2023年12月14日から2023年12月21日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうち、JP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。
編集部コメント
12月も終わりが差し迫る中、昨年は最終週に向けてだんだん量が細っていった印象だったが、今年は資金調達ニュースが潤沢。どれも気になる事業が多い一方、やはり市況か、ラウンドクローズの途中のリリースも少なくなく、なかなか選定に悩んだ。
そのような中で、今回は、NFTチケットのチケミー、小口現金Fintechのエンペイ、超小型衛星のアクセルスペース、業務用ロボットのugoの4社をピックアップ。エンペイとugoはJP Startups(ジャパスタ)が取材済みの企業でもあるので、ぜひ記事を参照されたい。特にチケミーはNFTユースケースの広がりと、業界への新しい風と期待が集まる。
来年の各社ニュースも楽しみだ。
スタートアップニュース
アクセラレータープログラム「G-STARTUP」、 第8期の募集を開始!(2023年12月14日発表)
経営大学院・企業研修・デジタルプロダクト・ベンチャーキャピタルなど、国内外でさまざまな事業を展開する株式会社グロービスは、スタートアップ企業を対象とするアクセラレータープログラム「G-STARTUP」の第8期となる8th Batchの募集開始を発表した。
「G-STARTUP」は、ユニコーン企業を100社輩出するプラットフォームの構築を目指し、2019年にスタートした。将来的に日本を代表するベンチャー企業へ成長することが期待されるスタートアップの起業家を採択し、プロダクト・ビジネスモデル・チームの成長と、ユニコーン企業を輩出するために必要な事業開発と資金調達を支援する。
8th Batchは前期に続き、企業や大学・研究機関などで生み出された先進技術を活用したディープテック企業に優先枠を設け、最大5枠まで採択を予定している。また、事業を通して社会課題を解決し、経済的リターンとともに社会・地球環境にポジティブなインパクトを生み出す革新的なスタートアップを募集し、合計20社超の採択を予定している。一次締切は12月27日(水)、2024年1月10日(水)が最終締切となっている。
プログラム詳細については、公式サイトより確認できる。元リリースはこちら。
独立系VCのデライト・ベンチャーズ、エンジニアの起業支援プログラム「VチャレTech」を開催(2023年12月20日発表)
独立系ベンチャーキャピタルのデライト・ベンチャーズが、エンジニアによる革新的な事業創出の促進を目的に、エンジニアの起業支援に特化した「第1回VチャレTech」の開催を発表した。
「VチャレTech」は、エンジニアが自身のアイデアを基にプロダクトを開発し、アクティブユーザーや顧客の獲得を判断指標として、事業創出を実践するプログラム。参加者はデライト・ベンチャーズの支援を受けながら約6ヶ月でプロダクトの設計・開発・検証を実施し、その後、トラクションの獲得を得て、独立起業・調達を目指す内容になっている。
プログラム参加者には、検証結果に応じて、最大1,000万円のマーケティング・プロダクト開発などに関する検証費の提供や、1,000万円〜5,000万円程度のJ-KISS投資の提案などが用意されている。募集期間は、12月20日(水)から2月29日(木)まで。
プログラム詳細については、公式サイトより確認できる。元リリースはこちら。
資金調達情報
【シード】NFTチケットプラットフォームを提供するチケミー、 1.4億円の資金調達を実施(2023年12月15日発表)
日本最大級のNFTチケットプラットフォームを提供する株式会社チケミーは、Z Venture Capital、East Ventures、そのほか個人投資家3名を引受先として、シードラウンドにおいて1.4億円の資金調達を実施した。また、今後、資金調達額が総額2.2億円となるセカンドクローズでの追加調達を予定していることを発表した。
チケミーは「世の中の隠れた価値を見つけだし、あるべき場所にあるべき価値を届ける」をミッションに、音楽ライブ・演劇・スポーツ観戦などのチケットを自由に売り買いすることができるNFTチケットプラットフォーム「TicketMe(チケミー)」を展開。NFTチケットは、ブロックチェーン技術を活用した価値の移転を示す技術であるNFTを応用したweb3時代の新しいチケットで、高い耐改ざん性を持ち、イベント券や商品の引換券として流通の管理、付加価値の提供などを可能にする。また、TicketMeのユーザー間で売り買いされたチケットの売り上げの一部は一次販売者に還元され、悪質な転売を防止することができる。
