス開発では、海外の優れた人材を活用することで、日本国内での開発に比べて大幅なコストダウンを実現しつつ、品質も維持してきました。この成功モデルをクライアント向けソリューションとして広く展開し、企業の競争力強化に寄与したいと考えています。

一方、「KANOI」に関しては、Web3ユーザーの特性を活かしたグローバル戦略を推進していきます。Web3市場では、国・地域を問わず、共通の関心領域を起点にコミュニティが形成される点が特長です。そのため、アニメやゲームに興味を持つグローバルなWeb3ユーザーをターゲットとし、特定のNFTコミュニティとのコラボレーションなどを通じてユーザー基盤を拡大します。また、日本国内市場向けには、ローカライズ施策やインフルエンサーを活用した情報発信を強化し、ユーザーのさらなる拡大を目指していきます。

プレシード・シード期のスタートアップへ応援メッセージをいただけますか。

まだ私自身も経験が浅く、起業家として多くの教訓を語れる立場ではありませんが、スタートアップ運営を通じて強く実感していることがあります。それは、スタートアップはロケットのように一気に上昇するイメージで語られることが多いものの、本質的にはマラソンのような性質を持っているということです。

特に創業初期は私も、寝る間を惜しんで全力で走り続けた時期もありました。しかし、時間をかけたとしても必ずしも良い結果が出るわけではありません。むしろ、チームのモチベーションを長期的に維持しながら、粘り強く前進し続けることのほうが重要です。

事業には必ず山と谷があります。走り続けるばかりでは息切れしてしまい、苦しい時期を乗り越えることが難しくなります。だからこそ、短期的な成果だけを追い求めるのではなく、マラソンのように長期的な視点を持ちながら、持続可能なチーム、持続可能な事業環境をつくり上げていただきたいなと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
私たちは、あらゆるプロセスが効率化・便利化へと加速する現代だからこそ、エンターテインメントという「心を動かす」価値を何より大切にしています。ユーザーが想定する一歩先を踏み込み、その期待をほんのわずかでも超える――この姿勢こそが、私たちが創り出すソリューションの核にあります。

この理念を軸に、私たちは自社サービスの開発に限らず、企業様へご支援する際も、効率化や開発サポートにとどまらない「価値の創出」を追求し続けています。技術と想像力を掛け合わせた独自の体制で、常に新たな領域へと挑戦し、お客様やその先にいるユーザーを魅了する新しい体験価値を生み出すことに注力しています。

もし皆さまが、これまでになかった体験価値の創造に向けて新たな一歩を踏み出されるなら、ぜひお気軽にご相談ください。

<VCより応援メッセージ>

HAKOBUNE 共同創業者 栗島 祐介

私たちがgmlabsへの投資を決めた理由は、黒田さんが持つユニークな強みにあります。大手EC事業者や大手IPホルダー時代に培ってきたエンターテインメント業界の商流に対する深い理解と、それを活かしたB2B展開ができる人材は極めて貴重です。

現在、gmlabsは「KANOI」の展開を進めていますが、黒田さんはそれ以上に大きなビジョンを描ける経営者であると確信しています。特に、エンターテインメント領域におけるB2B展開では、黒田さんの才覚を活かしたさらなる成長を期待しています。

今後、黒田さんのビジョンに共感する優秀な人材が集まり、より大きな挑戦へと発展していくことを期待しています。エンターテインメント業界も含めた国内外での新たな価値創造に向け、私たちも引き続きgmlabsのさらなる飛躍を全力で支援していきたいと考えています。