2024年1月12日から2024年1月18日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうち、JP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。
編集部コメント
今週は資金調達に絞って、4件の情報をお届けする。
事業拡大に伴って社名を変更したセールステックSaaS「OPTEMO(オプテモ)」、ホテル客室清掃管理SaaS「Jtas」、融資・債権回収業務のデジタル化に挑むクレジットエンジン・グループ、カーボンニュートラルな新素材「PlaX™(プラックス™)」を開発するBioworksの4社をピックアップ。各企業の事業概要や資金調達の詳細を見ていく。
そのほかにも今週は、AI警備システム「AI Security asilla」を開発するアジラや、東京大学発 AI・宇宙ベンチャーのLocationMindが資金調達を発表した。今後の調達もに注目していきたい。
資金調達情報
【シリーズA】インサイドセールスの商談獲得ツール「OPTEMO」、3億円の資金調達を実施(2024年1月17日発表)
Webサイト上で企業と顧客がコミュニケーションできるセールステック「OPTEMO(オプテモ)」を開発・提供する株式会社OPTEMOが、シリーズAで総額3億円の資金調達を実施した。併せて、事業拡大に伴って社名を株式会社ジェイタマズから株式会社OPTEMOへ2024年1月10日に変更したことを発表した。引受先はSkyland Ventures、SBIインベストメント、FFGベンチャービジネスパートナーズ、千葉道場ファンドのほか、新規投資家として株式会社モバイルコム、三菱UFJキャピタル、りそなキャピタル8号投資事業組合、SGインキュベート、茂野 明彦氏(個人投資家)。
OPTEMOは「日本の商習慣を変える」という想いのもと、新たなWEB体験を通じて「ヒト、コト、モノがさっとはまる」社会の実現を目指している。同社が開発・提供する「OPTEMO」は、Webサイトへ訪問した顧客とWebサイト上でそのままコミュニケーションができるセールステックSaaSで、既存のWebサイトに専用のタグを1行入れるだけですぐに導入が可能。これまで知らないうちに逃していた顧客との接点を取ることができる。
今回調達した資金は事業拡大に充てる方針で、それに伴い、セールス、カスタマーサクセス、エンジニアなど多数のポジションで採用を強化していくという。元リリースはこちら。
【シリーズA】ホテル客室清掃の変革に挑むEdeyans、4.3億円の資金調達を実施(2024年1月12日発表)
テクノロジーを用いてホテル客室清掃領域の生産性と労働環境の向上を目指して事業展開する株式会社Edeyansが、WMパートナーズ及びオリエンタルランド・イノベーションズを引受先とした第三者割当増資に加え、みずほ銀行及び日本政策金融公庫からのデットファイナンスにより、総額4.3億円の資金調達を行ったことを発表した。
Edeyansは、2018年に大阪で創業。コロナ後を見据え2021年にホテル客室清掃に参入、「ホテルの新たなインフラをともに創る」をコーポレートミッションに、東京を中心とした全国に商圏を拡大している。同時に、民泊清掃時代に取り組んでいた清掃のシステム管理から着想し、ホテル客室清掃管理SaaS「Jtas(ジェイタス)」の開発に着手。2022年には清掃オペレーションとSaaSを組み合わせた総合的なホテル客室清掃サービスの提供をスタートさせた。現在は、「Jtas」の機能開発を進め、客室清掃領域のさらなるデジタル化を通して生産性と労働環境の向上に取り組んでいる。
今回調達した資金は、ホテル業界の人手不足という大きな課題をテクノロジーとオペレーションで解決し、観光立国日本を支えるべく、プロダクト及びサービスの開発とさらなる事業拡大を進めていくという。元リリースはこちら。
【シリーズB】融資・債権回収業務の基盤サービスを提供するクレジットエンジン・グループ、12億円の資金調達を実施(2024年1月17日発表)
データとテクノロジーで金融機関のデジタル化を実現するサービスを提供しているクレジットエンジン・グループ株式会社は、シリーズBをクローズし、融資と併せて総額約12億円の資金調達を完了したことを発表した。これに伴い、グループ累計調達額は22億円となった。引受先はDGインキュベーション、静岡キャピタル、BRICKS FUND TOKYO(三菱地所のコーポレートベンチャーキャピタル)、三菱HCキャピタル、NOBUNAGAキャピタルビレッジ(十六銀行のコーポレートベンチャーキャピタル)、農林中金キャピタル、SGインキュベート(西部ガスグループのコーポレートベンチャーキャピタル)の7社。
クレジットエンジン・グループは、「“かす”をかえる。“かりる”をかえる。」をミッションに、融資・債権回収業務の基盤サービスとなることを目指し、2016年7月にLENDY株式会社(旧:株式会社クレジットエンジン)創業以来、「中小企業や個人事業主が資金調達に悩まされることなく、本来の事業に注力できる環境を整えたい。」という想いを実現すべく、融資・債権回収業務のデジタル化に挑んでいる。
今回調達した資金は、同社が提供しているオンライン融資システム「CE Loan」、オンライン債権管理回収システム「CE Collection」の更なるサービス拡大に向けた人材採用への投資のほか、新たに参画した投資家とともに非金融事業者の金融事業のデジタル化を目指す事業連携もさらに推進していくという。元リリースはこちら。
【ラウンド不明】植物由来のポリ乳酸新素材「PlaX™」を開発するBioworks、4.15億円の資金調達を実施(2024年1月18日発表)
「新しい豊かさの種を蒔く」をミッションに掲げるBioworks株式会社は、4.15億円の資金調達を第三者割当増資にて実施したと発表した。引受先は国際的なベンチャーキャピタル企業であるLavender Hill Capitalと、Purpose Venture Capital、18 Salisbury Capital、並びに繊維商社である株式会社ヤギなど。また、今回の資金調達によって累計調達額は25億円に達した。
Bioworksは2015年に設立、ポリ乳酸新素材「PlaX™(プラックス™)」を研究・開発し、地球と人類がともに健やかに生きられる未来を生み出していくマテリアルクリエイションカンパニーとして、持続可能な循環型社会の実現を目指している。「PlaX™」は、サトウキビなどの植物を原料とするバイオプラスチック「ポリ乳酸(PLA)」に、同社が独自に開発した「植物由来の添加剤」を加えることで、品質と機能をアップデートしたカーボンニュートラルな新素材。石油由来の合成繊維であるポリエステルなどの代替のほか、新たな用途への展開も進む新しい素材として世界的に注目を集めている。
今回、国際的なベンチャーキャピタルであるLavender Hill、Purposeからの追加投資により、アジア太平洋地域におけるESG投資の促進に寄与するとともに、国内から海外市場への流通チャネルを拡大していくという。また、繊維産業において長年の実績を誇るヤギとの提携により、自社開発する「PlaX™」の販路拡大をさらに推進していきたい考え。元リリースはこちら。
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