今回調達した資金は、NFTチケットおよびNFT引換券の販売プラットフォームの開発・運営、アーティストやイベント主催者との連携強化、マーケティング・PR活動の強化に活用し、サービスの改善、利用事業者との連携を加速していくという。元リリースはこちら。
【シリーズB】集金業務のキャッシュレス化・DX化を実現するエンペイ、8.5億円の資金調達を実施(2023年12月20日発表)
教育施設と保護者間における集金業務の改善に注力する株式会社エンペイは、株式会社MIXI、DNX Ventures、Spiral Capital、株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND、GMOペイメントゲートウェイ株式会社、株式会社旺文社ベンチャーズの7社を引受先とした第三者割当増資に加え、株式会社商工組合中央金庫からの融資を合わせて総額8.5億円の資金調達を実施。併せて、株式会社MIXIとの資本業務提携も発表した。
エンペイは「やさしいフィンテックを。」をミッションに掲げ、集金業務のキャッシュレス化・DX化を実現する「enpay」、口座振替による集金業務をより便利にする「koufuri+」、教育施設や子どもたちを支援するための決済手段「enpayウォレット」を提供している。そして、今回新たに「家族アルバム みてね」などを提供する株式会社MIXIとの業務提携により、お互いのユーザーに新たな価値を提供するべく、新規事業の創出等に取り組むという。
今回調達した資金は、当該事業における新たな市場創出と業界課題解決のサポートをより一層強化するため、プロダクト開発と組織の拡充を中心に投資する予定とのこと。元リリースはこちら。
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【シリーズD】小型衛星事業に取り組むアクセルスペース、約62.4億円の資金調達を実施(2023年12月21日発表)
株式会社アクセルスペースホールディングスは、SMBC-GBグロース1号投資事業有限責任組合をリードインベスターとし、その他投資家を引受先に、約62.4億円の第三者割当増資によるシリーズDラウンドの資金調達を実施した。これにより、同社のエクイティ調達額は約143億円となった。
アクセルスペースは、2008年の創業から15年にわたり、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の技術実証衛星を含む合計9機の小型人工衛星を開発している。現在は、2015年から取り組む独自の地球観測サービスであるAxelGlobe事業に加え、2022年に発表したAxelLiner事業の一環として、小型衛星の机上検討から設計製造、打ち上げ、軌道上運用までをワンストップで提供する革新的なサービスの実現に向けた研究開発を進め、2024年にはその実証衛星の打ち上げも予定している。
今回調達した資金は、100%子会社である株式会社アクセルスペースで運用している自社の小型衛星コンステレーションの機数増強による地球観測サービスの強化、さらに、政府や民間事業者に向けた小型衛星開発・運用サービスの本格化、光データ中継衛星コンステレーションの構築などに充て、より多様なニーズに応えられるソリューションを提供していきたい考え。元リリースはこちら。
【ラウンド不明】業務DXロボットのugo、NTTグループより資金調達を実施(2023年12月21日発表)
業務DXロボットを開発するugo株式会社は、NTTグループとの協業を促進するため、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズが運用するファンドから資金調達を実施したことを発表した。
ugoは警備業務や点検業務など、労働力不足が深刻化する業種に対して、ロボットを活用した業務DXソリューションを提供し、オフィスビルやデータセンター、発電所などの現場で採用されている。NTTグループにおいては、これまで、NTT都市開発株式会社が保有する品川シーズンテラスや、株式会社NTTデータが保有するデータセンターにugoが導入されており、2023年12月20日 に西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)とロボットを活用したあらゆる産業の人材不足の解消に向けて、協業事業化検討の基本合意に至ったという。
2024年には西日本エリアの需要拡大に向けて大阪にも拠点を開設し、東京と大阪の2拠点とも人材採用を強化していくという。今回調達した資金によって、NTTグループとのさらなる連携を深め、新たな価値創造を目指すとともに、その取り組みの一環として、NTT西日本グループとの強固なパートナーシップの構築を図っていきたい考え。元リリースはこちら。
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